デザイン・外観・内装
階段の種類・名称を画像で解説|階段を設計する際の注意点も
更新:2025.12.05 公開:2025.12.03
注文住宅の設計をする中で
「階段をどんなデザインにするべきか悩んでしまう」
「狭い場所にも設置できる階段の種類を知りたい」
と悩んでしまう方も多いでしょう。
この記事では、階段の種類・名称や、各デザインの特徴を紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
階段の各部位の名称
階段は、安全性と利便性を確保するために、さまざまな部材で構成されています。
ここでは代表的な部位の名称と役割を、画像とあわせてご紹介します。
踏板(ふみいた)
足を乗せる水平な板。階段を昇り降りする際に足を置く部分です。
段鼻(だんばな)
踏板の先端部分。滑り止めや視認性向上のために加工されることもあります。
蹴込板(けこみいた)
踏板と踏板の間に垂直に取り付けられる板。足が奥に入りすぎるのを防ぎ、見た目も引き締まります。
蹴上げ(けあげ)
一段ごとの高さのこと。設計時は踏板の奥行き(踏面)とのバランスが重要です。
側板・側桁(がわいた・がわげた)
階段を左右から支える斜めの板で、踏板や蹴込板を挟んで固定する役割があります。
ささら桁(ささらげた)
階段の段板を支えるギザギザ形の板。横から見えるデザインにすることもあり、階段の強さと見た目の両方を支える大切な部材です。
手すり
昇降時に身体を支えるための部材。安全性を高めるために、特に子どもや高齢者のいる家庭では必須です。
階段の種類
階段にはさまざまな形状や構造があり、間取りや使い勝手、デザイン性によって選び方が変わってきます。
ここでは代表的な8種類の階段を、それぞれの特徴やメリット・注意点とあわせてご紹介します。
直階段

直階段は、上下階を一直線に結ぶシンプルな階段です。
構造が単純なため施工コストを抑えやすく、限られたスペースにも対応しやすいのが大きな特徴です。
また、動線が明快で昇り降りもしやすいため、日常的な使い勝手にも優れています。
一方で、一直線に続く形状なので、バランスを崩した際はそのまま下まで転落する危険性があります。
特に小さなお子さまや高齢者のいる家庭では注意が必要です。
手すりを握りやすい位置に設けたり、可能であれば途中に踊り場を設けるなど、安全性を高める工夫をしておくと安心です。
かね折れ階段

かね折れ階段は、上下階をL字型に折り曲げてつなぐ階段です。
スペースを有効に使えるため、限られた間取りでも設置しやすいのが特徴。
直線の階段より動きに変化があり、空間に奥行きやデザイン性を加えることもできます。
途中に設ける踊り場は、昇り降りの負担をやわらげるだけでなく、万が一バランスを崩したときの転落防止にも役立ちます。
小さなお子さまや高齢の方がいるご家庭では、直階段よりも安心して使いやすい選択肢といえるでしょう。
回り階段

回り階段は、L字やU字に方向を変えながら昇り降りするタイプの階段で、踊り場の代わりに三角形の段を使って曲がるのが特徴です。
スペースを有効に使えるため、限られた間取りでも設置しやすいメリットがあります。
階段が緩やかに曲がることで動線に変化が生まれ、空間に奥行きが出るのも魅力です。
ただし、曲がりの内側は段の幅が狭くなるため、手すりをつけたり滑り止めを施したりと、安全への配慮が欠かせません。
折り返し階段

折り返し階段は、途中で180度方向を変えて上下階をつなぐタイプで、コの字型やU字型の形をしています。
真ん中に踊り場があるため勾配がゆるやかで、比較的ラクに昇り降りできるほか、万が一転んだときの衝撃をやわらげる効果も。
また、視線が途中で切り替わることで空間に奥行きや落ち着きが生まれるのも魅力です。
一方で、全体的に広いスペースが必要になり、段数が増える分だけコストも高くなりやすいため、設置には十分な検討が必要です。
らせん階段

らせん階段は、1本の柱を軸に踏み板を螺旋状に配置した階段で、空間にアクセントを加える存在感のあるデザインです。
蹴込み板のないスケルトンタイプが多く、光が抜けて圧迫感を抑えられるのも特徴です。
一般的な階段より省スペースで設置できるため、コンパクトな間取りにも適しています。
ただし、中心に近い部分は踏み板が狭く、足元が不安定になりやすいため、滑り止めや手すりを設けるなど、安全面への配慮が必要です。
また、構造が複雑なため専門的な施工技術が必要で、デザインを重視する分だけコストが高めになる点も理解しておきましょう。
オープン型階段

オープン型階段は、段と段の間に蹴込み板がなく、光や視線が抜ける開放的な構造が特徴の階段です。
「スケルトン階段」や「ストリップ階段」とも呼ばれ、現代的で洗練された印象を与えます。
段板のすき間から光や視線が抜けることで空間に広がりが生まれて圧迫感を感じにくくなるほか、自然光が階下まで届くため、家全体が明るく開放的な雰囲気になるのも魅力です。
ただし、足元が抜けているので、小さなお子さまやペットがいる場合は落下防止ネットやベビーゲートなどの安全対策を講じておく必要がありますね。
箱型階段

箱型階段は箱を積み重ねたように見える形が特徴で、しっかりとした安定感がある階段です。
昔から日本の住まいでよく使われてきた、なじみのあるタイプの階段です。
段の下にできるスペースを、収納・トイレ・家事コーナーなどに活用できるのも大きな魅力。
上下の空間をきちんと分けられるため「限られた間取りでも空間を効率よく使いたい」という方にも向いています。
ただし、デザインはシンプルなものが中心で、オープン階段のように見た目の軽やかさや変化を出すのは難しい場合があります。
実用性や使いやすさを重視したい方におすすめのスタイルです。
カーブ階段
カーブ階段は、ゆるやかな曲線を描きながら昇り降りするタイプで、優雅で印象的なデザインが魅力です。
洋風の住宅や輸入住宅・ホテルのエントランスなどでよく見られ、空間に高級感と存在感を与えてくれます。
螺旋階段よりもカーブがゆったりしているため、段の奥行きが広くとれ、昇り降りが安定しやすいのも特長です。
ただし、大きな家具や家電を運ぶときには通りにくい場合もあるため、家全体の動線とのバランスも含めて検討しましょう。
階段を選ぶときの注意点

階段は毎日の生活で必ず使うものだからこそ、家族にとって安全で使いやすい設計にすることが大切です。
たとえば、小さなお子さまや高齢の方がいるご家庭では、段の間にすき間があるオープン階段や、中心部分の段が狭いらせん階段などは注意が必要です。
足を踏み外してしまう危険があるため、手すりをパネルにしたり、踏み板に滑り止めをつけたりといった安全対策を取り入れましょう。
さらに、ステップの高さや奥行き、踊り場の広さ・手すりの位置などが家族の体格や使い方に合っているかも確認しましょう。
将来、年齢を重ねても使いやすいように、先を見据えた設計にしておくと安心です。
階段のデザインにお悩みなら、グランハウスにご相談ください!

ここまで階段の種類や特徴、安全性の考え方についてご紹介してきました。
「わが家にはどんな階段が合うのか」「デザインと使いやすさをどう両立すればいいのか」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
グランハウスは岐阜/愛知/三重で注文住宅を提供している設計士集団です。
「ハウスメーカーでも工務店でもない、設計士とつくる」からこそ、お客様の想いやこだわりに丁寧に向き合い、ちょっとカッコいい、暮らしやすい家をご提案します。
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