基礎知識・考え方
耐震性の高い注文住宅を建てるポイントは?耐震性を高めるメリットや注意点も
公開:2026.05.22
日本は地震の多い国なので
・注文住宅を購入するなら耐震性を高めたい
・コストなどのデメリットを把握しておきたい
とお考えになる方も多いです。
この記事では、耐震性を高めるべき理由や耐震性を高めるためのポイントのほか、設計前の注意点も紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
耐震等級とは?
耐震等級とは、住宅がどの程度の地震に耐えられるかを示す国の指標です。注文住宅の耐震性を判断するうえで重要な基準で「1・2・3」の3段階に分かれています。数字が大きいほど耐震性能が高く、地震に強い住まいといえます。
耐震基準との違い
| 項目 | 耐震基準 | 耐震等級 |
|---|---|---|
| 目的 | 最低限の安全を確保する | 耐震性能を比較・評価する |
| 基準 | 建築基準法 | 住宅性能表示制度 |
| 段階 | なし | 1~3級 |
| 義務 | すべての住宅に義務付け | 任意 |
耐震基準は「最低限の安全を守るための基準」であり、耐震等級は「住宅ごとの耐震性能を比較するための指標」です。
耐震基準は建築基準法で定められており、すべての住宅が必ず満たす必要があります。
一方、耐震等級は住宅性能表示制度にもとづく任意の評価項目で、取得しなくても住宅を建てること自体は可能です。
ただし、耐震等級は「基準をどれだけ上回っているか」を示す指標で、等級1・2・3と数字が上がるほど耐震性能が高くなります。より高い安全性を求めるなら、耐震等級の高い家にした方が良いですね。
注文住宅の耐震性を高めるべき理由
注文住宅で耐震性を高めることは、地震による被害を抑え、家族の安全と暮らしを守るために欠かせません。ここでは、耐震性を重視すべき理由を具体的に解説します。
地震の被害を抑えられる
耐震等級を高めた住宅は、強い揺れを受けても建物へのダメージが軽減され、家具の転倒や建物の大きな損壊を防ぐ効果が期待できます。
地震後も、修繕費や建て替えなどの負担を抑えて住み続けることができるのは嬉しいですね。
地震以外の災害にも強くなる
耐震性を高めた注文住宅は、柱・梁・接合部が強化されることで建物全体の安定性が向上するため、地震だけでなく台風や豪雨などの災害にも強い住まいになります。
複数の災害リスクに備えられるので、安心して住めるだけでなく、修繕費・メンテナンス費も抑えることができるのは嬉しいですね。
地震保険料が割引される
耐震性の高い注文住宅は、地震による損害リスクが低いと判断されるため、地震保険料の割引対象になります。
耐震等級1で10%、耐震等級2で30%、耐震等級3では最大50%の割引に。長期間にわたる保険料の負担を大きく抑えられるのは嬉しいですね。
補助金や減税の対象になる
耐震性の高い注文住宅は、補助金・減税・住宅ローン減税・所得税控除などの優遇制度を受けられます。
さらに、耐震性に加えて省エネ性などの基準を満たせば「長期優良住宅」として認定され、補助金を受けられるケースも。
制度を上手に活用することで、初期費用や将来の負担を抑えて家づくりを行うことができますよ。
耐震性の高い住宅を建てるためのポイント
耐震性の高い住宅を建てるには、耐震等級だけでなく、構造・工法・建物の形状・屋根材・地盤などを総合的に考えることが大切です。ここでは、注文住宅で押さえておきたい耐震性向上のポイントを解説します。
耐震等級
| 強度 | 特徴 |
|---|---|
| 耐震等級1 | 建築基準法で定められた最低限の耐震性能 |
| 耐震等級2 | 等級1の1.25倍の耐久性で、 学校・病院などと同程度 |
| 耐震等級3 | 等級1の1.5倍の耐久性で、 消防署・警察署と同程度 |
耐震性の高い住宅を建てるうえで、まず重視したいのが「耐震等級」です。等級が高いほど地震に強い設計となります。
注文住宅では、設計段階で耐震等級を決めます。家族構成・天災リスク・補助金や助成金などの控除を考慮して、適切な等級を選択しましょう。
構造
| 種類 | 目的 | 強度 |
|---|---|---|
| 免震 | 揺れを建物に伝えにくくする | 室内被害を抑えやすい |
| 制震 | 揺れを吸収・抑制する | 繰り返しの地震に強い |
| 耐震 | 揺れに耐えられるよう強くする | 戸建てでは一般的 |
地震対策を行うなら「どの構造を採用するか」も重要です。
構造には、大きく分けて「免震」「制震」「耐震」の3種類があります。それぞれ揺れへの考え方や特徴が異なるため、コストや暮らし方に合わせて選ぶことが大切です。
工法
住宅の耐震性は「家に使う材料(構造)」と「その材料でどう建てるか(工法)」によって変わります。
構造は「木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート構造」の3種類。工法とは、それらを使った建て方の違いのことです。同じ構造でも工法によって耐震性が異なるため、両方を確認することが大切です。
〇木造
日本の気候に適しており、戸建て住宅で最も多く採用されている構造。比較的コストを抑えやすく、設計の自由度と予算のバランスを取りやすい。
