基礎知識・考え方

断熱性能等級7の効果とは?性能の高さや、後悔しないための判断ポイントも

公開:2026.03.19

2022年に新設された「断熱性能等級7」は、国内最高水準の断熱性能を指します。冬暖かく夏涼しい快適な暮らしが叶う一方で、建築コストや設計上の注意点も少なくありません。

・等級7にすると暮らしがどう変わるか知りたい

・高額な費用に見合う価値があるか判断したい

とお悩みになる方も多いでしょう。この記事では、等級7の基準・メリット・選び方のポイントなどを紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

断熱性能等級7の効果

2022年に新設された「断熱性能等級7」は、国内最高水準の断熱性能です。ここからは、断熱等級7を採用すると、どのような効果が見込めるのか、みていきましょう。

 

冬でも室温が下がりにくく暖房負荷が小さくなる

等級7は断熱性能の最高ランク。外気の影響をうけにくく、暖房で一度室内を暖めると、その熱が逃げにくいです。

従来の住宅に比べて熱が逃げにくいので、暖房の設定温度を低めにしても快適に過ごせたり、小さめのエアコン1台で家全体を暖めやすくなったりするなど、暖房負荷を小さくすることができます。

暖房費や寒さによるストレスを抑えて生活できるのは魅力的ですね。

 

夏の暑さがこもりにくく冷房が効きやすい

断熱等級7の家では、外の強い日差しや高い外気温の影響が室内に伝わりにくいです。

暑い日でも、壁・屋根・窓からの熱の侵入をしっかりブロックできるため、冷房の効きがよくなります。

冷房の稼働時間や消費電力を抑えることで光熱費の負担を軽減できますし、外気温との差が小さくなることで帰宅後すぐに涼しい空間でリラックスすることもできますよ。

 

温度差による健康リスクを低減できる

断熱等級7の家では、熱の出入りが少ない構造により、リビングだけが暖かくて廊下・脱衣所・トイレなどが寒いといった不快感が起きにくくなります。

断熱性能が低いと、冬場に暖かいリビングと寒い廊下・脱衣所との温度差が生じやすいため、ヒートショックのリスクが高まります。

また、結露が発生しやすいため、カビやダニが増え、アレルギーや喘息などの原因になることも。

断熱性能を高めた注文住宅であれば、家全体の温度が安定するため、ヒートショックや喘息などのリスクを低減できますよ。

 

光熱費を抑えやすい

断熱等級7の家では、外の暑さや寒さの影響を受けにくく、冷暖房で一度整えた室温を長く保ちやすくなるため、光熱費を抑えやすいです。

特に冬と夏の光熱費にはさが出やすく、住み続けるほどランニングコストの違いを実感しやすいでしょう。初期費用は高くなりがちですが、長期的に見れば家計への負担軽減につながります。

 

断熱性能等級7とは何か

「注文住宅を建てるにあたって、断熱性についても考えなくてはいけなくなった」という方は多いですが、日常生活で断熱性能について考える方はあまり多くはありません。

等級の違いが、実際の暮らしにどう影響するのかを知らないまま家づくりを進めてしまうケースも少なくないのが現実です。ここからは、断熱性能等級1〜7の位置づけ・地域区分による違い・判断基準について紹介します。

 

断熱性能等級1〜7の位置づけ

等級 制度上の位置づけ 備考
等級1 旧基準レベル 現在はほぼ採用されない
等級2 旧省エネ基準相当 現行では性能不足
等級3 次世代省エネ基準未満 現在は推奨されない水準
等級4 2022年までの省エネ基準 2025年以降は最低基準
等級5 ZEH水準 省エネ基準を上回る
等級6 ZEH+相当 高性能住宅水準
等級7 最高等級 HEAT20 G3相当レベル

「断熱性能等級」とは、住宅の断熱性能を1〜7の数字で表した基準です。等級1は最も断熱性能が低く、等級7は最も断熱性能が高くなります。

等級5以上だと、最新の省エネ基準をクリアしており、快適性・省エネ性の点で優れていると判断されます。等級7だとその中でもとくに断熱性が高く、少しの冷暖房で快適さを実感しやすいです。

 

地域区分ごとに基準が変わる

地域区分 主な地域 断熱性能等級
1・2地域 北海道 高断熱が前提。等級6〜7相当を目指すケースが多い
3地域 東北 等級5以上が一般的。寒冷地では6以上も検討される
4地域 関東・北陸 等級5が最低ライン。快適性重視なら6も視野に
5・6地域 中部・近畿・中国 等級5で省エネ基準適合。6は高性能住宅水準
7地域 九州・四国 等級5で基準適合。6以上はにすると付加価値になる可能性も
8地域 沖縄 断熱より日射対策が重要。等級5で十分な場合が多い

