間取り・実例
中庭のある家の建築実例|メリット・デメリットや中庭づくりで後悔しないためのポイントもご紹介
公開:2025.11.05
「人目を気にせずのんびりと庭で過ごしたい」
「中庭を作って家の中を明るく保ちたい」
このような理由から、中庭のある家に憧れる人も多いのではないでしょうか?
この記事では、中庭のある家の実例をご紹介します。
あわせて、メリットとデメリット、中庭を作る際のポイントも徹底解説!ぜひ参考にしてみてくださいね。
中庭とは?
中庭とは、建物や壁に囲まれた屋外の庭空間のこと。
プライバシーを確保しながら自然を感じられるのが特徴です。
光や風を取り入れることで、家の中を明るく心地よい空間にしてくれます。
中庭と坪庭の違いは?
中庭とよく似たものに「坪庭」がありますが、両者には明確な違いがあります。
坪庭は、比較的小規模なスペースに設けられる庭で、主に視覚的な癒しや趣を楽しむための空間です。
植栽や石・水鉢・照明などを巧みに配置し、主に室内から眺めて楽しむことが目的になります。
一方、中庭は屋外に出て実際に過ごせる空間です。
家族が集まって食事をしたり、読書や趣味の時間を過ごしたりと、よりアクティブな用途に適しています。
「見る庭」が坪庭、「使う庭」が中庭と捉えると、その違いがわかりやすいです。
中庭のある家の形状パターン
中庭のある家をつくるときは、まず形状を検討することが大切です。
建物のレイアウトによって雰囲気や使い勝手が変わるため、それぞれの特徴を理解して選ぶ必要があります。
ここでは代表的な3つの形をご紹介します。
コの字型
コの字型は、建物が三方向から中庭を囲むスタイルです。
外部からの視線を程よく遮りながらも、一方向が開かれていることで開放感も得られます。
風通しや日当たりがよく、抜け感のある中庭をつくることができるため、植物を育てたり、屋外でくつろぐスペースとしても最適です。
視線と光のバランスがとれた、中庭の中でも人気の高いレイアウトです。
ロの字型
ロの字型は、建物が四方向から中庭を囲むスタイルで、完全なプライベート空間が確保できるのが最大の魅力です。
どの部屋からも中庭を望むことができ、採光性にも優れた住まいになります
一方で、広い敷地が必要となり、庭の排水設計にも配慮が求められるため計画段階での慎重な設計が不可欠です。
L字型
L字型は、建物が二方向から中庭を囲むスタイルです。
外壁2面分の接地で済むため、建物の凹凸が少なく、コスト面でも比較的抑えやすいという特徴があります。
また、光や風が取り込みやすく、敷地が限られた都市部でも採用しやすい点も魅力です。
開放感を大切にしたい方におすすめのレイアウトです。
中庭のある家実例3選!
中庭のある家は、住まいに光や風を届けるだけでなく、家族のくつろぎや暮らしの楽しみ方を広げてくれる空間です。
ここでは、暮らしを豊かにする中庭の実例を3つご紹介します。
1.自然光を取り込める、ロの字型の中庭

この建築事例では、ロの字型の配置によって家全体が中庭を囲み、どの部屋にも自然光が届く設計になっています。
四方から光を取り込むことで、家の中心まで採光でき、どこにいても開放感を感じられます。
完全に建物に囲まれているため、外部からの視線を気にせず安心して過ごせるのも魅力です。
リビングやダイニングから中庭を眺めたり、読書やティータイムを楽しんだりと、家族の憩いの場として活用できます。
室内にいながら自然の明るさを存分に感じられる住まいです。
2.お家の中で自然を感じられる中庭

この建築事例では、中庭を通して緑や風を暮らしに取り込めるのが特徴です。
中庭に植栽を施すことで、四季折々の風景が室内から楽しめます。
窓を開ければ風が心地よく通り抜け、自然と調和した暮らしを実現しています。
中庭にはハンモックも設置されており、ゆったりと読書をしたり昼寝をしたりと、リラックスできる時間を楽しめる空間です。
日常に自然を取り入れることで、豊かな暮らしが広がります。
3.お家のどこにいても中庭がのぞけるお家