- 木造軸組工法:柱と梁で建物を支える伝統的な工法で、間取りの自由度が高い
- 2×4(ツーバイフォー)工法:壁全体で建物を支える工法で、耐震性に優れている
〇鉄骨造
住宅の主要部分に鉄骨を使用する構造で、強度が高く耐震性に優れている。戸建て住宅では一般的な軽量鉄骨でも、木造に比べて建築コストが高くなる。
〇鉄筋コンクリート構造(RC造)
主にマンションや商業施設で多く用いられる構造。耐久性・耐震性は非常に高い一方で、建築コストが最も高くなりやすい。建物が重くなるため、地盤条件によっては地盤改良費用が発生する場合も。
建物の形状
建物の形状は、地震時の揺れ方や建物にかかる力に大きく影響します。
正方形や長方形のような凹凸の少ない箱型は、地震の揺れが建物全体に均等に伝わりやすく、特定の部分に力が集中しにくいため、最も耐震性を高めやすいです。
一方で、L字型やコの字型・吹き抜けや大きな開口部を取り入れた間取りでは、耐力壁(地震の揺れに耐えるための重要な壁)が少なくなるため、地震時の揺れに対する強度が下がる傾向があります。
ただし、構造計算や設計を工夫することで、開放感のある間取りでも耐震性を確保することは可能です。
屋根材
| 屋根材の種類 | 重さの目安 |
|---|---|
| 金属屋根(ガルバリウム鋼板など) | 約4〜6kg/㎡ |
| スレート屋根 | 約18〜22kg/㎡ |
| セメント瓦 | 約40kg/㎡ |
| 粘土瓦(日本瓦) | 約40〜60kg/㎡ |
屋根が重いと重心が高くなり、地震時の揺れ幅が大きくなるため、建物全体への負担が増えます。結果、構造部分にかかる力が強まり、倒壊のリスクが高くなります。
地震による建物の倒壊リスクを抑えたい場合は、軽い屋根材の利用がおすすめです。
屋根材の重さを比較すると、瓦屋根はスレート屋根のおよそ2倍。金属屋根は瓦屋根の約1/10程度と大きな差があります。スレート屋根や金属屋根などの軽量な屋根材を採用することで、建物全体への負担を軽減し、耐震性を高めることができますよ。
もちろん重い屋根材が悪いわけではありませんが、耐震性を高めたいなら、適切に設計を行うことが大切です。
地盤
住宅の耐震性は、建物の構造や設計だけでなく、建てる土地の地盤にも左右されます。地盤の強い土地を選べば、地震時に建物が傾いたり沈下したりするリスクを抑えることができますよ。
軟弱地盤であっても、適切な改良を行えば安全性を確保できますが、地盤改良には建物が30坪で約70万~200万円程度の費用がかかります。そこも折り込んで購入するか、事前に地盤の強さを確認しておくなどの対策を行うことが重要です。
注文住宅の耐震性を高める際の注意点
耐震性を高めた注文住宅は安心感が大きい一方で、コストや土地選び、設計の進め方などで注意すべき点もあります。ここでは、耐震性を重視した家づくりで押さえておきたい注意点を解説します。
コストがかかる
耐震性を高めると、構造材の強化・耐力壁の増設・制震装置の導入などが必要になるため、その分コストがかかります。
ただし、初期費用が増えても、地震による被害や修繕費は抑えられるため、長期的には安心感やコスト面でのメリットにつながることも多いです。
耐震性と予算のバランスを考えながら、どこまで性能を高めるかを検討することが大切です。
土地購入時から、地盤を確認する必要がある
耐震性の高い家を作るなら、建物だけでなく土地の地盤にも目を向ける必要があります。地盤が弱い土地だと、地震時に地盤沈下や建物の傾きが起こるおそれがあるからです。
土地を購入する前に、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」などを活用し、地盤の強さや災害リスクを確認しておくと安心です。
あらかじめ地盤状況を把握しておくことで、想定外の地盤改良費用を防ぎやすくなり、耐震性を考慮した土地選びにつながりますよ。
参考:ハザードマップポータルサイト│ハザードマップポータルサイト – 国土地理院
設計前に希望を伝える必要がある
耐震性の高い家を建てたいなら、その旨を設計時に伝えておきましょう。
耐震等級は設計段階で決まるため、住宅が完成してから変更や申請を行うことはできません。耐震等級の目標や間取りの要望がある場合は、最初の打ち合わせ時にハウスメーカーへ共有しておいてくださいね。
耐震性の高い注文住宅の購入をお考えなら、グランハウスにご相談ください!

この記事では、耐震等級や構造・地盤など、注文住宅の耐震性を高めるためのポイントや注意点について解説しました。
耐震性の高い住まいを実現するには、設計段階から総合的に検討し、土地選びや構造計画まで含めて考えることが大切です。
耐震性を重視した注文住宅をご検討中の方は、ぜひグランハウスにご相談ください。
グランハウスは岐阜/愛知/三重で注文住宅を提供している設計士集団です。
「ハウスメーカーでも工務店でもない、設計士とつくる」からこそ、お客様の想いやこだわりに丁寧に向き合い、ちょっとカッコいい、暮らしやすい家をご提案します。
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