基礎知識・考え方

地震に強い家を作る構造・工法・設計のポイントは?強さの判断基準や工務店選びのコツも

公開:2026.06.27

日本で家を建てるとなると、長く安心して生活するためにも「地震に強い家にしたい」と考える方が大半でしょう。

この記事では、地震に強い家を建てる方法を、構造・工法・設計時のポイントなど、いくつかの視点から紹介します。地震に強い工務店を選ぶポイントなども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

地震に強い家にする方法

地震に強い家をつくるためには「構造を強くする」だけでは十分とはいえません。建物のつくり方・形・使う材料・土地の条件まで、さまざまな要素が関わっています。

ここからは、地震に強い家にするために押さえておきたいポイントを紹介します。

 

耐震/制震/免震構造にする

構造 特徴 効果 コスト
耐震構造 柱や壁を強くして揺れに耐える構造 地震の力を受け止めて倒壊を防ぐ ◎
制震構造 ダンパーなどで揺れを吸収する構造 建物の変形や損傷を抑える。余震にも強い ◯
免震構造 基礎と建物の間で揺れを逃がす構造 地震の揺れを建物に伝えにくくし、室内の揺れを大幅に軽減する △

地震に強い家を考えるうえで、まず知っておきたいのが「耐震・制震・免震」という3つの考え方です。

それぞれ特徴やコストが異なるため、予算や立地条件、どこまで安心を求めるかを整理したうえで選ぶことが大切です。

 

地震に強い構造・工法にする

構造 工法 特徴 地震への強さ
木造 木造軸組工法 柱と梁で骨組みをつくる日本の伝統的な工法。間取りの自由度が高い △
耐力壁の配置バランスで強さが左右される。設計次第で高耐震も可能
ツーバイフォー工法 床・前後左右の壁・天井の6面で箱状に建物を支える工法 ◯
面で力を分散するため揺れに強く、耐震性は安定しやすい。
木造軸組パネル工法 木在来工法に構造用パネルを組み合わせる工法。面でも支えるので耐震性が高い ◎
面構造で強度が出しやすく、地震時の変形を抑えやすい。
鉄骨造 鉄骨軸組工法 鉄骨の柱・梁で構成する工法。強度が高く、大空間をつくりやすい ◯
粘り強さがあり倒壊しにくいが、揺れは比較的大きくなる。
鉄骨ラーメン工法 柱と梁を剛接合し一体化する工法。開口部を大きく取りやすい ◎
構造計算に基づき高い耐震性を確保可能。中高層にも多い。
RC造 壁式工法 鉄筋コンクリートの壁で建物を支えるする工法。気密性・遮音性が高い ◎
非常に剛性が高く、揺れに強い。低層住宅で高耐震を確保しやすい。
ラーメン工法 鉄筋コンクリートの柱と梁で構成する工法。設計自由度が高い ◎
強度が高く大地震にも強いが、重量があるため地盤の影響を受けやすい。

上の表のように、同じ「木造住宅」でも、採用する工法によって地震への強さは変わります。

たとえば、柱と梁で骨組みをつくる木造軸組工法よりも、柱と梁で骨組みに加えて面で構造を支えるツーバイフォー工法・木造軸組パネル工法の方が地震に強いです。

「木造」「鉄骨」などの構造だけでなく、工法や、それによって取得できる耐震等級まで、多角的に考えられると安心ですね。

 

長方形・正方形などのシンプルな形にする

建物の形状は、地震時の揺れ方や建物にかかる力に大きく影響します。

1番おすすめなのは、正方形や長方形のような凹凸の少ない箱型です。これは、地震の揺れが建物全体に均等に伝わりやすく、特定の部分に力が集中しにくいためです。

逆に、L字型やコの字型・吹き抜けや大きな開口部を取り入れた間取りでは、耐力壁(地震の揺れに耐えるための重要な壁)が少なくなり、揺れに対する強度が下がる傾向があるのでおすすめできません。

ただし、構造計算や設計を工夫することで、開放感のある間取りでも耐震性を確保することは可能なので、一度設計士に相談してみることをおすすめします。

 

軽い建材を使う

屋根材の種類 重さの目安
金属屋根(ガルバリウム鋼板など) 約4〜6kg/㎡
スレート屋根 約18〜22kg/㎡
セメント瓦 約40kg/㎡
粘土瓦(日本瓦) 約40〜60kg/㎡

屋根が重いと重心が高くなり、地震時の揺れ幅が大きくなるため、建物全体への負担が増えます。結果、構造部分にかかる力が強まり、倒壊のリスクが高くなります。

そのため、地震による建物の倒壊リスクを抑えたい場合は、軽い屋根材の利用がおすすめです。

屋根材の重さを比較すると、瓦屋根はスレート屋根のおよそ2倍。金属屋根は瓦屋根の約1/10程度と大きな差があります。スレート屋根や金属屋根などの軽量な屋根材を採用することで、建物全体への負担を軽減し、耐震性を高めることができますよ。

もちろん重い屋根材が悪いわけではありませんが、耐震性を高めたいなら、軽い屋根材を選ぶことをおすすめします。

 

建物の高さを抑える

建物は高くなるほど揺れ幅が大きくなりやすい傾向があります。重心が高いと不安定になりやすいため、地震に強い家を建てるなら、同じ2階建てでも天井を必要以上に高くしすぎない・屋根形状を安定させるなど、高さを抑えた設計にすることをおすすめします。

