家づくりの流れ・スケジュール

注文住宅の見積もりの流れ・タイミングは?施工会社を比較する際のポイントも

公開:2025.11.05

注文住宅は自由にデザインや設備を選べるというメリットがある一方、希望によって大きく価格が変動するので初めて購入される方は「価格がイメージしにくい」と悩んでしまうことも多いです。

この記事では、注文住宅を購入する際の見積もりの流れやタイミングを紹介します。

施工会社を見極めるポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

注文住宅の見積もりは3種類

注文住宅を建てる際、費用を把握するために見積もりを取ることは欠かせません。

見積もりは「ただ金額を知る」ためだけでなく、ハウスメーカーや工務店を比較したり、契約前後の交渉や調整に役立つ重要な資料となります。

注文住宅の見積もりは、大きく「概算見積もり」「詳細見積もり」「最終見積もり」の3種類に分けられます。それぞれ作成されるタイミングや内容が異なるため、以下の表で違いを理解しておきましょう。

種類 タイミング 詳細
概算見積もり ハウスメーカー・工務店を決定する前 間取りやおおよその仕様をもとにした大まかな金額。
複数社を比較するための参考資料として利用される。
詳細見積もり ハウスメーカー・工務店を決定した後 使用する資材や設備、工事の手間など細かい条件を反映。
契約時の基盤となる重要な見積もり。
最終見積もり 契約直前~契約時 打ち合わせで追加・変更された内容を反映した確定金額。
ローン手続きや契約書に記載される最終的な金額。

注文住宅の見積もりの流れ

注文住宅は、建売住宅と違って1から自由にプランを考えられる分、費用の目安をつかみにくいです。

そのため、見積もりの流れを理解しておくこととよいでしょう。見積もりは単に金額を確認するためだけでなく、理想の家づくりを実現するための判断材料にもなります。

ここでは、注文住宅の見積もりがどのように進んでいくのかを、次の「4つのステップ」に分けてご紹介します。

  • 予算を決める
  • 希望条件を決める
  • 施工会社の候補を決める
  • 見積もりを依頼する

順にみていきましょう。

予算を決める

注文住宅の計画を立てるうえで、まず大切なのは予算を明確にすることです。

多くの場合、手持ち資金だけでは足りないため、住宅ローンを利用することになります。

ローンを検討する際は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 毎月いくらなら無理なく返済できるか
  • ボーナスをどの程度、返済に充てられるか
  • 返済期間を何年に設定するか

住宅ローンは長期間にわたるため、月々の返済額が大きすぎると、老後資金や子どもの教育費に影響が出る可能性があります。

将来のライフプランを見据えて、資金計画をシミュレーションしながら無理のない返済計画を立てましょう。

希望条件を決める

予算の目安が立ったら、次は「どんな家を建てたいか」という希望条件を整理します。

家づくりは家族全員の暮らしに関わるため、事前に話し合って方向性を固めておくことが重要です。

決めておきたい主な条件は以下のとおりです。

  • 家族構成に合わせた部屋数や広さ
  • 平屋・2階建て・3階建てなどの階数の希望
  • 耐震性・断熱性・省エネ性能など、こだわりたい住宅性能
  • 間取りの希望(吹き抜け、ウッドデッキ、ビルトインガレージなど)
  • デザインの好み(外観や内装のスタイル)
  • 駐車スペースや必要な台数

さらに土地を新たに購入する場合は、エリアや周辺環境、通勤・通学の利便性なども含めて検討する必要があります。

こうした希望条件を明確にしておくことで、施工会社との打ち合わせもスムーズに進められます。

施工会社の候補を決める

理想の注文住宅を建てるためには、信頼できる施工会社を見つけることが欠かせません。

施工会社を選ぶ際に大切なのは、金額だけでなく、構造・住宅性能・デザイン・対応力といった多面的な視点です。

まずはインターネットや資料請求を利用して情報を集め、構造の違いや特徴を調べましょう。木造・鉄骨・鉄筋コンクリートなど、工法によって耐震性・断熱性・コストは変わります。

さらに、設計力や外観の自由度、標準仕様のグレードなども会社によって異なるため、希望条件に合うかどうかを確認しておくことが大切です。

次に、住宅展示場やモデルハウスの見学をしてみましょう。ただし、モデルハウスは最高級グレードで建てられているケースが多いため、そのまま自分の予算に当てはまるとは限りません。

