基礎知識・考え方

注文住宅で後悔した事例18選|失敗しない家づくりのコツは?

公開:2025.10.03

「せっかくの注文住宅で後悔はしたくない」「過去の失敗例を知って、家づくりに活かしたい」注文住宅は自由度が高いからこそ、細かな選択の積み重ねで満足度が大きく変わります。

本記事では、キッチン・玄関・リビング・お風呂など、よくある後悔ポイントを具体的な事例付きで紹介。失敗しないためのチェックポイントや、将来を見据えた間取りの考え方も解説しています。納得の家づくりをしたい方はぜひ参考にしてみてください。

注文住宅で後悔した事例:キッチン

キッチンは毎日使う場所だからこそ、注文住宅で後悔が多いポイントのひとつです。間取りの工夫が足りなかったり、収納が使いにくかったりと、小さな見落としが積み重なって使い勝手の悪い空間になってしまうことも。

ここではキッチンにおける代表的な3つの失敗例とその対策を紹介します。

キッチンのスペースが足りなかった

人気の対面キッチンを採用したものの「ゴミ箱を置く場所がない」「通路が狭くて2人で使いづらい」といった声は意外と聞かれます。

対策としては、あらかじめ冷蔵庫・食器棚・ゴミ箱・家電など、キッチンに置く予定のアイテムをリスト化しておき、それぞれの配置とサイズをシミュレーションすること

特に、キッチン背面の通路幅は85cm〜100cmを目安にすると、ストレスなく通れる広さを確保できます。

キッチンの高さが身長に合っていなかった

「見た目は気に入ったのに、使ってみたら腰が痛くなる」という後悔もよくあります。原因は、キッチンの天板の高さが自分の身長に合っていないこと。

目安としては、身長(cm)÷2+5cmが理想のキッチン高さとされています。たとえば身長160cmなら85cmの高さが適切です。
実際にショールームなどで立ってみて、調理姿勢を確認すると安心です。

収納の奥行きが深すぎて使いにくかった

収納力を重視して奥行きのある収納を採用した結果「奥のものが取り出しにくい」「何を入れたか忘れる」といった使い勝手の悪さに悩まされることもあります。

キッチン収納は「奥行き」よりも「間口」が広い方が出し入れしやすく、使いやすい傾向にあります。もし奥行きの深い収納を採用するなら、引き出し式の収納やスライドトレーを選ぶと、奥の物もスムーズに取り出せるようになります。

注文住宅で後悔した事例:玄関

玄関は「家の顔」ともいえる重要な空間です。来客の第一印象を左右するだけでなく、家族が毎日使う場所でもあるため、利便性や快適性を考えないと、住み始めてから後悔することが多くなります。

ここでは、玄関における代表的な3つの失敗例とその対策をご紹介します。

収納スペースが足りなかった

玄関で最も多い後悔が「収納が少なかった」というものです。特に子育て世代では、ベビーカー・外遊び用のおもちゃ・スポーツ用品など、靴以外にも収納するものが多く、置き場所に困ることがあります。

対策としては、玄関に収納したいものをあらかじめリストアップし、シューズクロークやコートクロークを設けるのがよいでしょう。土間収納を設ければ、雨具・ベビーカー・アウトドア用品・ガーデニング用品・自転車などを家の中に持ち込まずに済むので、清潔感も保ちやすくなります。

照明スイッチの位置が悪かった

「照明のスイッチが遠すぎて、暗い玄関を手探りで進まなければならない」というのも、後悔の残りやすいポイントです。特に荷物を持っているときや、小さなお子様を連れているときは不便を感じやすくなります。

対策としては、玄関を開けてすぐ手の届く位置にスイッチを設置すること。さらに便利なのが、人の動きを感知して自動で点灯する「人感センサー付き照明」です。スイッチ操作の手間がなく、夜間の帰宅時にも安全に足元を照らしてくれます。

鏡をつければよかった

「出かける直前に全身をチェックできる鏡がなくて不便だった」と後悔する人も多いです。姿見は、毎日の身だしなみチェックやコーディネート確認にとても役立ちますし、設置するだけで空間を広く見せる効果も期待できます。