耐震性の点で言うと、平屋を検討してみても良いかもしれません。

平屋は2階建て住宅よりも建材代や土地代が高くなる傾向がありますが、重心が低く構造もシンプルになりやすいため、耐震性を確保したい方には適しています。

 

地盤の強い土地を選ぶ

どれだけ建物を強くしても、地盤が弱ければ安全性が十分とはいえません。地盤が軟弱だと、地震時に揺れが増幅したり、不同沈下が起こったりするリスクがあるからです。

軟弱地盤であっても、適切な改良を行えば安全性を確保できますが、地盤改良には30坪で約20万~50万円程度の費用がかかります。そこも折り込んで購入するか、事前に地盤の強さを確認しておくなどの対策を行うことが重要です。

 

地震への強さを判断する方法

地震に強い家を建てたいなら「何となく安心そう」という感覚だけでなく、国が定めた基準や、土地の状態を調べた客観的なデータをもとに確認することが重要になります。

ここからは、地震への強さを判断する際に必ず押さえておきたい代表的なポイントを解説します。

 

耐震等級

耐震等級は、国が定めた「住宅の地震への強さを数値で評価する」基準です。建物の構造や設計がどれだけ地震に耐えられるかを等級1~3の3段階で評価します。

耐震等級1は法律で定められた最低基準で、数百年に一度の大地震でも倒壊しないレベル。耐震等級2では等級1の約1.25倍の耐震性能、等級3は約1.5倍と、数値が上がるほど強い構造になります。

等級が高いほど地震に強い家であることが客観的に示せるため、住宅を比較する際の重要な判断材料になります。設計段階で必ず確認しましょう。

等級 特徴
耐震等級1級 建築基準法で定められた最低限の耐震性能。数百年に一度の大地震で倒壊しない水準とされるが、損傷は想定される基準。
耐震等級2級 等級1の1.25倍の耐震性を持つ基準。学校や避難所と同等レベルで、災害後も継続使用を意識した強さ。
耐震等級3級 等級1の1.5倍の耐震性を持つ最高等級。消防署や警察署と同等レベルで、繰り返す地震にも強い。

 

地盤調査・地盤改良

地盤が弱いと、どんなに強い建物を建てても、地震の揺れが増幅したり建物が傾いたりするリスクがあります。そのため、建物の強さだけでなく、地盤の強さにも着目することが重要です。

家を建てる前には、必ず専門の機械で地盤の硬さや性質を調べる「地盤調査」や、土の入れ替えや柱状改良や表面改良を行う「地盤改良」を行いましょう。

調査と改良を適切に行うことで、より地震などの災害が起きても安心な家を建てることができますよ。

 

地震に強い工務店を選ぶポイント

どれだけ良い構造や工法を採用していても、設計の考え方や施工の精度が伴っていなければ、本来の性能を発揮できません。そのため、地震に強い家を建てるためには、設計や仕様だけでなく「どの工務店に依頼するか」も考慮することが必要です。

ここからは、初心者の方にぜひチェックしていただきたい、工務店選びのポイントを紹介します。

 

構造計算を行なっているか

工務店を選ぶ際、まず確認したいのが、構造計算をしっかり行なっているかです。

構造計算とは、建物が地震や風などの力にどれだけ耐えられるかを数値やモデルで検証する作業です。構造計算を行うことで、壁・柱の配置・材料の強さ・力の流れなどが設計段階で検証され、安全性が客観的に担保されます。

中には構造計算を省略したり、簡易計算で済ませたりする工務店もあります。構造計算を行っているか・構造計算書を提示してくれるかも含めて確認することが大切です。

 

耐震性を高める工夫があるか

次に見るべきは、耐震等級3を目標に設計しているか・制震装置を取り入れているか・壁や基礎の配置を工夫しているか など、耐震性を高めるための具体的な工夫があるかどうかです。

建物全体のバランス・重心・高さは耐震性に直接影響します。

図面や模型を使って丁寧に説明してくれるかや、質問に対して明確な根拠を持って答えてくれるかも含めて、事前に確認できると安心ですね。

 

耐震実験を行なっているか

最後にチェックしたいのが、耐震実験を自社で行っているか、あるいは実験データをもとに設計・施工しているかという点です。

実際の地震を想定した振動実験や構造体の破壊試験などを行っている工務店や住宅メーカーは、理論だけでなく実証データに裏付けられた強みを持っています。実験結果を公開していたり、ホームページや資料で説明していたりすると、より安心できますね。

 

地震に強い家を建てるなら、グランハウスにご相談ください!

ここまで、地震に強い家にする方法や、工務店選びのポイントなどを紹介してきました。

地震に強い家は、地盤・構造・工法・設計・建材など、さまざまな要因が揃って初めて実現します。そのため、実際に住む方が求めている強度やデザインに合わせて、多角的に提案できる工務店と出会うことができると安心ですね。

グランハウスは岐阜/愛知/三重で注文住宅を提供している設計士集団です。

「ハウスメーカーでも工務店でもない、設計士とつくる」からこそ、お客様の想いやこだわりに丁寧に向き合い、ちょっとカッコいい、暮らしやすい家をご提案します。

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