基礎知識・考え方

断熱性能等級5は寒い?等級6・7との違いやZEH基準との関係性も

公開:2026.06.20

断熱性能等級5はZEH水準に該当し、現代の家づくりで標準的な基準です。コストを抑えつつ快適さを確保できる反面、

・等級5で冬や夏の暮らしがどう変わるか知りたい
・等級6・7と比較した費用対効果を確認したい

などの理由で悩まれる方も少なくありません。

この記事では、等級5の特徴や、向いている人の傾向を紹介しますのでぜひ参考にしてみてくださいね。

 

断熱性能等級5の家の特徴

ここからは、断熱性能等級5の家が実際の暮らしの中でどのような体感につながりやすいのかを紹介します。

 

冬の寒さを感じにくい

断熱性能等級5の家は、断熱性がある程度高いため、暖房をつけていれば部屋の温度が下がりにくいです。室内の熱が外に逃げにくくなるので、光熱費を抑えることができます。

ただし、断熱等級5でも地域や設計によって感じ方は変わります。特に北海道など極寒地域では、暖房を使っていない部屋や廊下で気温がかなり低くなることも。

北海道・東北・北陸などの地域では、断熱性能をもう少し上げたり、暖房設備との相性や気密性を合わせて考える必要があるでしょう。

 

夏の冷房効率が安定しやすい

断熱性能等級5の家は、外の熱が室内に入りにくくなるため、冷房をつけたときにエアコンの冷気が効率よく室内に留まりやすいです。

外からの熱の侵入を抑えることで、冷房が効いている時間が長くなりやすいので、電気代などのランニングコストが抑えられます。

猛暑日を乗り越えるには、ほかに太陽の熱を外に跳ね返したり風を通したりするなどの対策も大切ですが、冷房の効果が出やすいため、室内がムラなく涼しく感じられやすいですよ。

 

コストを抑えながら快適性を上げやすい

断熱性能等級5にすると、コストを抑えつつ快適性をしっかり高められます。

これは、これまで一般的だった等級4よりも断熱性能が一段階高く、冷暖房効率が上がる一方で、等級6や7のように断熱材の厚みや窓性能を大幅に引き上げる必要がないため、追加コストが比較的少なく済みやすいためです。

「できるだけ無理のない予算で、今より快適な家にしたい」という人には非常に良い選択肢ですね。

 

断熱性能等級5とは何か

「注文住宅を建てるにあたって、断熱性についても考えなくてはいけなくなった」という方は多いですが、日常生活で断熱性能について考える方はあまり多くはありません。

等級の違いが、実際の暮らしにどう影響するのかを知らないまま家づくりを進めてしまうケースも少なくないのが現実です。ここからは、断熱性能等級1〜7の位置づけ・地域区分による違い・判断基準について紹介します。

 

断熱性能等級1〜7の中での位置づけ

等級 制度上の位置づけ 備考
等級1 旧基準レベル 現在はほぼ採用されない
等級2 旧省エネ基準相当 現行では性能不足
等級3 次世代省エネ基準未満 現在は推奨されない水準
等級4 2022年までの省エネ基準 2025年以降は最低基準
等級5 ZEH水準 省エネ基準を上回る
等級6 ZEH+相当 高性能住宅水準
等級7 最高等級 HEAT20 G3相当レベル

「断熱性能等級」とは、住宅の断熱性能を1〜7の数字で表した基準です。等級1は最も断熱性能が低く、等級7は最も断熱性能が高くなります。

等級5以上だと、最新の省エネ基準をクリアしており、快適性・省エネ性の点で優れていると判断されます。等級7だとその中でもとくに断熱性が高く、少しの冷暖房で快適さを実感しやすいです。

ただし、等級6・7は、断熱材や窓・気密性能など、住宅の仕様をより高める必要があるため、等級5よりも建築コストが上がるケースが多いです。

 

地域区分ごとに基準が変わる

地域区分 主な地域 断熱性能等級
1・2地域 北海道 高断熱が前提。等級6〜7相当を目指すケースが多い
3地域 東北 等級5以上が一般的。寒冷地では6以上も検討される
4地域 関東・北陸 等級5が最低ライン。快適性重視なら6も視野に
5・6地域 中部・近畿・中国 等級5で省エネ基準適合。6は高性能住宅水準
7地域 九州・四国 等級5で基準適合。6以上はにすると付加価値になる可能性も
8地域 沖縄 断熱より日射対策が重要。等級5で十分な場合が多い

断熱性能等級(1〜7)という区分そのものは全国共通です。しかし、北海道のような寒冷地と、九州・沖縄のような温暖地では、求められる断熱性能が大きく異なるため「どのレベルがその地域で適切とされるか」は、地域区分によって異なります。

