ブログをご覧の皆さま、はじめまして!
設計・インテリア担当の田口広美です。
最近、暖かくなってきて、
過ごしやすい日が増えてきましたね。
この時期になると、
衣替えをしたり、炬燵をしまったりと、
お家の中の収納を見直す方も
多いのではないでしょうか?
私自身も
「ここにしまってたんだ」
「この収納少し使いにくいな」
と感じることがあり、
改めて収納について
考えるきっかけになる時期だと思っています。
そこで今回は、お打合せでも
よくご相談いただく「収納」について、
設計士として感じていることを
少しお話しできればと思います。
収納って、正直多い方が安心しますよね。
「収納は多めに欲しいです」と
言っていただくことが多く、
自分自身も「たしかにそうだな」と
思うことがあります。
では、実際に
『自分が住むとしたらどう考えるだろう。』
そうやって改めて考えてみたときに、
単純に“多ければいい”というわけでもない…
と感じるようになりました。
■収納が欲しい=本当に“量”が足りない?

「収納を増やしたい」と感じる理由を
少し考えてみましょう。
・今の家でモノが収まりきっていない
・片付けにくいと感じている
・これからモノが増えそうで不安
こういった背景があることが多いと思います。
ここで一度立ち止まって、
それは本当に“量”の問題なのか?
と考えてみるのもいいかもしれません。
実際には、収納が足りないというよりも、
・使う場所から遠い
・出し入れしにくい
・どこに何をしまうか決まっていない
“使いにくさ”が原因になっていることもあります。
■収納は「多さ」より「場所」で変わる
設計をしていて感じるのは、
収納は量よりも“どこにあるか”の方が、
暮らしへの影響が大きいということです。
例えば、
・玄関にコートを掛ける場所がない
・キッチンの近くにまとめて置ける収納がない
・洗濯動線の中に収納がない
このように、普段の動きと
少しずれが生じた位置に収納がある場合、
量が足りていても片付けにくさを感じることがあります。
もちろんこれは一例で、
ライフスタイルによって使いやすさは変わりますが、
「どこで使って、どこに戻すか」
という流れに合っているかは、
収納のしやすさに大きく関わってくる部分だと
感じています。
使う場所の近くに
自然と片付けられる収納があると、
そこまで大きな収納がなくても
すっきりと暮らせることもあります。
■収納を増やすと、実は空間は少し狭くなる
もうひとつ、設計士として気にしているのが
『バランス』です。
収納を増やすということは、
その分、リビングや居室の広さを
削ることでもあります。
・少しリビングがコンパクトになる
・窓の取り方に制限が出る
・視線の抜けが弱くなる
こうした積み重ねで、
なんとなく“広さ”や“心地よさ”が
変わってくることもあります。
安心のために収納を増やした結果、
少しだけ窮屈に感じる空間になってしまうのは
少しもったいない気もします。
■考えるヒントは「今の暮らし」にある
お家づくりを考えるときは、
「どのくらい収納が欲しいか」だけでなく、
今の暮らしの中で、
どこに・何が・どう置かれているかを
一度振り返ってみるのがおすすめです。
・よく使うのに遠い場所にしまっているもの
・つい出しっぱなしになっているもの
・置き場が決まっていないもの
こういった部分を見ていくと、
「収納を増やすべきなのか」
「場所を整えるべきなのか」
が少しずつ見えてきます。
収納が整ってくると、単に片付くだけでなく
少し余白が生まれてくることがあります。

その余白を使って、好きなものを飾ったり、
見せる収納として楽しめるのも一つの魅力です。
このブログ内にいくつか登場した写真のように、
すっきりとした中に少しだけ
“見せる”要素を加えることで、
空間にその人らしさが出てくるのかなと感じています。

「収納は、多ければ安心」
という気持ちもすごく分かります。
しかし、それ以上に大切なのは、
暮らしにちゃんと合っているかどうかだと思っています。
■最後に
まだまだ自分自身も勉強中ではありますが、
だからこそ、お客様と同じ目線で悩みながら、
一緒に考えていけたらいいなと思っています。
今の暮らしをベースにしながら、
無理のない“ちょうどいい収納”を
見つけていきましょう。
田口広美

