間取り・実例

「土間のある家」建築実例7選|設計する際に考えるべきポイントも

公開:2025.11.05

土間のある家に憧れるけれど

「どうやって使うのがベストかわからない」
「どんな間取りになるのかイメージできない」

というお悩みを抱えている方も多いようです。

この記事では、土間のある家の建築実例を紹介します。設計するときに考えるべきポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「土間」とは?

「土間」とは、屋内でありながらも、靴を履いたまま過ごすことができる空間のことです。

もともとは農家や町屋など、特に信州の古民家に多く見られるもので、土や三和土(たたき)といった仕上げが一般的。

外で作業をしたまま汚れた靴のまま上がれる場所として、農作業の合間の休憩や食事、さらには来客対応の場としても活用されてきました。

現代においても、土間は屋内と屋外をつなぐ「中間領域」として、多様なライフスタイルに柔軟に対応できる空間として再評価されています。

土間の活用方法

現代の住まいにおいて、土間は「汚れを気にせず使える」「気軽に過ごせる」空間として注目されています。以下のように、多彩な使い方が広がっています。

空間の広がりを演出する中間スペースとして

リビングやダイニングとつなげることで、屋内にいながら屋外のような開放感を味わえます。季節の移ろいを感じながら過ごせるのも魅力です。

家族や仲間とのコミュニケーションスペースとして

気軽に腰をかけておしゃべりを楽しんだり、食事を持ち寄ってアウトドアリビングのように使ったりと、人が集まる場としても活躍します。

趣味の制作活動やDIYの作業スペースとして

工具や素材を広げても床を気にせず使えるため、創作や修理に没頭できます。大きな作品やアウトドア用品のメンテナンスにも最適です。

子どもの遊び場として

少々汚れても問題がない土間は、泥んこ遊びや水遊び、工作など自由な遊びにぴったり。親の目が届く安心な場所としても役立ちます。

収納や仮置きスペースとして

ベビーカーや自転車、アウトドア用品など屋外で使う道具を一時的に置くのに便利。玄関とつながっていれば動線もスムーズになります。

「土間」は必ずしも必要なスペースではありませんが、その分、住む人の発想次第でさまざまな価値を生み出せる、自由度の高い暮らしの余白といえるでしょう。

土間のある家を設計する際に考えるべきポイント

土間のある家は、使い方や素材、動線を工夫するだけで、暮らしがぐっと便利で心地よくなります。

自由度が高い分、住む人が使いやすいように設計を工夫することが大切です。

ここからは、土間のある家を設計する際に考えるべきポイントを紹介します。

使い方

まず大切なのは「土間で何をしたいのか」を明確にすることです。

単に雰囲気を出したいからといって土間を設けても使い方が曖昧だと活用されず、空間がもったいないことに。

例えば、趣味の作業場として使いたい・子どもが遊べる場所を設けたい・屋外のように使えるリビング空間をつくりたいなど、目的を明確にすることが重要です。

こうした用途を踏まえて、収納やコンセントの配置、採光・通風など、設計の細部までしっかりと検討していきましょう。

素材

土間の印象や使い勝手は、使用する素材によって大きく変わります。主な素材とその特徴は以下の通りです。

素材 特徴 メンテナンスのしやすさ 価格(1㎡あたり・目安)
コンクリート 無骨でインダストリアルな印象、丈夫でコストを抑えやすい 比較的メンテナンスしやすいが、ひび割れなど経年劣化のリスクあり 10㎡未満:約10,000–12,000円/㎡
10–50㎡:約8,000–10,000円/㎡
モルタル洗い出し仕上げ 骨材が浮き出て質感豊か、伝統的な左官技 凹凸があり掃除はやや手間 約10,000–25,000円/㎡
タイル デザインの自由度が高く、色柄で空間演出可能 表面は掃除しやすいが、目地に汚れが溜まりやすく、割れやすい 約15,000–20,000円/㎡

天然石
(例:埋め込み舗装)

