基礎知識・考え方
平屋の耐震性が高い理由を徹底解説|地震対策をする際のポイントも
公開:2026.01.20
平屋の耐震性が高い理由

ここでは、平屋の耐震性が高い理由を紹介します。
シンプルな構造だから
1つめは、平屋がワンフロア構成で、建物の形状や構造が複雑になりにくいからです。
建物は、凹凸の多い形よりも、長方形などのシンプルな形状のほうが揺れの力が偏りにくく、耐震性が高くなります。
複雑な間取りや2階部分がある建物は、どうしても力がかかりやすい部分と弱くなりやすい部分が生まれてしまいます。
一方、平屋の多くは柱や耐力壁をバランスよく配置しやすく、建物全体で地震エネルギーを均等に受け止めることが可能。
だからこそ、特定の箇所に負担が集中しにくく、倒壊リスクを抑えられるのです。
建物が低く揺れの影響を受けにくいため
2つめは、建物が低く揺れの影響を受けにくいためです。
地震のとき、建物が高いほど上のほうが大きく揺れやすくなります。
逆に、平屋のように高さが低い建物は、重心(建物のバランスの中心)が地面に近いので、揺れが大きくなりにくいです。
また、2階建てだと「上の階が揺れて、その負担が1階にかかる」という現象が起きますが、平屋はそれがありません。
結果、柱や壁などの負担が少なくなるので、地震のダメージを受けにくい家になりやすいのです。
また、建物が低く安定していることは、台風などの強い風に対しても効果があります。
総合的に災害に強い住まいにつながるのは嬉しいですね。
建物全体の重量が軽いため
平屋は2階部分がないため、建物全体の重量が軽くなります。
この「軽さ」は、耐震性を高めるポイントのひとつです。
地震の揺れによって発生する「慣性力(建物を横に揺さぶる力)」は、F=m×a(質量×加速度)の式で表され、建物が重いほど大きくなります。
そのため、平屋のように質量が小さい建物は、同じ揺れでも構造部材にかかる力を抑えやすくなります。
耐震性は建物の重さだけで決まるものではなく、壁の配置や基礎の強度など、設計全体のバランスも大切です。
それでも「軽さ」は、地震に強い住まいをつくるうえでプラスに働く要素といえるでしょう。
【構造別】平屋の耐震性の違い

平屋の耐震性は、平屋という構造特性に加えて、採用する建物構造の種類によっても大きく異なります。
ここでは、平屋で採用されることの多い代表的な構造ごとの特徴や耐震性の違いについて、わかりやすく解説します。
鉄骨造
鉄骨造は、優れた耐震性が大きな魅力です。
特に住宅では軽量鉄骨が使われることが多く、地震の揺れに強い構造とされています。
また、工期が比較的短く済む点もメリットのひとつです。
ただし、鉄は熱に弱い性質があるため、火災への対策という点では少し注意が必要です。
鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリート(RC)造は、頑丈で倒壊しにくく、耐震性が非常に高い構造です。
多少揺れを感じやすい面もありますが、安全性の高さは大きな安心材料になります。
さらに、耐用年数が長く、メンテナンスの頻度を抑えられるのもメリットです。
一方で、間取りの自由度が低く、工事費が高くなりがちというデメリットもあります。
木造
木造住宅は、日本の気候風土に適した構造として広く採用されています。
なかでも「木造軸組工法」は、日本で古くから使われてきた伝統的な工法で、耐震性に優れ、建築基準に基づいた防火対策を講じやすいという特徴があります。
また、壁で建物を支える「ツーバイフォー工法」は揺れに強く、工期も比較的短いというメリットも。ただし、間取りの変更やリノベーションの自由度はやや制限されることもあります。
木造ラーメン構造
木造ラーメン構造は、木造軸組工法とツーバイフォー工法の良いところを兼ね備えた、バランスの取れた構造です。
もともと鉄骨造や鉄筋コンクリート造で使われていた「ラーメン構造」を木造に応用したもので、柱と梁をしっかりと接合することで、高い耐震性を実現しつつ広い空間や大きな窓のある設計もできるようになっています。
間取り変更やリノベーションにも柔軟に対応できるので、将来的にリフォームをする可能性がある場合は木造ラーメン構造を選択しても良いですね。
地震被害を抑える工法の種類

