間取り・実例
高齢者に優しい平屋の間取り実例|設計のポイントや必要な広さも
公開:2026.08.12
注文住宅を建てるにあたって、老後まで長く安心して住める家にしたいと考えているけれど、
・どんな設計なら老後まで長く住めるか分からない
・建築事例を参考にしたい
とお悩みになる方も多いでしょう。
この記事では、高齢者に優しい平屋の間取り設計のポイントや建築事例を紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
高齢者に平屋がおすすめな理由
平屋は、生活に必要な空間がワンフロアにまとまっているため、年齢を重ねても暮らしやすい住宅です。
ここからは、平屋が高齢者にとって暮らしやすい理由を紹介します。
生活動線が短くなるから
平屋の大きな魅力は、キッチン・リビング・寝室・洗面所などが同じ階にあるため、動線が短くなり、日々の暮らしがスムーズになることです。
「料理をしながら洗濯機を回して干す」などの一連の家事も、最小限の移動で完結します。
年齢を重ねると、ちょっとした移動でも負担に感じることがあります。平屋なら生活動線や家事動線をコンパクトにまとめやすいため、日常生活の負担を軽減できますよ。
階段の上り下りがないから
高齢になると、膝や腰への負担が増えたり、バランス感覚が低下したりすることで、階段の上り下りが大きな負担になることがあります。
特に注意したいのが転倒です。階段での転倒は大きなケガにつながる可能性があり、その後の生活にも影響を及ぼしかねません。
平屋であれば上下階の移動がないため、階段による転倒リスクをなくすことができます。夜間にトイレへ行く場合や急な体調不良時でも、同じフロア内で移動できるため安心です。
将来的に介護が必要になった場合でも、ワンフロアで生活が完結する間取りは介助しやすく、長く住み続けやすい住まいといえるでしょう。
夫婦がお互いの気配を感じて生活できるから
平屋はすべての部屋が同じフロアにあるため、リビング・寝室・水まわりなどが比較的近くにまとまりやすいです。
そのため、家族同士の距離感が近く、自然とお互いの気配を感じながら生活できます。
特に高齢期は体調の変化が起こりやすいため、ちょっとした異変に気づける環境があると安心です。
常に同じ空間で過ごさなくても、お互いの様子をほどよく感じられるのは、平屋ならではのメリットですね。
高齢者の住まいに必要な家の坪数は?
高齢者の夫婦2人暮らしなら、20坪〜25坪前後をひとつの目安にすると良いでしょう。
コンパクトに暮らしたい場合は20坪前後でも十分に生活できますが、収納や来客用スペースにゆとりを持たせたい場合は25坪以上を検討するのがおすすめです。
広すぎる家は掃除やメンテナンスの負担が増えるため、将来の体力やライフスタイルの変化も踏まえ、無理なく管理できる広さを選ぶことが大切です。
建築費用の目安
家の建築費用は、住宅会社・地域・設備・仕様などによって大きく異なります。
仮に坪単価120万〜130万円前後として計算すると、20坪〜25坪の家を建てる場合の建築費用は以下がひとつの目安です。
- 20坪:約2,400万円〜2,600万円
- 25坪:約3,000万円〜3,250万円
ただし、これらはあくまで目安であり、実際には外構工事・付帯工事・登記費用・住宅ローンの手数料なども必要になります。
また、バリアフリー対応や設備のグレードによっても費用は変動するため「坪数×坪単価」だけで判断せず、家づくり全体に必要な費用を確認しながら資金計画を立てることが大切です。
参考:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査(2024年度)」
高齢者におすすめの平屋の間取り
高齢者が平屋で快適に暮らすためには、広さだけでなく、必要な部屋数や将来の使い方まで考えて間取りを選ぶことが大切です。
ここからは、高齢者におすすめの平屋の間取りを紹介します。
1LDKなら、ミニマムな2人暮らしができる
1LDKの平屋は、コンパクトで無駄のない暮らしをしたい夫婦に向いている間取りです。
LDKと寝室を中心としたシンプルな構成にできるため移動距離が短く、日常生活をスムーズに送れます。掃除や片付けの負担も少なく、体力面の負担を抑えながら暮らせるのが大きなメリットです。
部屋数が少ない分、建築費・光熱費・維持管理費も抑えやすく、老後の固定費を軽減しやすい点も魅力ですね。
一方で、夫婦の生活リズムが大きく異なる場合や、子どもや孫などの来客が多い家庭では、少し手狭に感じる可能性があります。
2LDKなら、夫婦それぞれの部屋を確保できる
2LDKの平屋は、夫婦それぞれのプライベート空間を確保しながら暮らしたい方に適した間取りです。
2つの個室をそれぞれの寝室として使えば、就寝時間や起床時間、室温の好みなどが違っても、お互いに気兼ねなく過ごせます。
1室を寝室、もう1室を書斎や趣味の部屋として使うなど、多目的に活用することも可能です。
子どもや孫が泊まりに来た際のゲストルームとして使うこともできるため、コンパクトさと使い勝手のバランスを重視したい方におすすめです。
3LDKなら、来客や将来の同居にも対応しやすい
3LDKの平屋は、将来のライフスタイルの変化や来客対応を重視したい方におすすめです。
夫婦それぞれの個室に加えてもう1部屋確保できるため、ゲストルーム・趣味部屋・収納スペースなど、幅広い用途に活用できます。
子どもや孫が泊まりに来た際にも対応しやすく、将来的に家族との同居が必要になった場合にも使い方を変えやすいですね。
ただし、部屋数を増やすほど建築費や掃除・メンテナンスの負担も増えます。将来本当に必要になる空間かどうかを考えながら広さを決めましょう。
高齢者に優しい平屋の間取り実例
ここからは、実際の間取り事例をもとに、高齢者が暮らしやすい工夫を取り入れた平屋を紹介します。
外構・内装ともに段差を極力なくした平屋