スペースに余裕があれば、シューズクローク内に縦長の鏡をつけたり、下駄箱の扉を鏡張りにしたりするのがおすすめです。見た目もスタイリッシュになり、機能性とデザイン性を両立できます。

注文住宅で後悔した事例:リビング

リビングは家族が集まり、もっとも長い時間を過ごす大切な場所です。そのため、多くの方がこだわって設計しますが、実際に暮らしてみると「こうしておけばよかった」と後悔が多くなる場所でもあります。

ここでは、リビングにおける代表的な3つの失敗例とその対策をご紹介します。

窓が大きすぎて収納スペースがなくなった

明るく開放感のあるリビングにしたいと、大きな窓を設けた結果、壁が少なくなって収納棚を置けず後悔するケースがあります。特に、子どもの成長にともなってランドセルや学用品、おもちゃなどをリビングに置くようになると、収納スペースが足りないことを痛感します。

対策としては、採光と収納のバランスを考えることが大切です。窓のサイズや位置を調整しつつ、必要に応じて造り付け収納や壁面収納を計画段階で取り入れると、見た目と使い勝手の両立が可能になります。

床暖房をつけたけど使わなかった

「せっかくだから」と床暖房を設置したものの、実際にはあまり使わなかったという後悔も少なくありません。理由は、光熱費がかかる・ソファやラグに覆われて暖かさを感じにくいといったもの。また、エアコンの方が効率的に部屋全体を暖められるという声もあります。

床暖房は全体に設けるのではなく、必要なエリア(たとえばキッチンの足元)に限定して設置することで、コストと実用性のバランスが取れます。事前に「本当に床暖房が必要か?」「どの場所にあると嬉しいか?」をシミュレーションしておくことが重要です。

吹き抜けが寒すぎて失敗した

吹き抜けのあるリビングは、おしゃれで開放感もあり人気ですが、実際に住んでみると「冬場は寒い」「冷暖房が効かない」という後悔が目立ちます。暖かい空気は上に逃げる性質があるため、1階がなかなか暖まらないのです。

対策としては、断熱性を高めること・シーリングファンの設置が効果的です。空気を循環させて上下の温度差を減らすことで、冷暖房効率を改善できます。吹き抜けを採用するなら、デザイン性だけでなく温熱環境の工夫も一緒に考えることが大切です。

注文住宅で後悔した事例:お風呂

お風呂は、1日の疲れを癒す大切な空間です。しかし、設備や間取りの選び方を間違えると、快適さが損なわれてしまい「こんなはずじゃなかった」という後悔につながることも。

ここではお風呂における代表的な3つの失敗例と、その対策を紹介します。

玄関とお風呂場の距離が遠くて不便だった

外から帰ってきた後、汚れた体や足のままで家の中を通ってお風呂場に向かうと、廊下や床が泥だらけになってしまうというのは、小さなお子さんやペットがいる家庭でよくあることです。

特に雨の日や外遊びの後は、できるだけ早くお風呂に直行できる動線があると便利です。対策としては、玄関から洗面所・お風呂場までのルートを短くするか、玄関から直接洗面所に入れるようなプランを採用すると、汚れを最小限に抑えることができます。

ただし、脱衣所が玄関から見えないようにする配慮も忘れずに設計しましょう。

オプションをつけすぎて使わなかった

お風呂にテレビやスピーカーなど、便利そうなオプションをつけたものの、実際にはあまり使わなかったという声は多く聞かれます。特に家族構成が変わったり、子どもが成長すると、入浴時間が短くなって活用しないケースも。

設置前には「日常的に使うかどうか」「5年後・10年後も使っていそうか」といった長期的な視点での使用イメージを持つことが大切です。予算に余裕があっても、「あれば便利」と「なくても困らない」は紙一重。慎重に取捨選択しましょう。

掃除や家事のしやすさを考えていなかった

お風呂は毎日使う場所だからこそ、掃除や家事動線に配慮していないとストレスが溜まりやすくなります。たとえば、壁をタイル張りにしたことで目地のカビ掃除が大変になったり、洗濯物の収納場所がなくて洗面所が常にごちゃごちゃしてしまったりすることも。

掃除しやすさを重視するなら、ツルっとしたパネル素材の壁面や床を選ぶとお手入れが簡単です。また、洗面所内にバスタオルや下着を収納できる棚や引き出しを設けると、動線がスムーズになり時短にもつながります。