住宅の耐震性を高めるには、主に「耐震」「制振」「免震」という3つの工法があります。
ここからは、それぞれの特徴を紹介します。
耐震
耐震とは、柱・梁・基礎など住宅の構造体を強化して、地震による揺れに耐えられるようにする工法です。
建物自体の強度を高めることで、倒壊や損壊を防ぎます。
特に平屋では、基礎部分をしっかり強化することで、重心が低く安定した「揺れに強い家」を実現できます。
制振
制振とは、地震の揺れを住宅内部で吸収し、倒壊や損傷を抑える工法です。
柱や壁、基礎部分などに「耐震ダンパー」と呼ばれる装置を取り付けることで、建物に伝わる揺れのエネルギーを吸収・低減させます。
建物の揺れを抑えるだけでなく、長時間続く余震にも安定して対応できるため、地震災害への不安感が強い方は採用すると安心かもしれません。
免振
免震とは、建物と地面の間に免震装置を設置し、地震の揺れが直接建物に伝わらないようにする工法です。
揺れの影響を受けにくくすることで、地震被害のリスクを大幅に軽減できます。
ただし、大がかりな基礎工事が必要になるため、建築コストが高くなる傾向があります。
地盤改良の工法の種類

建物の耐震性を高めるためには、建物そのものだけでなく「地盤」の強さも重要なポイントの一つです。
ここでは、代表的な地盤改良の工法を3つご紹介します。
表層改良工法
表層改良工法は、地盤の表面近くの土にセメント系の固化材を混ぜて、地面を固める方法です。
浅い地盤に適しており、比較的短い工期で施工できるのが特長です。
コストも抑えやすいため、戸建て住宅や小規模な建物によく採用されており、地盤改良の中でももっとも身近な工法といえるでしょう。
柱状改良工法
柱状改良工法は、地中に柱のような土の支えをつくることで、地盤の力を高める方法です。
重機で地面に穴を開けてセメント系の材料を流し込み、地中に柱状の支持層をつくります。
軟らかい地盤でも建物をしっかり支えることができ、戸建て住宅から中規模の建物まで幅広く使われています。
費用は表層改良より高くなりますが、対応できる地盤の幅が広いのでおすすめされる方は多いです。
鋼管杭工法
鋼管杭工法は、鋼製の杭を地中に打ち込み、深い場所にある固い地盤まで建物の重さを届ける方法です。
この工法は非常に高い安定性が得られ、マンションやビルなど大型の建物に使われることが多くなっています。
その分、施工には高度な技術が必要でコストも他の工法より高くなるため、戸建て住宅ではあまり一般的ではありません。
ただし、地盤の状態によっては必要になることもあります。
平屋の耐震性を高めるためのポイント