高級感があり耐久性も高い 掃除自体はしやすいが、シミ・傷の補修は難しい 種類により大きく変動
洗い出しコンクリート(標準施工) コンクリート表面に骨材を露出させた洗い出し仕上げ 滑りにくく風合いが高いが、細部の掃除は工夫が必要 約16,000–22,000円/㎡

見た目の好みだけでなく、メンテナンス性や予算・滑りにくさなども考慮して選ぶとよいでしょう。

動線

どれだけ土間がおしゃれでも、動線が悪ければ日常的に使いにくくなります。

外からの出入りがスムーズかどうか、汚れた靴や荷物を自然に収納できる配置かどうか、そして土間が家全体の動線に無理なく組み込まれているかを、事前にシミュレーションをして確認しましょう。

土間だけに注目せず、家全体の間取りとのつながりを見据えて計画することが快適な使い勝手につながります。

また、土間は設計の自由度が高い分、後からの修正が難しい空間です。

設計実績のある建築会社や建築士に依頼することで、使い勝手も見た目も優れた空間に仕上げることができます。

土間のある家の建築実例7選!

実際にどんな暮らしができるのか、イメージしづらいという声も多い土間のある家。

ここでは、デザイン性と実用性を兼ね備えた7つの建築実例をご紹介します。

1.暮らしに寄り添う実用的な土間空間

玄関を入るとすぐに広がる土間は、収納や作業スペースとして活用できる実用的な空間

靴を履いたまま使えるため、外出・帰宅時の動線もスムーズで、日常の使い勝手に優れています。

ほどよい広さと明るさで、使う人の暮らしにやさしく寄り添います。

2. リビング・ダイニングに囲まれた土間

家の中心に位置する土間を、リビングとダイニングが囲むように配置。

家族が自然と集まり、会話が生まれる、まさに“つながり”を感じる間取りです。

大開口の窓から光が差し込み、土間スペースがまるで庭の延長のように。アウトドア気分で過ごせる日常が魅力です。

3. 土間と和モダンの融合

和室とつながる土間空間は、和モダンな住まいの象徴。障子越しにやわらかな光が差し込み、土間の素材感が引き立ちます。

靴を脱がずに気軽に立ち寄れる空間として、来客時の応接やおもてなしにも最適。和の趣と現代的な機能性が融合した設計です。

4. 土間と吹き抜けで解放感を

土間から見上げる吹き抜け空間は、まさに圧巻。上下階をつなぐ視線と光が、家全体に広がりを与えます。

土間に立つと空間の縦方向の伸びやかさを実感でき、住まいの中心としての存在感が際立ちます。

室内でも屋外のように感じられる開放感が魅力です。

5. 趣味を満喫できる玄関土間

玄関から続く土間スペースは、趣味のための自由な空間。

ロードバイクの整備やガーデニング用品の手入れ・DIY作業など、汚れを気にせず思い切り楽しめます。

プライベートな趣味時間を支える機能的な空間が、暮らしに彩りを加えます。

6. 玄関からリビングに繋がる土間

玄関からそのままリビングへと続く土間は、毎日の動線をスムーズにする設計。

買い物帰りの荷物もそのまま運べて、ベビーカーや自転車の収納にも便利です。

生活に寄り添う実用的な土間が、家族の暮らしを支えてくれます。

7. 光と素材感を楽しむ土間

自然光が差し込むたびに、土間の素材感がやさしく浮かび上がる美しい空間。

床材の質感や陰影の変化が、昼と夜で異なる表情を見せてくれます。

デザイン性と快適性を両立させた、暮らしに彩りを添える土間の好例です。

土間のある家をご希望なら、グランハウスにお声がけください!

土間のある家を建てる際は、間取りや動線・素材の選定まで、ライフスタイルに合わせた細やかな設計力が求められます。

デザイン性だけでなく、実用性や居心地の良さまでを考慮することが大切です。
グランハウスは岐阜/愛知/三重で注文住宅を提供している設計士集団です。

「ハウスメーカーでも工務店でもない、設計士とつくる」からこそ、お客様の想いやこだわりに丁寧に向き合い、ちょっとカッコいい、暮らしやすい家をご提案します。

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