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平屋の価格相場はいくら?建築実例や値段を抑えるコツも紹介
公開:2025.10.03
平屋を建てたいと考えているものの「平屋は建築費が高い」という噂を聞いて心配している方も多いでしょう。建築の際は、家の広さだけでなく、廊下の数や設備のグレードなど、たくさんの要素が関わってきます。
この記事では、平屋の価格相場を実例を踏まえて紹介するほか、建築費を抑えるコツも紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
平屋の価格相場
平屋の価格相場について、公的なデータでの算出はできません。そこで今回は、住宅金融支援機構の2024年度フラット35利用者調査の結果から算出してみます。
2024年度の調査結果によると、注文住宅の融資利用者の全国値は、
- 住宅面積が118.5m2(約35.9坪)
- 建築費用は3,932.1万円
この数値から坪単価を算出すると、約109.6万円となります。
平屋の価格は地域や仕様によって異なりますが、まずは上記の数値を参考にして一般的な相場を把握していきましょう。
同じ延床面積なら、2階建てよりも平屋の方が値段が高い
一般的に、同じ延床面積で比較すると、平屋の方が2階建てよりも建築費用が高くなる傾向にあります。これは、ワンフロアにすべての空間を配置するために広い土地が必要となり、基礎や屋根の面積が増えることが主な要因です。
基礎や屋根は建物の面積に比例して施工費用がかかるため、1階部分が広がる平屋はどうしてもコストが増加しやすいのです。また、敷地の形状や周囲の環境によっては、平屋に適した土地の取得自体が難しい場合もあります。
このような理由から、平屋は一般的に2階建てよりも割高になると考えておきましょう。
平屋のメリット・デメリット
続いて、平屋のメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。
メリット
平屋のメリットは、以下のとおりです。
- 強風や地震に強い
- メンテナンス費用を抑えることができる
- バリアフリー
- 効率の良い生活動線
- 家族間のコミュニケーションがとりやすい
- デッドスペースが少ない
平屋は、構造的に重心が低いため強風や地震に強く、安全性が高いのが特徴です。また、外壁や屋根の点検・修繕がしやすく、長期的なメンテナンス費用を抑えられます。
すべての部屋が1階で完結するため、高齢者・小さな子供・身体に不自由のある方にも優しいバリアフリーが実現できるのも良いところです。加えて、部屋同士が近くにあることで家族との距離が近くなり、自然とコミュニケーションが生まれやすいですよ。
平屋ならではの特徴として、階段や廊下といったデッドスペースが少なく実用的な空間を最大限に活用できるのも、魅力といえるでしょう。
デメリット
平屋のデメリットは以下のとおりです。
- 土地の面積が必要
- 建物の価格が高くなりやすい
- 水害に弱い
- 立地条件によっては日当たりが気になる場合もある
- 防犯面で弱い
平屋には多くの魅力がありますが、いくつかのデメリットも存在します。
まず、同じ延床面積を確保するには2階建てよりも広い土地が必要なため、土地取得費用がかさみやすくなります。また、基礎や屋根の面積が大きくなることから建築コストが高くなりやすく、固定資産税などの税金も上がる傾向にあることも把握しておきましょう。
さらに、水害の際はすべての生活空間が1階にあるため被害を受けやすく、立地条件によっては日当たりが確保しづらいことも。加えて、窓や出入口が地面に近くなることで、防犯面の不安がある点も見逃せません。
こうした点を踏まえ、平屋の弱点をカバーできるよう、土地の選定・防犯対策・設計の工夫などを行うことが大切です。
平屋の値段を抑えるポイント
続いて、平屋の値段を抑えるポイントを5つご紹介します。
延床面積を狭くする
1つめは、延床面積を狭くすることです。
建築費用は、使用する資材の量や工事の手間に比例して高くなります。そのため、延床面積を小さくすることで、コストを大幅に抑えることが可能です。
面積を絞ることで、無駄な部屋や動線を省いた効率的な間取りを実現しやすくなり、掃除や日々のメンテナンスも楽になります。
建物の形を正方形かI型にする
2つめは、建物の形を正方形かI型にすることです。
凹凸の多い複雑な形状にすると、そのぶん壁や屋根の面積が増え、材料費や施工の手間がかかってコストが上がります。一方で、正方形やI型のようなシンプルな形は構造が安定しやすく施工もしやすいため、効率的に工事を進めることが可能です。
また、建物の形をシンプルにすることで冷暖房効率も良くなるため、建築時のコストだけでなく長期的に光熱費も抑えられますよ。