さらに、洗濯→干す→収納の動線を短くすることで、毎日の家事負担を減らすことができます。2階に洗濯物を干しに行く必要がある場合は、1階に物干しスペースを設けたり、乾燥機の導入も検討したりするとよいでしょう。

注文住宅で後悔した事例:収納

収納の計画は、注文住宅における見落としがちな落とし穴です。間取りに夢中になるあまり、収納場所の位置や量を深く考えずに設計してしまうと、日々の暮らしに不便さが残ります。

ここでは、収納における代表的な3つの失敗例とその対策をご紹介します。

使う場所の近くに収納を作らなかった

収納スペース自体は確保できていても、使いたいときに手が届かない場所にあると不便に感じてしまうことがあります。たとえば、掃除機をかけたいのに、毎回玄関の収納まで取りに行くというような状況です。

収納の基本は「使う場所の近くにしまう」こと。掃除道具はリビングの近く・タオルは洗面所のすぐ横・日用品のストックはキッチンそばに配置するなど、生活動線と収納をセットで考えることが重要です。家電や掃除道具など、日常的に使うアイテムをリストアップし、使う場所と収納場所をマッチさせておきましょう。

ウォークインクローゼットが意外と使いにくかった

「たくさん収納できそう」と人気のウォークインクローゼットですが、実際には通路スペースを確保しなければならないため、想像よりも収納量が少なかったという声も多く聞かれます。

一方で、壁面収納はデッドスペースが少なく、限られた空間でも効率よく収納できるというメリットがあります。特に部屋が狭い場合は、扉を開けるだけで物が取り出せる壁面収納の方が便利なケースも。

「収納量」と「使いやすさ」を両立させるには、クローゼットのタイプだけでなく、中の棚やハンガーパイプの配置も含めてプランニングするのがポイントです。

屋根裏収納が不便で使わなくなった

「とりあえず収納を増やそう」と屋根裏収納を作ったものの、ハシゴでの昇降が大変だったり、夏は暑くて入れなかったりして、結局使わなくなってしまったという失敗もあります。

特に取り出す頻度が高い物を屋根裏にしまうと不便さが増すため注意が必要です。

どうしても屋根裏を活用したい場合は、換気口や断熱処理をきちんと行い、出し入れしやすいように工夫すること。また「普段あまり使わない季節物の収納」など、使用頻度の低い物専用スペースとして割り切るのもひとつの方法です。

注文住宅で後悔した事例:屋外

注文住宅というと、どうしても間取りや内装など「屋内」にばかり目が行きがちです。しかし、実は「屋外」での後悔も多く見られます。駐車場・外観・ウッドデッキなど、暮らし始めてから気づく不便さや使いにくさも多いため、事前にポイントを押さえておくとよいでしょう。

ここでは、屋外における代表的な3つの失敗例とその対策をご紹介します。

駐車場・駐輪場が狭くて不便だった

家族構成や車のサイズが変化することを想定せずに、コンパクトな駐車場を作ってしまい「ミニバンに買い替えられなかった」「車のドアが十分に開かない」などの後悔はよくあります。

駐輪場も同様で、奥まった場所に自転車を置くと、手前の自転車を動かさないと奥の自転車が取り出せないというストレスがでてきます。

不便さを防ぐためには、現在の車・自転車のサイズだけでなく、将来の変化も見越した設計が必要です。具体的には、駐車スペースの幅を2.5m〜3m、奥行きを5m以上確保するのが安心です。駐輪場も横並びで全台出し入れできるよう、動線の広さに配慮したレイアウトを心がけましょう。

外から丸見えのウッドデッキやベランダで使えなかった

「おしゃれなウッドデッキをつくったのに、道路から丸見えで使えない」「ベランダでくつろごうと思ったら、隣家からの視線が気になった」など、外部からの視線に配慮しなかったことによる後悔も少なくありません。

せっかく屋外空間を設けるなら、周囲からどう見えるかを現地で確認しながら設計することが重要です。具体的には、目隠しフェンスの設置・配置の工夫・植栽を活用する方法もあります。

また、パースや図面だけでは分かりにくいため、現地で立ってみて「ここに座ったら見える?」「フェンスはどのくらいの高さが必要?」など、実際の視点でイメージを持つことがポイントです。