こちらは、外構から室内まで段差をできるだけ少なくし、スムーズに移動できるよう工夫された平屋です。
駐車場から玄関までの高低差を抑えることで、足腰への負担を軽減。室内もLDKから各居室・水まわりまで大きな段差が少なく、安全に移動しやすい設計になっています。
通路にもゆとりがあるため、将来的に杖や歩行器、車椅子などを使用することになった場合でも移動しやすいですね。
玄関からパントリーまですぐに行ける平屋

こちらは、玄関からパントリーへスムーズにアクセスできる動線が特徴の平屋です。
買い物から帰宅したあと、重い荷物を持ったままリビングを横切る必要がなく、そのままパントリーへ収納できます。
パントリーはキッチンにも隣接しているため「帰宅→収納→調理」までの流れが短く、毎日の家事負担を軽減できますね。
共有スペースから寝室まで引き戸を中心に移動できるようにしておけば、松葉杖や車椅子などを使う場合にも動きやすくなります。
回遊動線とメンテナンス性の高い水回りを取り入れた平屋

こちらは、家の中をぐるりと回れる回遊動線と、水回りの使いやすさを両立した平屋です。
キッチン・ダイニング・洗面室・ランドリースペースを回遊できるようにすることで「料理→洗濯→片付け」といった家事を効率よく進められます。
行き止まりが少ないため、家族同士の動線が重なりにくいのもメリットです。
また、水回りを凹凸の少ない設備や掃除しやすい床材でまとめれば、年齢を重ねた後の日々のお手入れも負担になりにくいですね。
引き戸を多く採用し、車椅子でも移動しやすい平屋

こちらは、室内の建具に引き戸を多く採用し、スムーズな移動を実現した平屋です。
引き戸は開き戸のように扉を手前や奥へ動かすスペースが必要なく、横へスライドするだけで開閉できます。
杖や歩行器、車椅子などを使う場合でも開閉しやすく、介助する方と一緒に通る場合にもスペースを確保しやすいですね。
廊下や各居室の出入口にもゆとりを持たせておけば、将来的に介助が必要になった場合にも対応しやすくなります。
家事動線を集約し、水回りやキッチンを広めに作った平屋

こちらは、キッチンと水回りを近くにまとめ、家事効率を高めた平屋です。
キッチンからパントリー・洗面室・ランドリースペースへスムーズにつながる配置にすることで「料理→洗濯→収納」までの動きを短い距離で完結できます。
キッチンや洗面室にもゆとりを持たせておけば、夫婦で一緒に家事を行う場合だけでなく、将来的に介助が必要になった際にも動きやすいですね。
玄関に二重扉を設置した、防犯性に配慮した平屋

こちらは、玄関部分に二重の建具を設け、室内が外から直接見えにくいように工夫した平屋です。
玄関とLDKの間にワンクッションとなる空間があることで、玄関を開けても室内の様子が見えにくく、プライバシーを確保できます。
平屋は生活空間が1階に集中するため、外からの視線や防犯面が気になる方も少なくありません。玄関や窓の配置、目隠しなどを工夫しながら外部から室内が見えにくい設計にすると安心ですね。
廊下を最小限に抑え、通路の広さと部屋の明るさを確保した平屋