断熱性能等級(1〜7)という区分そのものは全国共通です。しかし、北海道のような寒冷地と、九州・沖縄のような温暖地では、求められる断熱性能が大きく異なるため「どのレベルがその地域で適切とされるか」は、地域区分によって異なります。

国では、全国を1〜8の地域区分に分け、それぞれに応じたUA値・ηAC値の基準を設定しています。

寒冷な1〜3地域ではより厳しい断熱性能が求められ、温暖な6〜8地域では比較的緩やかな基準になるので、家を建てる地域の基準に合っているかを確認することが大切です。

参考:http://mlit.go.jp/common/001500182.pdf

 

UA値とηAC値の扱い方

断熱等級を判断するために使用されるのが、UA値(外皮平均熱貫流率)とηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)という2つの数値です。

UA値は家全体の外皮(壁・屋根・窓など)を通して熱の逃げやすさを示す数値で、小さいほど熱が逃げにくく断熱性が高いことを意味します。同様に、ηAC値は暑い時期に太陽の熱が家の中に入りにくいかどうかを示す値で、小さいほど優れた遮熱性能を示します。

断熱等級では、UA値とηAC値の数値が地域区分ごとの基準値を満たしているかどうかで等級が決まります。どちらか一方だけでなく、両方の性能を満たすことで快適性と省エネ性のバランスがとれた住まいになるのです。

 

断熱性能等級7を満たすために必要になりやすい仕様

断熱性能等級7を実現するためには、単に「良い断熱材を使う」だけでは不十分です。

家全体をひとつのシステムとして考え、どこで熱が逃げやすいのか、どんな対策が必要なのかを整理することが欠かせません。ここからは、断熱性能等級7を満たすために必要になりやすい代表的な仕様を紹介します。

 

外皮の断熱強化の方向性

断熱性能等級7を満たすには、まず外皮を断熱する必要があります。外皮とは「壁」「屋根」「床」のこと。

  • 断熱材の厚みを増やす
  • 高性能な断熱材を使う
  • 熱伝導率の低い素材を採用する
  • 断熱材の施工密度を高め、隙間を減らす

などして、ここから逃げる熱をいかに少なくするかが重要です。

 

窓の仕様で差が出やすい

壁や屋根と同じくらい「窓」の性能も重要です。

窓は、家の中でも特に外気の影響を受けやすく、熱が逃げやすい部分。断熱等級7を目指す場合は、複層ガラス(ペアガラス)を採用したり、窓枠自体にも断熱性の高い素材を使ったりするなど、高性能な窓を選ぶことがカギになります。

特に、Low-E(低放射)ガラスやアルゴンガス入りガラスを採用した窓は、室内の熱を外に逃がしにくくし、外の熱を室内に伝えにくくする役割がありますよ。

サッシの気密性が高いと結露のリスクも減り、住まい全体の温熱環境が安定するので、窓選びは慎重に行いましょう。

 

気密と換気をセットで考える

気密性能(C値)と換気システムを適切に整えることも重要です。

気密性能とは、住宅の隙間の少なさを示す数値のこと。小さいほど外気が入りにくく、室内の温度が安定しやすくなります。

断熱性能等級7の家では、断熱性能と同時に気密性能を高めることで熱の逃げ道を減らすことが求められます。しかし、気密性が高くなると、窓やドアのわずかな隙間だけでは十分な空気の入れ替えができなくなるため、計画的な換気システムが必須です。

熱交換型換気システムなどを導入すると、室内の空気を入れ替えながら熱をできるだけ逃がさず、快適で清潔な室内環境を保つことができますよ。換気システムは後から変更・追加できないので、設計時に十分に考えておくことが大切です。

 

断熱性能等級7はどんな人に向いている?

断熱性能等級7は、すべての人に必要な性能ではありません。暮らし方や価値観によって向き・不向きが分かれる性能です。ここからは、断熱性能等級7が特にメリットを発揮しやすい人の特徴を見ていきましょう。

 

寒暖差のストレスを減らしたい人

断熱性能等級7の家は、家の中の温度差が小さくなりやすいのが特徴です。

冬の「廊下が寒い」「脱衣所に行くと冷える」といったストレス、夏の「日中リビングは涼しいけど他の部屋は暑い」といった不快感は、断熱性能が低い住宅でよく起きます。

等級7の家では、外気の影響を受けにくく、室内全体が均一に近い温度で保ちやすくなるため、こうした寒暖差によるストレスが大幅に軽減されます。

体への負担が減り、ヒートショックといった健康リスクの予防にもつながりやすいため、寒暖差が気になる人や健康を気遣いたい人に向いています。

 

