基礎知識・考え方
UA値の地域ごとの基準とは?計算方法や、断熱性能を高めるメリットも
公開:2026.06.26
注文住宅の設計に関わる中で、初めて「UA値」という数値を目にする方は多いです。
その中で
・どのくらいあれば断熱性能を担保できるの?
・断熱性能を高めるメリットは?
など、疑問に感じることもあるでしょう。この記事では、UA値の意味や、地域ごとの基準を紹介します。断熱性能を高めるメリットも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
UA値とは?
UA値とは、住宅の断熱性能を示す指標のこと。
壁・屋根・床・窓などの家の外側から、どれだけ熱が逃げやすいかを数値化したもので、値が小さいほど断熱性能が高いことを意味します。
断熱性能等級の判定にも使われる重要な基準で、快適性や光熱費に関わる基本指標になるので、家づくりを行う際は積極的に確認したいですね。
住宅の断熱性能が重視される理由
住宅の断熱性能が重視される理由は、快適性・光熱費・健康面に大きく関わるからです。
断熱性能が低い住宅では、冬は暖房をつけても室内がなかなか暖まらず、夏は冷房が効きにくくなります。結果、冷暖房に頼る時間が増えて光熱費がかさんだり、温度差によって不快感を感じたりすることも。
断熱性能が高い住宅なら、外気の影響を受けにくいので、室内の温度が安定しやすくなります。冷暖房効率を向上させたり、ヒートショックなどの健康リスクを軽減したりできるので、近年は特に重視されています。
UA値の計算方法
UA値は、住宅内部から屋根・外壁・床・窓・ドアなど外気に接する部分(外皮)を通じて外に逃げる熱量の合計を、その住宅の外皮面積の合計で割って求めます。
UA値(W/㎡・K)= 建物の熱損失量の合計(W/K) ÷ 外皮面積(m²)
「外皮1平方メートルあたり、どれくらい熱が逃げるか」という計算式なので、数値が小さいほど熱が逃げにくい=断熱性能が高い家ということになります。
地域ごとのUA値の基準
UA値の基準は、地域ごとに異なります。ここからは、地域ごとのUA値の基準を紹介します。
| 地域区分 | 代表的な地域 | UA値基準(W/㎡·K) |
|---|---|---|
| 1 | 北海道の寒冷地 | 0.46 |
| 2 | 北海道・東北北部 | 0.46 |
| 3 | 東北 | 0.56 |
| 4 | 中部〜北関東 | 0.75 |
| 5 | 関東〜中部南部 | 0.87 |
| 6 | 近畿〜四国 | 0.87 |
| 7 | 九州 | 0.87 |
| 8 | 沖縄 | 基準なし |
上の数値は、平成28年省エネ基準で定められた、地域ごとのUA値基準の目安です。
北海道などの寒い地域は高い断熱性能が求められるので0.46以上のUA値が推奨されていますが、沖縄などの暖かい地域では0.87以下のUA値でも問題ないとされています。
参考①:国土交通省「地域区分新旧表 令和2年7月時点」
参考②:国土交通省「建築基準法・建築物省エネ法 改正法制度説明資料 令和6年9月」
より快適に暮らすためのUA値の目安
UA値は、省エネ基準を満たしていれば「最低限の断熱性能はクリアしている」とみなされます。しかし、より快適に暮らすことを考えるなら、基準値ギリギリではなく、さらに低い数値を目指すことをおすすめします。
地域区分ごとの「省エネ基準」と、より高性能を目指す「誘導基準(ZEH基準)」の目安は以下の通りです。
| 地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 省エネ基準 | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | 基準なし |
| 誘導基準(ZEH) | 0.40 | 0.40 | 0.50 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | 0.60 | 基準なし |
関東や近畿に多い「地域6」では、省エネ基準は0.87以下ですが、ZEH水準では0.60以下が目安です。数値にすると小さな差に見えますが、実際の体感温度や冷暖房効率には大きな違いが出ます。
快適性・光熱費・将来的な補助金制度まで考えると、可能であれば誘導基準レベルを目指すのが理想的といえるでしょう。
住宅の断熱性能を高めるメリット
