基礎知識・考え方
注文住宅の断熱性能を高めるメリット・デメリット|指標・工法や注意点も
公開:2026.05.23
注文住宅の購入を考えているけれど
・断熱性能にこだわるべきか?
・価格は?気密性の方を重視するべき?
など、悩んでしまう方も多いでしょう。
この記事では、注文住宅での断熱性能を高めるメリット・デメリットや、断熱性能を高める際の注意点なども紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
住宅の断熱性能を高めるメリット
断熱性能とは、外気の暑さ・寒さを室内に伝えにくくし、室内の快適な温度を保つ性能のこと。ここでは、住宅の断熱性能を高めることで得られる主なメリットを紹介します。
健康リスクを抑えられる
1つめのメリットは、室内の温度差を抑えることで健康リスクを軽減できる点です。
断熱性能が低いと、冬場に暖かいリビングと寒い廊下・脱衣所との温度差が生じやすいため、ヒートショックのリスクが高まります。
また、結露が発生しやすいため、カビやダニが増え、アレルギーや喘息などの原因になることも。
断熱性能を高めた注文住宅であれば、家全体の温度が安定するため、ヒートショックや喘息などのリスクを低減できますよ。
光熱費を節約できる
2つめのメリットは、冷暖房効率が向上し、光熱費の節約につながる点です。
断熱性能が高いと外気の影響を受けにくくなるため、夏は冷房の冷気が逃げにくく、冬は暖房で暖めた空気を室内に保ちやすくなります。
暖房器具の使用頻度や稼働時間を抑えて光熱費を抑えられるので、家計の負担を重視される方にとっては非常に魅力的ですね。
カビや腐食を予防できる
3つめのメリットは、結露を抑えることでカビや建物の腐食を防げることです。
断熱性能が低いと、外気と室内の温度差により壁内部や窓まわりに結露が発生しやすく、湿気がこもりやすくなります。
結露が繰り返されると、目に見えない場所でカビが繁殖したり、柱や梁などの構造材が劣化したりすることに。逆に断熱性能を高めれば、室内の温度差が小さくなるので結露が起こりにくくなります。
劣化しにくい設計にすることで、長く安心して暮らせる住宅になりますね。
資産価値が上がる
4つめのメリットは、資産価値が上がることです。
断熱性能を高めた住宅は、長く快適に暮らしやすいもの。光熱費などのランニングコストも抑えられるため、近年、住み心地や省エネ性を重視して住宅を選ぶ人が増えています。
将来住み替えや売却を考えることになっても、価値が下がりにくい点は安心材料のひとつといえるでしょう。
金利が安くなる
5つめのメリットは、住宅ローンの金利優遇制度を利用できることです。
一定の省エネ性能や断熱性能を満たした住宅は、公的制度や金融機関から評価され、金利引き下げの対象となる場合があります。
代表的な制度が「フラット35S」です。フラット35Sでは、省エネ基準や断熱等級などの条件を満たした住宅を対象に、当初一定期間金利が引き下げられます。
家はとても高いお買い物なので、ローンの視点でも安心材料を得られるのは非常に良いことですね。
設計プランの幅が広がる
6つめのメリットは、間取りや空間設計の自由度が高まることです。
これは、断熱性・気密性が高いことで、空間がつながっても室内の温度差が生じにくく、家全体を快適に保てるため。
吹き抜けのあるリビングや仕切りのない続き間でも、寒さを感じにくくなるため、開放的な空間を無理なく取り入れられます。
とくに冬季が冷え込む地域で自由で広がりのある住まいを実現したいなら、高断熱住宅がおすすめです。
断熱性能の高い注文住宅を建てるデメリット
断熱性能の高い住宅にはたくさんのメリットがある一方、何点かデメリットもあります。ここからは、断熱性能の高い住宅を建てるデメリットを紹介します。
建築コストが高くなる
1つめのデメリットは、一般的な住宅に比べて建築コストが高くなることです。
断熱性能を高めるためには、断熱等級を上げるために断熱材の厚みを増す・樹脂サッシや複層トリプルガラスを採用するなど、仕様をグレードアップする必要があります。
材料費や施工費がかかる分初期費用が上がるため、建築コストが上がりやすい傾向に。
ただし、断熱性能を向上させることで光熱費を抑えたり金利を抑えたりすることができるため、初期費用だけでなく、長期的なコストも含めて判断することが大切ですね。
内部結露のリスクがある
2つめのデメリットは、内部結露が発生するリスクがあることです。
内部結露とは、壁の内部など目に見えない場所で水分が発生する現象。
気密性が高い住宅ほど、施工が不十分だったり断熱材の配置にすき間があったりすると、壁内に湿気が入り込み、結露が生じることがあります。そのまま放置すると、カビの発生や構造材の劣化につながってしまうことも。
高断熱住宅を建てる際は、断熱や気密施工に十分な知識と実績を持つ施工会社を選択することが大切です。
家の中の空気がこもりやすい
3つめのデメリットは、気密性が高くなるため、室内の空気がこもりやすくなることです。
断熱・気密を高めると、外気の出入りが減り、熱だけでなく空気の流れも抑えられます。適切に換気しないと、同じ空気が室内に滞留し、においや湿気が残って不快感を覚えることも。