こちらは、廊下をできるだけ減らし、その分のスペースを居室や通路の広さに活かした平屋です。
LDKを中心に各部屋がつながる間取りにすることで、移動距離を短くし、無駄の少ない動線を実現できます。
テラスや庭へ出やすい間取りにしておけば、外出する機会が減った場合でも、室内から自然光や外の空気を感じやすくなります。
日当たりの良い場所でくつろげる環境が身近にあるのも、長く暮らす住まいでは嬉しいですね。
高齢者に優しい平屋の間取りを設計するポイント
高齢者が安心して長く暮らせる平屋にするためには、現在の暮らしやすさだけでなく、体力や身体機能が変化した将来まで見据えて設計することが大切です。
ここからは、高齢者に優しい平屋を設計する際に意識したいポイントを紹介します。
バリアフリーを意識する
高齢者が暮らす住まいでは、段差をできるだけなくしたバリアフリー設計が重要です。
玄関からリビング・寝室・水回りまで床の高さをできるだけそろえることで、つまずきや転倒のリスクを軽減できます。
また、廊下や出入口にはゆとりある幅を確保しておくと、将来的に車椅子や介助が必要になった場合でも移動しやすくなります。
今すぐ手すりが必要ない場合でも、将来取り付けられるよう壁の中に下地を入れておくと安心ですね。
引き戸を採用する
高齢者の住まいでは、開き戸よりも引き戸を採用すると使いやすくなります。
引き戸は横にスライドするだけで開閉できるため、握力や腕の力が弱くなった場合でも扱いやすい傾向があります。
また、開き戸のような開閉スペースが不要なので、廊下や室内を有効に使いやすく、車椅子での移動や介助もしやすくなります。
上吊りタイプの引き戸なら床にレールがないため、つまずきの原因を減らせる点もメリットです。
生活動線・家事動線を短くシンプルにする
高齢者の暮らしでは、家の中の移動をできるだけ少なくすることが重要です。
キッチン・洗面室・ランドリースペース・収納などを近くにまとめれば、料理や洗濯に必要な移動を減らせます。
また、玄関からパントリー・キッチンまでを短くすると、買い物後に重い荷物を長い距離運ぶ必要もありません。
家事動線だけでなく、寝室からトイレ・浴室までの生活動線も含めて、毎日何度も通る場所ほど短くシンプルに設計したいですね。
日当たりの良い場所に寝室を設置する
年齢を重ねると、自宅や寝室で過ごす時間が長くなることも考えられます。
そのため、寝室は日当たりや風通しにも配慮して配置しましょう。
朝に自然光が入る部屋なら生活リズムを整えやすくなりますし、風通しを確保することで湿気がこもりにくい環境をつくれます。
冬場の日射や夏場の日差しにも配慮しながら、年間を通して快適に過ごしやすい位置を検討すると良いですね。
寝室の近くにトイレを設置する
高齢者の住まいでは、寝室とトイレの距離を短くすることをおすすめします。
夜間にトイレを利用する際は、暗い中を長い距離歩くことで転倒のリスクが高まるためです。
寝室の近くにトイレを設置すれば、夜間の移動距離を短縮できます。
トイレ自体にも余裕のある広さを確保したり、手すりや手すり用の下地を設けたりして、将来的に介助や車椅子が必要になった場合にも対応しやすくしておくと安心ですね。
収納は無理なく手が届く高さに設置する
収納が高い位置にあると、物を取り出すたびに背伸びをしたり、脚立を使ったりする必要があります。
高齢者が暮らす家では転倒につながる可能性があるため、日常的に使う物は無理なく手が届く高さに収納できるようにしましょう。
腰から肩付近までの範囲を中心に収納を配置したり、奥行きを浅めにしたりすると、物を出し入れしやすくなります。
可動棚を取り入れれば、収納する物や身体状況の変化に合わせて高さを変更できるので便利ですよ。
断熱性・気密性などの住宅性能を高める
高齢者が長く快適に暮らすためには、間取りだけでなく住宅の断熱性や気密性も重要です。
冬場に暖かいリビングから寒い廊下や脱衣室へ移動すると、急激な温度変化によって身体に負担がかかることがあります。
家全体の断熱性や気密性を高めて室内の温度差を小さくすることで、リビングだけでなく廊下・トイレ・洗面室なども快適に保ちやすくなります。
冷暖房効率も高まりやすいため、日々の快適性だけでなく、光熱費の負担を抑えることにもつながりますよ。
老後のための平屋を建てるなら、グランハウスにご相談ください!

この記事では、高齢者に優しい平屋を建てる際のポイントや建築事例を紹介してきました。
老後まで長く安心して暮らせる住まいにするためには、段差を少なくするバリアフリー設計・短く効率的な動線・使いやすい収納・快適な室内環境など、さまざまな視点から設計することが大切です。
また、今は必要のない設備でも、将来の身体状況の変化を想定して下地やスペースを確保しておけば、大掛かりなリフォームをせずに対応できる場合があります。
しかし、何十年先の暮らしまで想像しながら、自分たちだけで間取りを考えるのは難しいものです。
老後まで安心して暮らせる注文住宅をご検討中の方は、ぜひグランハウスにご相談ください。
グランハウスは岐阜・愛知・三重で注文住宅を提供している設計士集団です。
「ハウスメーカーでも工務店でもない、設計士とつくる」からこそ、お客様の想いやこだわりに丁寧に向き合い、ちょっとカッコいい、暮らしやすい家をご提案します。
施工実績は1,000件以上。「老後まで安心して暮らせる平屋を建てたい」「将来を見据えた使いやすい間取りにしたい」とお考えの方は、ぜひグランハウスに一度お問い合わせください。