平屋の耐震性をさらに高めるには、建物の設計や使う素材・施工会社の選び方などにも工夫が必要です。
ここでは、特に大切な5つのポイントをご紹介します。
地盤調査と適切な地盤改良
いくら建物の耐震性が高くても、それを支える地盤が弱ければ、安心して暮らすことはできません。
特に、軟弱地盤と呼ばれる水分を多く含む土地では、地震時に地盤沈下や液状化が発生しやすく、建物が傾いたり倒壊するリスクが高まります。
そのため、建築前には必ず地盤調査を行い、地盤の強さや状態を正しく把握することが重要です。
調査の結果、地盤が弱いと判断された場合は地盤改良工事を行い、建物を支えるための十分な強度を確保する必要があります。
30坪で30〜100万円程度と安くない費用がかかってしまうので、土地の購入時に過去の地形図などを確認し「建築予定地がかつて沼地や田んぼではなかったか」調べておくことも大切ですね。
耐震等級3に対応できる会社を選ぶ
住宅の地震に対する強さは「耐震等級」という指標で確認することができます。
これは「住宅性能表示制度」に基づいており、建物がどの程度の揺れに耐えられるかを数値で示すものです。
耐震等級は1〜3の3段階に分かれており、数字が大きくなるほど耐震性能が高くなります。
地震に強い平屋を建てたいと考えているなら、最高ランクの「耐震等級3」に対応できる会社を選びましょう。
| 耐震等級 | 特徴 |
|---|---|
| 耐震等級1 | 建築基準法で定められた最低限の耐震性能。震度6強~7程度の地震でも、倒壊や崩壊しないレベル。 |
| 耐震等級2 | 耐震等級1の1.25倍の強さ。震度6強~7程度の地震に加えて、繰り返し発生する余震にもある程度耐えられる。 |
| 耐震等級3 | 耐震等級1の1.5倍の強さ。非常に強い揺れや大規模地震にも耐えられる、もっとも高い耐震性能。 |
特に地震が多い地域では、耐震等級3に対応している住宅会社や工務店を選ぶことで、より長く安心して住み続けることができますよ。
バランスの良い建物の設計にする
平屋はシンプルな設計になりやすい傾向にありますが、間取りの都合で建物の形が複雑になると、地震の揺れが一部に集中しやすくなり、耐震性が下がるおそれがあります。
地震の力を建物全体にバランスよく分散させるには、できるだけ凹凸の少ない正方形や長方形に近いシンプルな形状を目指すことが大切です。
どうしても複雑な形状にする必要がある場合は、耐力壁の配置や構造のバランスをしっかりと考慮してみてください。
建物全体の重量を意識する
建物の重さは、地震の揺れの大きさに大きく関係します。
重い建物ほど揺れが強くなりやすいため、特に屋根のような高い位置にある部分は軽量化することをおすすめします。
とくに瓦屋根は重みがあるため、耐震性を重視する場合は、屋根重量や耐震施工の有無を含めて慎重に検討する必要があるでしょう。
近年では、安価で軽量、かつ耐震性が高い「スレート屋根」を採用する方が増えていますよ。
耐久性やメンテナンス性にこだわる
家は長く住み続けるものだからこそ「建てたときの性能を長く保つ」という意識が大切です。
どれだけ耐震性の高い家でも、定期的なメンテナンスを怠ると、本来の性能が十分に発揮できなくなるおそれがあります。
たとえば、外壁のひび割れや屋根材のズレなど、小さな劣化を放置すると雨漏りの原因になり、柱や土台を傷めることも。
こうした劣化を防ぐためには、軽くて耐久性の高い金属屋根や、メンテナンスしやすい外壁材を選ぶことが効果的です。
素材の選び方ひとつで、家の寿命や安心感は大きく変わってきますよ。
耐震性の高い平屋の建設をお考えなら、グランハウスにご相談ください!

この記事では、平屋の耐震性が高い理由や耐震性をさらに高めるためのポイントをご紹介しました。
平屋は比較的耐震性が高い構造ですが、本当に地震に強い平屋を建てるためには、地盤の状況や構造の選択・施工会社の技術力など、さまざまな要素を考慮して家づくりをする必要があります。
グランハウスは岐阜/愛知/三重で注文住宅を提供している設計士集団です。
「ハウスメーカーでも工務店でもない、設計士とつくる」からこそ、お客様の想いやこだわりに丁寧に向き合い、ちょっとカッコいい、暮らしやすい家をご提案します。
施工実績は1,000件以上。「より良い家づくりをしたい」「岐阜で注文住宅を建てたい」とお考えの方は、ぜひグランハウスに一度お問い合わせください。