屋根の勾配を緩やかにする
3つめは、屋根の勾配を緩やかにすることです。
屋根の勾配が急になると必要な屋根材の量が増えるだけでなく、足場や安全対策などの施工費も高くなります。また、メンテナンスが難しくなるため、将来的な修繕費の負担が増加する可能性も。
屋根の勾配を緩やかにすることで、建築費用だけでなくメンテナンス費用も抑えることができますよ。
廊下を減らす
4つめは、廊下を減らすことです。
廊下は生活空間としての機能が少ないにもかかわらず、床・壁・天井の施工が必要なため、建築コストがかかります。廊下を最小限に抑えることで、延床面積を減らし材料費や工事費を削減することが可能です。
廊下を減らすことで、効率的な生活動線を実現し、コストを抑えられるだけでなく日常の移動も楽になります。また、廊下を省いた間取りは部屋同士のつながりが良くなり、家族の気配を感じやすい家になるというメリットもあります。
設備のグレードを抑える
5つめは、設備のグレードを抑えることです。
キッチン・バス・トイレなどの住宅設備は、グレードによって価格に大きな差が生じます。
最新機能が多く搭載された高級モデルを選ぶと建築費用全体が高額になってしまいますが、必要最低限の機能を備えた標準仕様を選べば、コストを抑えながらも快適に暮らすことができるでしょう。
設備のグレードを抑えることで、初期費用を節約できます。また、後からリフォームや交換が可能な設備もあるため、必要に応じて段階的にアップグレードする選択も有効です。
平屋の価格を実例で5つ紹介
延床面積に対する平屋の価格を、画像付き実例でご紹介します。
1. 延床面積約25坪 1,000万~3,000万円の平屋
平屋の中でもコンパクトな延床面積約25坪の住宅は、建築コストを抑えながら快適な暮らしを実現できる点が魅力です。
必要な部屋数を効率よく配置することで、生活に必要な機能をしっかりと備えられます。例えば、2LDK+収納スペースの間取りであれば生活動線が短く掃除や移動が楽になるため、夫婦や子育てを始めたばかりの家族に最適です。
価格は1,000万〜3,000万円と比較的手が届きやすく、初めてのマイホームとしても人気があります。
2. 延床面積約30坪 1,200万~3,500万円の平屋
30坪の平屋は、3〜4人家族がゆったり暮らせるバランスの取れた広さです。
リビングを中心にした3LDKや4LDKの間取りを実現しやすく、子育て世代に人気があります。例えば、LDK+主寝室+子供部屋2つという配置なら、家族の距離感も保ちながら快適な空間が作れます。部屋数を確保しつつも掃除の負担が少なく、老後も安心して住み続けられるサイズ感です。
ライフステージの変化にも対応しやすい、ちょうどいい広さの平屋といえるでしょう。
3. 延床面積約35坪 1,400万~4,000万円の平屋
35坪の平屋は、ゆとりのある暮らしを実現したい方におすすめの広さです。
リビングが20坪以上確保でき、収納も充実させやすいため、4LDKの間取りでも窮屈さを感じにくいのが特徴です。例えば、LDKに隣接した和室やファミリークローゼットを設けることで、多目的な空間づくりも可能になります。
「家族それぞれの個室が欲しい」「趣味の部屋が欲しい」「収納を増やしたい」といった希望にも柔軟に応えられるため、暮らしやすさと快適さを両立できますよ。
4. 延床面積約40坪 1,600万~4,500万円の平屋
40坪の平屋は、二世帯住宅や大家族でもゆったり暮らせる贅沢な広さが魅力です。
部屋数に余裕があるため、親世代と同居しつつプライベート空間も確保できます。例えば、LDKを25帖以上にすることでホームシアターを取り入れたり室内干しスペースやワークスペースを設けたりと、暮らしの質を高める工夫もしやすいでしょう。
ライフスタイルの多様化に対応できるため、将来を見据えた家づくりをしたい方にも適しています。
5. 延床面積約45坪 2,250万~4,000万円の平屋
45坪の平屋は、理想の暮らしを実現するための自由度が非常に高いのが魅力です。
趣味部屋や書斎、ゲストルームなどを設けてもなお、生活空間にゆとりを持つことができます。例えば、「キッチン横に大容量のパントリー」「玄関近くにファミリークローゼット」「中庭付きのコの字型間取り」なども実現可能です。
暮らしやすさと快適性を追求できるため、「一生住み続ける家」として妥協したくない方におすすめです。
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今回は、平屋の価格相場についてご紹介しました。平屋は、2階建て住宅と比べて建築費用が高くなる傾向にありますが、ポイントを抑えておけば費用が高額になることを避けることも可能です。
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