この建築事例では、家全体を中庭に面して設計することで、どの部屋からも中庭を望めます。
リビング・ダイニング・寝室など、主要な空間がすべて中庭に向かって開いており、常に外の景色を感じながら暮らせます。
室内の一体感が生まれるだけでなく、採光や通風も確保しやすい設計です。
中庭は子どもの遊び場やペットのスペースとしても使えるため、安心して見守りながら過ごせます。
暮らしの中で常に自然を身近に感じられる、心地よい住まいです。
中庭のある家のメリット

中庭のある家には、暮らしを快適にするさまざまなメリットがあります。
自然光や風を取り込みやすくなるだけでなく、プライバシーや安全性の確保、多目的な使い方ができる点でも優れています。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
風通しがよく自然光を取り込める
風通しがよく自然光を取り込めるのは、中庭の大きな魅力のひとつです。
中庭を設けることで建物の表面積が増え、開口部を多く配置できます。
これにより自然光が入りやすくなり、室内が明るく開放的になります。
特に都市部では隣家との距離が近く、日当たりや風通しが悪くなりがちです。
そんな場合でも、中庭があれば周囲の環境に左右されにくく、家の奥まで光と風を届けることが可能です。
プライバシーを確保できる
中庭は、外からの視線を遮りやすく、プライバシーを守れる空間です。
道路に面した庭では、どうしても人目が気になり思うようにくつろげないという声も多く聞かれます。
その点、中庭は建物で囲まれているため、視線を気にせずリラックスして過ごせるのが魅力です。
中庭側に大きな開口部を設ければ、通りに面した窓を小さくしても、十分な光や風を取り込めます。
小さなお子様が遊んでいる様子を室内から見守れるなど、安心感が高いのは嬉しいですね。
外部から侵入されにくく防犯性が高まる
中庭のある家は、防犯性の高さでも注目されています。
中庭は建物に囲まれており、外から中の様子が見えにくいため、不審者にとって侵入しにくい構造です。
また、外部に向けた大きな開口部が少なくなる傾向があるため、物理的な防犯対策もしやすくなります。
プライバシーを守りつつ、住まい全体の安全性を高めてくれる安心な住環境をつくり出すことができます。
自然を身近に感じられる
中庭を囲むように設計された住まいなら、植栽や観葉植物を取り入れることで、どの部屋からも自然を身近に感じることができます。
窓を開けた瞬間に緑が目に入り、季節の移ろいを楽しめるのは嬉しいですね。
多目的スペースとして色々な活用ができる
中庭は、ライフスタイルに合わせてさまざまな用途に活用できる柔軟な空間です。
お子様の遊び場やペットの運動スペース・週末のBBQやガーデニング・読書やティータイムなど、楽しみ方は無限です。
隣家と直接接していないため、音や煙の心配も少なく、気兼ねなく使えるのもポイント。
オープンな庭よりも使い方の自由度が高く、自分たちだけの特別な空間として活用できます。
中庭のある家のデメリット