断熱性能とは、外気の暑さ・寒さを室内に伝えにくくし、室内の快適な温度を保つ性能のこと。ここでは、住宅の断熱性能を高めることで得られる主なメリットを紹介します。
健康リスクを抑えられる
1つめのメリットは、室内の温度差を抑えることで健康リスクを軽減できる点です。
断熱性能が低いと、冬場に暖かいリビングと寒い廊下・脱衣所との温度差が生じやすいため、ヒートショックのリスクが高まります。
また、結露が発生しやすいため、カビやダニが増え、アレルギーや喘息などの原因になることも。
断熱性能を高めた注文住宅であれば、家全体の温度が安定するため、ヒートショックや喘息などのリスクを低減できますよ。
光熱費を節約できる
2つめのメリットは、冷暖房効率が向上し、光熱費の節約につながる点です。
断熱性能が高いと外気の影響を受けにくくなるため、夏は冷房の冷気が逃げにくく、冬は暖房で暖めた空気を室内に保ちやすくなります。
暖房器具の使用頻度や稼働時間を抑えて光熱費を抑えられるので、家計の負担を重視される方にとっては非常に魅力的ですね。
カビや腐食を予防できる
3つめのメリットは、結露を抑えることでカビや建物の腐食を防げることです。
断熱性能が低いと、外気と室内の温度差により壁内部や窓まわりに結露が発生しやすく、湿気がこもりやすくなります。
結露が繰り返されると、目に見えない場所でカビが繁殖したり、柱や梁などの構造材が劣化したりすることに。逆に断熱性能を高めれば、室内の温度差が小さくなるので結露が起こりにくくなります。
劣化しにくい設計にすることで、長く安心して暮らせる住宅になりますね。
設計プランの幅が広がる
4つめのメリットは、間取りや空間設計の自由度が高まることです。
これは、断熱性・気密性が高いことで、空間がつながっても室内の温度差が生じにくく、家全体を快適に保てるため。
吹き抜けのあるリビングや仕切りのない続き間でも、寒さを感じにくくなるため、開放的な空間を無理なく取り入れられます。
とくに冬季が冷え込む地域で自由で広がりのある住まいを実現したいなら、高断熱住宅がおすすめです。
資産価値が上がる
5つめのメリットは、資産価値が上がることです。
断熱性能を高めた住宅は、長く快適に暮らしやすいもの。光熱費などのランニングコストも抑えられるため、近年、住み心地や省エネ性を重視して住宅を選ぶ人が増えています。
将来住み替えや売却を考えることになっても、価値が下がりにくい点は安心材料のひとつといえるでしょう。
金利が安くなる
6つめのメリットは、住宅ローンの金利優遇制度を利用できることです。
一定の省エネ性能や断熱性能を満たした住宅は、公的制度や金融機関から評価され、金利引き下げの対象となる場合があります。
代表的な制度が「フラット35S」です。フラット35Sでは、省エネ基準や断熱等級などの条件を満たした住宅を対象に、当初一定期間金利が引き下げられます。
家はとても高いお買い物なので、ローンの視点でも安心材料を得られるのは非常に良いことですね。
補助金が活用できる場合も
7つめのメリットは、国や自治体の補助金制度の対象になるケースがあることです。
補助金制度は年度ごとに内容が変わるため最新情報の確認が必要ですが、初期費用の負担を抑えて性能を向上することができるので、住居の資産価値を上げるという意味でも、一度検討してみることをおすすめします。
補助金を含めた提案をご希望なら、グランハウスにご相談ください!

ここまで、UA値の基礎知識から地域ごとの基準、そして断熱性能を高めるメリットまで解説してきました。
断熱性能を高めることには快適性や省エネ性が向上するなどのメリットもありますが、高い断熱性能を十分に発揮させるためには、設計力と施工力の両方が欠かせません。
また、初期費用をうまく軽減するためには、設計だけでなく、お住まいの自治体の補助金まで広く提案できる工務店だと安心ですね。
補助金を含めて検討されている方は、ぜひグランハウスにご相談ください。グランハウスは、岐阜・愛知・三重で注文住宅を手がける設計士集団です。
「ハウスメーカーでも工務店でもない、設計士とつくる」からこそ、お客様一人ひとりの想いやこだわりに丁寧に向き合い、性能とデザインを両立した、ちょっとカッコいい暮らしやすい住まいをご提案します。
施工実績は1,000件以上。「断熱性能にこだわった家を建てたい」「長く快適に暮らせる注文住宅を実現したい」とお考えの方は、ぜひ一度グランハウスへお問い合わせください。