見学する際は、標準仕様との違いや費用面を確認しましょう。

最終的には、複数社の中から2~3社に絞り込み、見積もりやプランを比較するのがおすすめです。

候補を整理しておくことで、無駄な打ち合わせを減らし、効率的に理想の家づくりに近づけます。

見積もりを依頼する

施工会社の候補を2~3社に絞り込んだら、実際に見積もりを依頼しましょう。

見積もりには「概算」と「詳細」の2段階がありますが、まずは概算見積もりを依頼し、予算や条件に合うかどうかを比較検討するのが一般的です。

複数社から見積もりをとることで、金額だけでなく仕様や標準装備の内容も把握でき、候補をさらに絞り込む材料になります。

このとき大切なのは、希望条件をできるだけ具体的に伝えることです。

予算、建築予定地、間取りの要望、こだわりたい設備やデザインなどを担当者に共有しましょう。

理想に近い写真や間取り図を用意しておくと、イメージが伝わりやすく、精度の高い見積もりを作成してもらえます。

ただし、あまり多くの会社に依頼すると要望を伝えるだけで大変になり、内容のチェックも難しくなります。

そのため、自分の条件に合いそうな2~3社に絞って依頼するのが効率的です。

見積もりの内容を丁寧に比較し、納得できる会社を選ぶことが、後悔のない家づくりにつながります。

注文住宅の見積もりに記載される内容は?

注文住宅の見積もりには建物本体を建てる費用だけでなく、保険や申請にかかる費用、土地や設備に応じて必要となる工事費などさまざまな項目が含まれています。

広告でよく目にする「坪単価」や「建物価格」だけを参考にしてしまうと、実際に必要な費用との差に驚いてしまうことも少なくありません。

ここでは、見積もりに必ず記載される主要な項目を整理してご紹介します。

大きく分けると 「建築費(本体工事費)」「諸費用」「別途工事費用」 の3つがあり、それぞれ性質や金額の目安が異なります。

まずは注文住宅の費用の中心となる 建築費(本体工事費) から見ていきましょう。

建築費(本体工事費)

建築費(本体工事費)とは、その名の通り建物本体を建てるために必要な費用です。

見積もり総額の中でも大部分を占めており、一般的には全体の7〜8割ほどにあたります。

具体的には、基礎工事や柱・梁といった躯体工事、屋根や外壁の施工、窓やドアなどの建具工事、さらに内装仕上げやキッチン・浴室・トイレなどの住宅設備、電気配線や給排水の配管工事といった内容が含まれます。

ただし、どこまでを「本体工事費」に含めるかは建築会社によって異なるため、内訳を確認しておくことが大切です。

また、住宅会社の広告で「●●万円で家が建つ」といった金額表示を見かけることがありますが、その多くは建築費(本体工事費)のみを指しており、外構工事や諸費用は含まれないのが一般的です。

建築費は「坪単価(建築費 ÷ 延床面積)」で表されることが多く、比較の目安にはなりますが、実際には付帯工事費や諸費用を含めた総額を見ないと正しい費用感はつかめません。

建築費だけで家が完成するわけではない点を理解しておきましょう。

諸費用

諸費用とは、建築費や付帯工事費とは別に発生する費用のことを指します。

総額としてはおおよそ 100〜150万円程度。全体の見積もり金額の 5〜10%ほど を占めるケースが一般的です。

初回の見積もりでは十分に反映されていないこともあるため、きちんと確認することをおすすめします。

主な諸費用の例は次の通りです。

  • 工事請負契約書の印紙代
  • 住宅ローン契約にかかる諸費用(事務手数料・保証料など)
  • 火災保険料・地震保険料
  • 水道負担金(新たに水道を引き込む場合)
  • 登記費用(所有権保存登記・抵当権設定登記など)
  • 地盤調査費用
  • 建築確認申請費用
  • 不動産取得税
  • 地鎮祭費用(希望する場合)

基本的には自己資金でまかなうのが理想ですが、金融機関によっては諸費用も含めて借りられる住宅ローン商品もあります。

どのような費用が含まれているか、見積もり時に確認しておくと安心です。

別途工事費用

別途工事費用とは、建築本体工事や諸費用以外に発生する費用のことを指します。

最終的に 100万円以上かかるケースが多く、土地の条件や建物の設計内容によって変動します。

初回の見積もりでは金額が概算だったり、記載されていなかったりする場合もあるため、注意が必要です。

主な別途工事費用の内容は以下の通りです。

  • 給排水工事:敷地内に給水管・排水管を引き込むための工事
  • 外構工事:門や塀、駐車場、庭など。専門の造園業者に依頼する場合もある
  • 地盤改良工事:地盤が軟弱な場合に必要となり、50万~200万円かかることもある
  • 照明・カーテン工事:選ぶ製品によって費用差が出る
  • エアコン工事:エアコン本体の購入費に加え、取り付けや配管工事などの設置費用が発生する
  • 太陽光発電設備の設置工事:太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの設置費用。導入規模によって金額が変動する
  • 取り壊し工事費:建て替えの場合に発生
  • 設計費用:設計事務所に依頼する場合は別途必要(ハウスメーカーは工事費に含まれることが多い)