中庭には多くのメリットがある一方で、設計や暮らし方によっては注意すべき点もあります。
ここでは、中庭を取り入れる際にあらかじめ知っておきたいデメリットをご紹介します。
建築コストが高くなる
中庭のある家では、コの字型やロの字型の間取りにすると外壁の面積が増え、窓やサッシの数も多くなります。
その結果、一般的な住宅に比べて建築コストが高くなる傾向があります。
また、中庭のスペースを確保するためには十分な敷地も必要です。
限られた予算内で建てる場合、建物自体の広さを抑えなければならないケースもあります。
特にロの字型は構造が複雑になりやすく、コストも高めです。
希望する広さと予算のバランスを見ながら、慎重にプランニングすることが大切です。
メンテナンスの手間がかかる
中庭に面した窓は、採光や風通しを良くするために大きく設けられることが多いですが、それに伴い日々のメンテナンスの負担も増えます。高所や手が届きにくい窓は掃除がしづらく、定期的に清掃業者に依頼する必要があるかもしれません。
また、中庭に植栽や芝生を取り入れる場合は、その維持管理も欠かせません。
美しい景観を保つには、ある程度の手間とコストがかかることを理解しておきましょう。
設計の段階で「手入れしやすい工夫」を盛り込むことも大切です。
生活動線が長くなる
中庭が家の中央にあることで、部屋と部屋の移動が遠回りになり、生活動線が長く感じられることがあります。
雨の日や急いでいるときなどはストレスになる場面もあるでしょう。
快適な暮らしを実現するためには、生活スタイルに合わせた間取りの工夫が欠かせません。
たとえば、キッチンと洗面室・寝室とトイレなど、日常的によく行き来する空間は、できるだけ近くに配置するとストレスを軽減できます。
断熱性能が低下して光熱費が高くなる
中庭のある家では、窓の面積や開口部が増えるため、断熱性能が低下しやすくなります。
冬は暖気が逃げやすく夏は外気の熱が入りやすいため、冷暖房効率が下がり、光熱費が高くなる可能性があります。
さらに、中庭は周囲を建物に囲まれているため、空気がこもりやすく湿気や熱が溜まりがちです。
排水や通気に配慮した設計を取り入れれば、快適な住環境と省エネの両立が期待できるでしょう。
中庭づくりで後悔しないためのポイント
中庭は住まいを快適にしてくれる魅力的な空間です。
しかし、設計を誤ると不便さや暮らしにくさにつながることもあります。
ここでは、後悔しない中庭づくりのために押さえておきたいポイントをご紹介します。
間取りや動線を工夫する
敷地面積には限りがあるため、中庭を設けると生活スペースに影響が出ることがあります。
暮らしやすさを損なわないよう、必要な空間の優先順位をつけて間取りや中庭の広さを計画することが大切です。
また、どの部屋から中庭が見えるのか、どこを通ってアクセスできるのかを考えることで、空間のつながりと快適性が大きく変わります。
たとえば、キッチン越しに子どもの遊ぶ姿を見守れる配置は子育て世帯に人気。
リビングやキッチン、洗面室など、家事動線に関わる空間の配置は特に重視すべきポイントです。
家づくりの初期段階から「誰が・どんなふうに中庭を使うのか」を具体的にイメージしながら設計すると、満足度の高い住まいにつながります。
虫や湿気問題の対策を考える
中庭は開放的な屋外空間ですが、虫や湿気といった自然環境の影響を受けやすい面もあります。
水はけが悪いと湿気がこもり、蚊などの虫が発生しやすくなるため注意が必要です。
対策としては、透水性のある素材を使う、地面に傾斜をつけて排水性を高めるなどの工夫が効果的です。
さらに、植栽の種類や照明の計画によっても虫対策ができます。
たとえば、ハーブ系の植物を取り入れれば、見た目の美しさと同時に虫よけ効果も期待できます。
こうした小さな工夫を積み重ねることで、より快適に中庭を楽しめます。
お手入れしやすいデザインを考える
美しい中庭を長く楽しむためには、デザイン性だけでなくメンテナンスのしやすさも重要です。
日常的に目にする場所だからこそ、手間を減らして清潔な状態を保ちやすい工夫を取り入れましょう。
具体的には、砂利や防草シートを使って雑草の発生を抑えると効果的です。
植栽は植えすぎずシンプルに整えることで、手入れの負担を軽減できますよ。
さらに、掃除道具の収納場所や屋外用の水栓をあらかじめ決めておけば、日々のメンテナンスがぐっと楽になります。
無理なく続けられるデザインにしておくことが、中庭を「楽しめる空間」として維持するコツです。
中庭のある注文住宅の建築をお考えなら、グランハウスにご相談ください!

中庭のある家を実現するには、デザイン性と同時に、機能性や暮らしやすさを計算した設計が求められます。
光や風の取り込み方、周囲からの視線の遮り方、敷地条件に合わせた間取りなど、建築士ならではの専門的な視点が欠かせません。
グランハウスは岐阜/愛知/三重で注文住宅を提供している設計士集団です。
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