在宅時間が長い家庭

最近は在宅ワークをしている方が増え、おうち時間を快適に過ごしたいというニーズが高まっていますね。

断熱性能等級7の家は外気温の影響を受けにくいので、冷暖房効率がよく、一日中快適な室温を保ちやすいです。午前と午後で居住空間が変わったり、休み時間の度にキッチンに向かったりする人でも、冷暖房の設定を頻繁に変える必要がないので快適に生活できます。

光熱費の節約にもつながりやすいため、在宅時間が長い家庭ではメリットを実感しやすいでしょう。

 

長く住む前提で家を建てる人

マイホームは一般的に20年、30年と長く住むことを前提に建てられるものです。

近年は夏季の猛暑や冬の寒波など気候の変動も激しくなっているので、同じ家で長く安心して生活したい方には断熱性能等級7がおすすめです。

断熱性能が高いと住み始めてからの光熱費を抑える効果が長期間続きやすいため、高いコストパフォーマンスも見込めますよ。



断熱性能等級7で後悔しないための判断ポイント

断熱性能等級7は、高性能な住まいを実現できる一方で、内容を十分に理解せずに進めると「思っていたほど快適でない」「費用が想定より高くなった」と感じてしまうこともあります。

ここからは、断熱性能等級7を検討する際に押さえておきたい判断ポイントを解説していきます。

 

等級7か「同等レベル」かを見極める

断熱性能等級7は公的な制度上の区分ですが、住宅会社によっては「HEAT20 G2相当」など別の基準で説明されることもあります。

HEAT20は民間団体が定めた目標水準であり、等級とは制度上の位置づけが異なります。そのため「等級7相当」と説明されていても、実際に公的基準を満たしているとは限りません。

1番大切なのは「地域区分に対して実際のUA値・ηAC値がどの基準をクリアしているか」ですが、断熱等級にこだわりがある場合は、事前に仕様書などをきちんと確認しておきましょう。

 

標準仕様かオプション前提かを確認する

断熱性能等級7を実現するために必要な仕様が標準装備になっているか、オプション扱いなのかを確認することも大切です。

等級7にするために必要な高性能断熱材・高性能窓・気密施工などが基本プランに含まれている工務店もありますが、別途オプション費用が必要になるケースもあります。

見積もり段階で「等級7対応」と書かれていても、実際にはオプション追加でないと基準を満たせない場合も。

後から追加費用が膨らむことを避けるためにも、契約前に標準仕様書やオプションリストをしっかり確認し、断熱材の種類と厚み・窓の性能・気密施工の範囲などがどこまで含まれるのかを把握しておくことが重要です。

 

本当に必要か考える

「断熱性能等級7が本当に自宅に必要か」を考えることも大切です。

断熱性能をあげると、高性能な断熱材・窓・気密施工・換気設備などが必要になるほか、精度の高い設計が求められるため、一般的な住宅より建築コストが高くなる傾向があります。

もちろん生活する上での快適性は上がりますし、光熱費などのランニングコストを下げる効果は期待できますが、初期費用はどうしても高くなるので、自分の地域や生活に必要なのか考えることが大切です。

 

換気方式と冷暖房計画まで含めて考える

断熱性能等級7を実際の暮らしで最大限生かすには、換気方式や冷暖房計画もセットで考える必要があります。

断熱性を高めると家全体の気密性も高くなるため、熱交換型換気システムや計画換気がしっかり設計されていないと、室内の空気がこもりやすくなるリスクがあります。

冷暖房についても、高断熱住宅だからといって適当に選ぶことはおすすめできません。部屋ごとの広さや使用状況に応じて適切な容量や配置を考える必要があります。

冷暖房の効率やコストも含めたトータル計画を設計段階で相談することで、住んでからの後悔を減らすことができますよ。

 

断熱性能で後悔しない家づくりをお考えなら、グランハウスにご相談ください!

この記事では、断熱性能等級の考え方や、後悔しないための判断ポイントについて解説してきました。

断熱性能は高ければ良いというものではありません。地域・暮らし方・予算とのバランスを踏まえて選ぶことが大切です。

グランハウスでは、標準仕様として断熱性能等級5相当を確保しつつ、等級6・等級7も含め、快適性とコストのバランスを重視した住まいづくりをご提案します。

「ハウスメーカーでも工務店でもない、設計士とつくる」からこそ、お客様一人ひとりの想いやこだわりに丁寧に向き合い、性能とデザインを両立した、ちょっとカッコいい暮らしやすい住まいをご提案します。

施工実績は1,000件以上。「断熱性能にこだわった家を建てたい」「長く快適に暮らせる注文住宅を実現したい」とお考えの方は、ぜひ一度グランハウスへお問い合わせください。