国では、全国を1〜8の地域区分に分け、それぞれに応じたUA値・ηAC値の基準を設定しています。

寒冷な1〜3地域ではより厳しい断熱性能が求められ、温暖な6〜8地域では比較的緩やかな基準になるので、家を建てる地域の基準に合っているかを確認することが大切です。

参考:http://mlit.go.jp/common/001500182.pdf

 

ZEH基準との関係

ZEH(ゼッチ)は、住宅で使うエネルギーを少なくし、太陽光発電などで使う分のエネルギーを創ることで「正味の消費エネルギーをゼロにする住宅」のことです。

断熱性能等級5以上であれば冷暖房のエネルギー消費を抑えやすくなるため、ZEHの基準を1つ満たすことになります。

ただし、ZEHの要件は断熱性だけではありません。

高効率エアコンや換気システムなどの省エネ設備や、太陽光発電などを組み合わせた総合的なエネルギー計画が必要になるので、ZEHを実現するには他の工夫や設備も合わせて検討することが重要です。

 

断熱性能等級5を満たすために必要になりやすい仕様

断熱性能等級5を実現するためには、単に「良い断熱材を使う」だけでは不十分です。

家全体をひとつのシステムとして考え、どこで熱が逃げやすいのか、どんな対策が必要なのかを整理することが欠かせません。ここからは、断熱性能等級5を満たすために必要になりやすい代表的な仕様を紹介します。

 

外皮の断熱強化の方向性

断熱性能等級5を満たすには、まず外皮を断熱する必要があります。外皮とは「壁」「屋根」「床」のこと。

・断熱材の厚みを増やす
・高性能な断熱材を使う
・熱伝導率の低い素材を採用する
・断熱材の施工密度を高め、隙間を減らす

などして、ここから逃げる熱をいかに少なくするかが重要です。

 

窓の仕様で差が出やすい

壁や屋根と同じくらい「窓」の性能も重要です。

窓は、家の中でも特に外気の影響を受けやすく、熱が逃げやすい部分。断熱等級5を目指す場合は、複層ガラス(ペアガラス)を採用したり、窓枠自体にも断熱性の高い素材を使ったりするなど、高性能な窓を選ぶことがカギになります。

特に、Low-E(低放射)ガラスやアルゴンガス入りガラスを採用した窓は、室内の熱を外に逃がしにくくし、外の熱を室内に伝えにくくする役割がありますよ。

サッシの気密性が高いと結露のリスクも減り、住まい全体の温熱環境が安定するので、窓選びは慎重に行いましょう。

 

気密と換気をセットで考える

気密性能(C値)と換気システムを適切に整えることも重要です。

気密性能とは、住宅の隙間の少なさを示す数値のこと。小さいほど外気が入りにくく、室内の温度が安定しやすくなります。

断熱性能等級5の家では、断熱性能と同時に気密性能を高めることで熱の逃げ道を減らすことが求められます。しかし、気密性が高くなると、窓やドアのわずかな隙間だけでは十分な空気の入れ替えができなくなるため、計画的な換気システムが必須です。

熱交換型換気システムなどを導入すると、室内の空気を入れ替えながら熱をできるだけ逃がさず、快適で清潔な室内環境を保つことができますよ。換気システムは後から変更・追加できないので、設計時に十分に考えておくことが大切です。

 

断熱性能等級5が向いている人の特徴

ここでは、断熱性能等級5がどのような考え方や暮らし方の人に向いているかを紹介します。

 

初期費用と性能のバランスを重視する人

等級5は、一般的に用いられてきた等級4よりも断熱性能が高い一方で、等級6・7のような極めて高い断熱基準に比べると、施工の仕様や材料のグレードがやや抑えられます。

断熱性能を上げると光熱費が下がる可能性が高いので、長い目で見ると省エネ効果も期待できますが、最初の建築費用が気になる人にとっては、等級5が「かなり費用対効果の良い選択」と言えるでしょう。

 

ZEH水準で十分と考える人

断熱性能等級5は、断熱性能を高めつつ、太陽光発電などを組み合わせて年間のエネルギー消費をゼロに近づける家「ZEH」の断熱基準の目安として設定されています。

なので「ZEHと同程度の快適性と省エネ性があれば十分」と考える人には適しています。

ただし、ZEHの要件は断熱性だけではありません。

高効率エアコンや換気システムなどの省エネ設備や、太陽光発電などを組み合わせた総合的なエネルギー計画が必要になるので、ZEHを実現するには他の工夫や設備も合わせて検討することが重要です。

 

注文住宅の断熱性能を高めたいなら、グランハウスにご相談ください!

この記事では、断熱性能等級5の特徴や位置付けなどを紹介してきました。断熱性能等級5は、コストと性能のバランスが良く、多くの方にとって現実的な選択肢です。

ただし、断熱性能等級5の性能をきちんと発揮させるには、設計段階からの判断や施工の精度がとても重要になります。「等級5にしたはずなのに、思ったほど快適ではない」という後悔をしないためにも、標準仕様の確認や慎重な工務店選びが欠かせません。

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