美しい曲線が連なる邸宅
羽島市 O様邸
他にはない美しさを求めて、壁や天井、階段にまで曲線を設えた一級建築士の自邸。室内を包むアールの塗り壁は、時間とともに変化する光と影をやさしく受け止め、幾何学模様のパーケットフロアが落ち着いた重厚感を添える。室内扉の一部には、ラタン素材をあしらい、空間にプリミティブな軽やかさをプラス。曲線と素材が柔らかく調和し、日々の何気ない瞬間さえ美しい風景となる邸宅が完成した。


大きさの異なる3BOXとラップウォールシンプルの素材感が重厚感を生み出す外観。白とライトグレーの色味を採用し、柔らかさをプラスした。広大なお土地を活かし、敢えて塀を設けず植栽で視線を遮った。

天井高3.4メートルの開放的な吹き抜けリビング。天井部分には楕円の曲線を。リビングの一角にデザインした螺旋階段がオブジェとしても存在感を放つ。

階段の形状に合わせて壁を施工し、境界を曖昧にさせたことで螺旋階段をより強調できる。

白く塗装した床材のパーケットとアール壁が組み合わさり、クラシックで高級感ある印象に。手すり格子がロフトの奥行き感とアール天井の輪郭を演出してくれる。

レンジフードを造作収納と組み合わせて空間に溶け込ませたセパレートキッチン。収納扉にはラタンを施し、軽やかに。造作ダイニングテーブルやチューブライトでダイニングキッチンにも曲線を。

お子様が遊ぶスペースは目が行き届くキッチン前に配置。床にはカーペットを採用し、空間との調和を図った。

白を基調としたランドリー兼脱衣室。ガス衣類乾燥機“乾太くん”の下には引き出し式の作業台を、背面には造作収納棚を配置した。乾いた衣類を畳んですぐに片付けられる家事楽な配置◎

天板から突き抜けている洗面台。排管隠しとしての役割も果たしている。背面に施した木パネルには、空間に馴染む自然塗料のホワイトスプルースを塗装した。木のムラ感が高級感を醸し出す。

洗面横にはファミリークローゼットを設けた。水回りスペースとクローゼットを隣接させ、洗濯動線を短くした。曲線の垂れ壁とレースのカーテンで優しく上品に空間を仕切る。

4帖のファミリークローゼットは、用途に合わせてハンガーパイプを配置した。

グレージュで統一し、天井の木目がアクセントとなるトイレ。

アールの框が柔らかい玄関ホール。正面の壁にはアーチ形の室内窓を設けて景色と光を採り込む。お庭まで一直線に視線が抜けるよう計算した。

玄関ホールには格子でデザインした収納棚を。細かめの格子がモダンな印象を与える。

土間収納は片付けたいものに合わせて棚を設定。土間収納から室内へ入る家族の動線も確保した。

居室に繋がる廊下はまるで洞窟のよう。窓枠を隠して外と内の間にそっと余白を残す。

大きさの異なる照明、『MAYUHANA』が優しく室内を灯す夕暮れ時。繊細な曲線が美しい非日常的な時間。