間取り・実例
縁側のある家の建築実例6選|縁側の定義やメリット・デメリットも
公開:2025.11.05
注文住宅を建てる際に「縁側でくつろげるような間取りにしたい」と考える方は多くいます。
この記事では、縁側のある家のメリット・デメリットを紹介します。建築実例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
そもそも「縁側」とは?
縁側とは和室と屋外の間にある板張りの通路で、内と外をつなぐ緩衝空間です。
昔ながらの日本家屋では、日向ぼっこやご近所との交流の場としても親しまれてきました。
縁側はくれ縁と濡れ縁の2種類
縁側には、大きく分けて「くれ縁(くれえん)」と「濡れ縁(ぬれえん)」の2種類があります。
くれ縁は建物の内側に位置し、雨戸やガラス戸の内側に設けられる板張りの空間です。
室内の廊下を兼ねることもあり、居室と外部の間にワンクッションをつくる役割を持ちます。
濡れ縁はガラス戸の外側に設置されるため、雨に濡れる可能性がある半屋外的な空間です。
庭と直接つながり、外との一体感を楽しめる場所として親しまれています。
くれ縁の中でも幅が広く設けられたものは「広縁(ひろえん)」と呼ばれます。十分な奥行きがあるため、小さな椅子やテーブルを置ける空間です。庭に面したセカンドリビングのように活用でき、家族や近隣との交流の場としても役立ちます。
ウッドデッキとの違いは?
現代の住宅では、縁側の代わりに「ウッドデッキ」を設けるケースも多くあります。
どちらも家の中と庭をゆるやかにつなぐ役割を持ちますが、いくつかの違いがあります。
ウッドデッキは、もともと濡れ縁を現代的にアレンジしたものといえます。
縁側に比べて奥行きがあり、広いスペースを確保できるのが大きな特徴です。
明確な定義の違いはありませんが、素材や設置場所・使い方によって区別されることが多いです。
子どもの遊び場や読書の場としてはもちろん、バーベキューやヨガなどのアウトドアリビングとしても活躍します。
縁側とウッドデッキ、形は少し違っても、どちらも暮らしに豊かさを与えてくれる空間です。
縁側のある家のメリット

縁側のある家には、暮らしをより豊かにしてくれる多くの魅力があります。
ここからは、縁側のメリットを5つのポイントに分けてご紹介します。
暑さ・寒さをコントロールできる
縁側は屋内と屋外の間にある緩衝空間として、季節ごとの気温差を和らげてくれます。
夏は直射日光を遮り、室内の温度上昇を防止可能。
冬は外からの冷気をブロックして暖かさを保つ役割を果たします。
縁側に内窓などの建具を設けることで、さらに断熱性が向上し、快適な室内環境を実現できますよ。
憩いの場になる
縁側があると家族や友人が自然と集まる憩いの場にもなります。
玄関ほどフォーマルではない空間なので、近所の人と気軽に会話を楽しんだり、庭を眺めながらお茶を飲んだりする場所として最適です。
庭でのバーベキューの際にも、縁側はゆったり座れるスペースとして活躍します。
部屋が広く見える
室内と同じ高さで縁側を設けることで視覚的な一体感が生まれ、空間を広く感じさせる効果があります。
特に窓の開口部を広くとることで室内と縁側、さらには庭までが連続した空間としてつながり、開放感のある住まいを演出できます。
物干し場としても活用できる
洗濯物や布団を干す実用的なスペースとしても重宝するのが縁側の魅力。
屋根付きであれば、突然の雨にも対応できるため安心です。
日常的には家事スペースとして、休日にはくつろぎの場として柔軟に使えるのが大きなメリットです。
子供が遊ぶ場所にもなる
縁側は子どもが遊ぶ空間としても活用できます。
リビングとフラットにつながることで、室内の延長として広々と使え、子どもたちが安心してのびのびと遊べるスペースに。
遊び疲れたら日陰の縁側で休憩したり、飲み物を飲んだりと多機能な「遊び場」として機能します。
縁側のある家のデメリット