24時間換気など計画的な換気を行うなどの対策が必要です。
断熱性能を表す指標
断熱性能を正しく理解するには、数値で示される指標を知ることが大切です。注文住宅では「UA値」や「断熱等級」といった基準をもとに性能が評価され、住宅の快適性や省エネ性を比較・判断できます。
UA値
UA値(外皮平均熱貫流率)とは、住宅全体からどれだけ熱が逃げやすいかを示す数値です。壁・屋根・床・窓などから逃げる熱量をもとに算出され、数値が小さいほど断熱性能が高いことを表します。
注文住宅では、このUA値を基準に断熱性能を比較するのが一般的です。UA値が低いほど外気の影響を受けにくいとされます。
断熱等級
断熱等級とは、住宅の断熱性能を段階的に示した国の基準です。数値が高いほど断熱性能が高く、快適性や省エネ性に優れた住まいであることを表します。
現在は、断熱等級4が最低基準となっています。より快適な住まいを求める場合は、等級5以上をクリアしたいですね。
| 断熱等級 | 特徴 |
|---|---|
| 断熱等級7 | 「平成28年 省エネ基準」より一次エネルギー消費量を約40%削減 |
| 断熱等級6 | 「平成28年 省エネ基準」より一次エネルギー消費量を約30%削減 |
| 断熱等級5 | ZEH水準。快適性を重視する場合のひとつの目安 |
| 断熱等級4 | H28年省エネ基準の家。現在の最低基準 |
| 断熱等級3 | 平成4年 新省エネ基準 |
| 断熱等級2 | 昭和55年 旧省エネ基準 |
| 断熱等級1 | 昭和55年基準に満たないもの(無断熱) |
断熱工法の種類は2つ
断熱工法には、内断熱(充填断熱)と外断熱(外張り断熱)の2種類があります。ここでは、それぞれの工法の特徴をわかりやすく解説します。
内断熱(充填断熱)
内断熱(充填断熱)とは、柱や梁の間に断熱材を詰め込んだり吹き付けたりして施工する断熱工法です。壁の内側に断熱材を入れるため、日本の木造住宅で広く採用されています。
外断熱と比べて工事費用を抑えやすく、壁の厚みが増えにくいため、凹凸の多い間取りや設計にも対応しやすく、設計時の自由度が高いです。
しかし、気密性確保の難易度が高く、施工精度が低いと断熱材のすき間から内部結露が起こる可能性があります。内断熱を採用する場合は、断熱材の性能だけでなく、施工の丁寧さが問われます。
外断熱(外張り断熱)
外断熱(外張り断熱)とは、柱や梁などの構造体全体を断熱材で包み込む断熱工法です。柱の外側に断熱材を連続して施工し、壁の内部は空洞のまま仕上げるため、魔法瓶のようにすき間なく断熱できる点が特徴です。
外側から断熱材で覆うことで気密性が高まり、外気の影響を受けにくくなります。その結果、構造材が湿気にさらされにくく、内部結露のリスクを抑えることが可能です。
また、外断熱ならロフトや小屋裏を作りやすいです。
内断熱の場合、天井にも断熱材を施工する必要があるので小屋裏の活用が制限されてしまいますが、外断熱では屋根の形に沿って断熱材を施工するため、小屋裏などを活用したい場合は外断熱にした方が良いですね。
断熱性能の高い住宅を建てる際の注意点
断熱性能の高い住宅は快適性が高い反面、換気や施工品質への配慮が欠かせません。性能を十分に発揮させるためには、正しい使い方や信頼できる施工体制を理解しておきましょう。
定期的に換気する
断熱性能の高い住宅は気密性も高くなるため、意識的な換気が欠かせません。換気が不十分だと、湿気やにおいがこもりやすく、室内環境の快適性が損なわれることがあります。
24時間換気システムを適切に運転する・フィルター清掃などのメンテナンスを行うなどして、室内の空気を清潔に保つことが大切です。
施工実績が豊富な工務店に依頼する
断熱性能の高さは、施工の質によって大きく左右されます。断熱材の施工にすき間があったり、気密処理が不十分だったりすると、本来の断熱性能を十分に得られないことも。
そのため、高断熱・高気密住宅の施工実績が豊富な工務店を選ぶことが大切です。
実績のある工務店であれば、断熱材の扱いや気密施工のポイントを熟知しており、性能を安定して確保しやすくなりますよ。
断熱性能の高い注文住宅の購入をお考えなら、グランハウスにご相談ください!

この記事では、断熱性能の高い住宅のメリット・デメリットなどを紹介してきました。
断熱性能を高めることには快適性や省エネ性が向上するなどのメリットもありますが、高い断熱性能を十分に発揮させるためには、設計力と施工力の両方が欠かせません。
断熱性能の高い注文住宅をご検討中なら、ぜひグランハウスにご相談ください。グランハウスは、岐阜・愛知・三重で注文住宅を手がける設計士集団です。
「ハウスメーカーでも工務店でもない、設計士とつくる」からこそ、お客様一人ひとりの想いやこだわりに丁寧に向き合い、性能とデザインを両立した、ちょっとカッコいい暮らしやすい住まいをご提案します。
施工実績は1,000件以上。「断熱性能にこだわった家を建てたい」「長く快適に暮らせる注文住宅を実現したい」とお考えの方は、ぜひ一度グランハウスへお問い合わせください。