特に地盤改良工事は、地盤調査の結果次第で費用が変わるため、事前に正確な金額を把握するのは難しい部分です。

地盤が強ければ費用はかかりませんが、軟弱な場合は高額になる可能性もあるため、余裕を持った資金計画を立てておくことが重要です。

施工会社を比較する際のポイント

注文住宅を建てるとき、どの施工会社に依頼するかで見積もりが変わってきます。

また、見積もりの金額だけにとらわれず、条件や会社の対応力などを比較することで、理想の家づくりに近づけます。

ここでは、施工会社を比べる際に押さえておきたい4つのポイントを解説します。

見積もりの条件は揃える

複数の施工会社に見積もりを依頼する際は、必ず同じ条件で依頼することが重要です。

たとえば「延床面積30坪」「木造2階建て」「オール電化」といったように、できるだけ具体的な条件を統一しましょう。

条件が異なると、提示された金額に差が出ても何が原因なのかがわからず、単純比較ができません。

また、設備のグレードや標準仕様に違いがある場合も多いため「キッチンはシステムキッチンで食洗機付き」など、要望を明確にして伝えることが大切です。

条件を揃えることで、各社の見積もり内容や提案力を公平に比較でき、判断を誤るリスクを減らせます。

できるだけ幅広い施工会社に依頼する

比較する施工会社は、最初から1〜2社に絞り込むのではなく、大手ハウスメーカーから地域密着の工務店まで幅広く依頼するのがおすすめです。

大手は安心感や住宅性能に強みがある一方で、コストが高めになる傾向があります。

一方、地元工務店は価格を抑えられる場合が多く、柔軟な対応力や設計の自由度が魅力です。

こうした特徴を知るためには、最初に5〜6社程度の会社から情報を集めてみるとよいでしょう。

最初に選んだ複数の会社の中から自分の予算や希望に合う2〜3社に絞り込み、詳細な見積もりやプランを依頼する流れが効率的です。

幅広く比較することで、自分たちにとって「コスト・性能・デザイン」のバランスが取れた施工会社を見つけやすくなりますよ。

見積もりが変動する可能性を確認する

注文住宅の見積もりは、最初に提示された金額で確定するわけではありません。

打ち合わせを進める中で、設備のグレードを上げたり、追加工事が必要になったりすると、金額が変動する可能性があります。

特に注意したいのが「地盤改良工事」や「外構工事」など、初回の見積もりに含まれていないことが多い費用です。

「地盤改良工事」や「外構工事」などは土地の状況や設計内容によって費用が変わり、数十万円〜数百万円の追加になることもあります。

そのため、見積もりを受け取ったら「何が含まれていて、何が含まれていないのか」「どこに追加費用が発生する可能性があるのか」を必ず確認しましょう。

事前に把握しておけば、予算オーバーで慌てるリスクを減らせます。

見積もりから提案までの対応を確認する

施工会社を選ぶ際には、金額の比較だけでなく「担当者の対応力」や「提案力」も大切な判断基準です。

こちらの希望や悩みに対して、真摯に耳を傾けてくれるか、また予算の範囲内で工夫したプランを提案してくれるかは、信頼できる施工会社を見極めるポイントになります。

たとえば「この設備を導入したい」と伝えたときに、単に「できます」と答えるだけでなく、メリット・デメリットや代替案まで提示してくれる会社は安心感があります。

また、質問に対して迅速かつ丁寧に答えてくれる姿勢も重要です。

家づくりは完成まで1年以上かかることもある長期的なプロジェクトです。

担当者との信頼関係を築けるかどうかが、満足度の高い家づくりにつながります。

注文住宅の購入をお考えなら、グランハウスにご相談ください!

注文住宅の見積もりの際は、複数の施工会社から見積もりを取り、条件を揃えて比較することが大切です。

また、見積もり金額だけでなく、担当者の対応力や提案力、追加費用の可能性なども含めて慎重に判断しなければなりません。

しかし「どこまでが見積もりに含まれているのか」「本当にこの金額で建てられるのか」といった不安は、初心者の方にはわかりにくいものです。そんなときこそ、私たちグランハウス にご相談ください。

グランハウスは岐阜/愛知/三重で注文住宅を提供している設計士集団です。

「ハウスメーカーでも工務店でもない、設計士とつくる」からこそ、お客様の想いやこだわりに丁寧に向き合い、ちょっとカッコいい、暮らしやすい家をご提案します。

施工実績は1,000件以上。「より良い家づくりをしたい」「岐阜で注文住宅を建てたい」とお考えの方は、ぜひグランハウスに一度お問い合わせください。