縁側には多くの魅力がありますが、その一方で注意しておきたいポイントもあります。
ここでは、縁側のある家づくりで考慮しておきたい4つのデメリットについてご紹介します。
床面積が広くなる分施工費用が高額になる
縁側を室内に設ける場合はその分床面積が広がるため、建築費用が高くなる傾向があります。
さらに、屋外にウッドデッキとして縁側を設ける場合でも、デッキ本体のほかに下地となる土間コンクリートや屋根の設置にかかる費用が発生します。
計画初期の段階から資金計画に組み込み、予算オーバーを防ぐ工夫を行うことが大切です。
経年劣化の対策が必要
屋外に設けた縁側は雨風や強い日差しの影響を受けやすく、徐々に劣化していきます。
特に木製の縁側は耐候性に注意が必要で、定期的な塗装や防水処理などのメンテナンスが欠かせません。
耐久性を高めるために屋根をかける、耐候性の高い素材を選ぶといった工夫も求められます。
定期的に庭の手入れをする必要がある
縁側を設ける家では、その先に庭をつくるケースが一般的です。
植栽や芝生・シンボルツリーなどを取り入れることで四季折々の景色を楽しめますが、その分雑草の処理や剪定・水やりといった日常的な手入れが欠かせません。
縁側からの眺めを心地よく保つためには、無理なく維持できる庭づくりを意識することが大切です。
防犯対策が必要
縁側は庭や外部に面しているため、人の出入りがしやすい場所でもあります。そのため、防犯面での工夫が欠かせません。
人が近づくと点灯するセンサーライトを設置したり、防犯カメラや人感センサー付きの照明を組み合わせると安心感が高まります。
また、縁側に面した窓には施錠性能の高いサッシを選ぶことが重要です。
二重ロックや格子を設けることで、侵入のリスクを大幅に減らせますよ。
縁側のある家の建築実例6選
縁側のある住まいは、暮らしに心地よいゆとりを与えてくれます。
ここでは、実際に建てられた縁側のある家を6つの事例でご紹介します。
それぞれ異なる工夫や魅力が詰まっているので、理想の家づくりの参考にしてみてください。
1. リビングとお庭を緩やかに繋ぐ縁側

この大きな掃き出し窓が印象的な住まいは、リビングから庭へと伸びる広い縁側が特徴です。
深い軒が直射日光をやわらげ、雨の日でも外とのつながりを楽しめる設計になっています。
窓を開け放てばリビングと庭が一体となり、子どもが遊ぶ姿を見守れる安心感があります。
夕涼みをしたり、四季の移ろいを味わったりと、日常の中で自然を感じられる暮らしが広がります。
2. 日当たりの良い和モダンテイストの縁側

この白壁と木目が調和した和モダン住宅は、南向きに設けられた縁側が特徴です。
明るい日差しが差し込み、室内を心地よく照らしていますね。
和の落ち着きとモダンな雰囲気を併せ持ち、縁側は癒しの場として機能します。
休日には腰をかけてお茶を楽しんだり、庭を眺めながらのんびり過ごす贅沢な時間を過ごせます。
家族との語らいや読書の場としても最適な空間です。
3. 幅の広さで縁側の使い方も広がる

この木の温もりを感じる外観の家は、奥行きのある縁側が特徴です。
幅広く設計されているため、テーブルや椅子を置いて庭に面したセカンドリビングとして利用できます。
来客時にはおもてなしの場に、日常では子どもの遊び場や洗濯物干し場としても活躍。
多様な暮らしに対応できる縁側があることで、家族の生活が自然に豊かになります。
4. リビング→土間→縁側と空間の広がる使い方

このリビングから土間、さらに縁側へと続く住まいは、空間が段階的に広がる設計が特徴です。
木の質感を生かした内装と深い軒が、落ち着きのある雰囲気をつくり出しています。
視線や動線が自然に庭へ抜けるため、外との一体感を味わえる点も魅力です。
来客時には土間や縁側がセカンドリビングとして機能し、普段は家族が集まり憩う場として暮らしを豊かにしています。
5. 連なる窓で解放感アップ!

この大きな窓が連続する外観の家は、縁側の解放感が特徴です。
窓を開け放てば室内と庭が一体化し、光と風が家全体を包み込みます。
縁側はアウトドアリビングのように活用でき、庭の使い方の幅も広がります。
家族や友人とバーベキューをしたり、子どもの外遊びを見守ったりと、多彩なシーンで活躍。
開放的な暮らしを実現する住まいです。
6. 和室から繋がる懐かしの縁側

この和室とつながる縁側は、畳の間から庭へと広がる眺めを楽しめるのが特徴です。
障子を開けると自然と一体になった開放感が生まれ、どこか懐かしい雰囲気が漂います。
腰を下ろしてお茶を飲んだり、家族と語らったり、ゆったりとした時間を過ごせる空間です。
来客時の応接や季節を感じる場所としても活躍し、日本らしい暮らしを大切にできる住まいになっています。
縁側のある家をご希望なら、グランハウスにお声がけください!

縁側のある家を実現するには、デザイン性だけでなく、快適さや暮らしやすさを兼ね備えた設計力が求められます。
心地よく四季を感じられる縁側をつくるには、敷地条件や方位・光や風の取り入れ方など、建築士ならではの専門的な視点が欠かせません。
グランハウスは岐阜/愛知/三重で注文住宅を提供している設計士集団です。
「ハウスメーカーでも工務店でもない、設計士とつくる」からこそ、お客様の想いやこだわりに丁寧に向き合い、ちょっとカッコいい、暮らしやすい家をご提案します。
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