外観や外構のデザインが甘かった

注文住宅の外観は、住まい全体の印象を左右する大切な部分です。ところが、「図面ではちょうど良いと思った色が完成してみたら周囲と合っていなかった」「外壁が派手すぎて浮いてしまった」といった後悔をしてしまうことも。理由はカラーサンプルと実物の見え方が異なるケースがあるからです。

また、外構の草むしりや剪定が思った以上に手間だったという声もあります。デザイン重視で芝や土スペースを広く取ってしまうと、管理の手間がかかるだけでなく、雑草や落ち葉で外観が悪くなる原因にもなります。

外観や外構のデザインに対する後悔を防ぐには、メンテナンス性と調和性のバランスを考えたデザインが必要です。具体的には、周囲の住宅との色の調和を確認したり、防草シートや砂利、手入れがラクな植栽を選んだりなどの工夫を加えると、暮らしやすさが格段にアップします。

後悔しない注文住宅づくりのポイント

注文住宅は「自由に設計できる」という魅力がある反面、準備や判断をしておかないと、完成後に「こうすればよかった」と後悔することにもなりかねません。

ここでは、後悔を防ぐために押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。

正確な資金計画を立てる

理想の家づくりを実現するには、まず「現実的な予算」を把握することが欠かせません。資金計画を曖昧にしたまま進めると、途中で予算オーバーになり、妥協を重ねることになります。

資金計画では、住宅ローンの借入可能額だけではなく、無理のない返済額をベースに考えましょう。年収や生活費、将来の教育費なども踏まえた上で、余裕のある予算配分が大切です。

また、建物本体の費用以外に、外構工事費・登記費用・引っ越し費用・家具家電の購入費なども忘れずに。見落としがちな「諸費用」も含めてシミュレーションすることで、安心して家づくりを進められます。

条件に優先順位を付ける

「収納もたくさん欲しい」「キッチンは広く」「吹き抜けも付けたい」など、希望を詰め込みすぎると、予算も設計もバランスを崩してしまいます。

そのためには、家族で話し合いながら、「絶対に譲れない条件」と「できればあったらいい条件」に分けて整理しておくことが大切です。

たとえば、子育て中の家庭であれば「生活動線」や「玄関から洗面所までの距離」が優先になるかもしれませんし、老後を見据えるなら「1階に寝室がある間取り」が重視されることもあるでしょう。

条件を仕分けることで、限られた予算や敷地の中でも満足度の高い住まいを実現できます。

ライフスタイルの変化を見据えた間取りを考える

注文住宅は「今」だけでなく、「将来」まで見据えて間取りを考えることがとても大切です。家族の成長や働き方の変化、老後の過ごし方などを想定せずに間取りを決めてしまうと、数年後に不便を感じることになりかねません。

たとえば、子ども部屋は仕切れるように設計しておけば、成長に合わせて使い方を変えられます。逆に、子どもが独立したあとは、趣味の部屋や在宅ワークスペースに転用することも考えられます。

また、将来リフォームや二世帯住宅化も視野に入れるなら、水回りや階段位置の自由度を確保しておく設計もポイントです。

ライフスタイルは年齢とともに変わるもの。「今」と「将来」の両方に柔軟に対応できる間取りを検討しておくことで、長く快適に暮らせる家づくりができます。

岐阜・愛知・三重の注文住宅はグランハウスへご相談ください

注文住宅で後悔しないためには、事前の準備と計画が大切です。収納や間取り、外観・外構など、細部にまでこだわることで、暮らしやすさと満足度が大きく変わります。特にライフスタイルの変化を見越した間取りや、将来のリフォームも視野に入れた家づくりが後悔を防ぐカギとなります。

グランハウスは岐阜/愛知/三重で注文住宅を提供している設計士集団です。

「ハウスメーカーでも工務店でもない、設計士とつくる」からこそ、お客様の想いやこだわりに丁寧に向き合い、ちょっとカッコいい、暮らしやすい家をご提案します。

施工実績は1,000件以上。「より良い家づくりをしたい」「岐阜で注文住宅を建てたい」とお考えの方は、ぜひグランハウスに一度お問い合わせください。