デザイン・外観・内装
注文住宅のキッチンを徹底解説|種類や選び方・注文住宅キッチンの実例も
公開:2025.10.17
「注文住宅を検討しているが、キッチンの種類が多くて迷う」「完成してから後悔したくない」
注文住宅を建てる際にこのような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?注文住宅のキッチンは選択肢が多いため、適切に選択しないと住んでからの後悔につながります。
この記事では、注文住宅キッチンの基礎知識と選び方のポイントを徹底解説します!注文住宅キッチンの実例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
注文住宅キッチンの発注方法
注文住宅で理想のキッチンを実現するには、まず「どのタイプを採用するか」を決めることが大切です。代表的なのは、機能性とコストバランスに優れたシステムキッチンと、デザインや寸法を自由に設計できる造作キッチンの2種類。
システムキッチンと造作キッチンの特徴やメリットを知って、自分のライフスタイルや予算に合ったキッチンを選びましょう。
システムキッチン
システムキッチンは、シンク・調理台・コンロが一体となった、現代の注文住宅で主流のキッチンスタイルです。
レイアウトやサイズは規格化されており、間取りに合わせて最適な寸法を選ぶ「セミオーダー方式」が基本。各メーカーから多彩なデザインや機能が展開されており、食洗機・オーブン・浄水器などのオプション追加も可能です。選ぶグレードや装備によって、価格や使い勝手が変わります。
造作キッチン
造作キッチンは、部材や調理機器を一から選び、自由に組み合わせて作るフルオーダー型のキッチンです。
間取りや家事動線に合わせたサイズ設計が可能で、素材やデザインも内装に合わせて選べるため、世界にひとつだけのオリジナル空間が実現します。コストはシステムキッチンより高めですが、作業台だけを造作するなど、組み合わせで予算調整も可能です。
注文住宅キッチンのレイアウトの種類
注文住宅のキッチンは、レイアウト次第で日々の使い勝手や暮らしの雰囲気が変わります。代表的なのは、開放感あふれるオープンキッチンと、落ち着いて作業ができる独立キッチン。オープンキッチンと独立キッチンにはそれぞれメリットとデメリットがあり、ライフスタイルや家族構成によって向き・不向きも異なります。
まずは下の表で特徴を比較し、自分に合ったレイアウトをイメージしてみましょう。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
オープンキッチン | ・家族やゲストと会話しながら料理ができる ・開放感があり明るい空間になる |
・においや音が広がりやすい ・手元や作業中の様子が見えやすい |
独立キッチン | ・調理中の様子が隠せる ・においや煙が広がりにくい ・料理に集中できる |
・閉鎖的で家族との会話が減りやすい ・空間が暗くなりやすい |
オープンキッチン
オープンキッチンとは、リビングやダイニングと仕切りなくつながった開放的なキッチンのこと。別名「対面キッチン」とも呼ばれ、料理をしながら家族やゲストと会話を楽しめるのが魅力です。
広がりのある空間演出ができるため、明るく開放感のあるLDKを求める方に人気のレイアウトです。一方で、調理中のにおいや音が広がりやすいため、換気や収納計画が重要になります。
独立キッチン
独立キッチンは、壁やドアで仕切られた個室タイプのキッチンで、料理に集中できる落ち着いた空間が魅力です。リビングやダイニングから調理中の様子や散らかった手元が見えにくく、においや煙も広がりにくいため、来客時にも安心。
趣味の部屋のように自分好みにアレンジできる点もメリットです。ただし、閉鎖的になりやすく、家族との会話や様子が確認しづらい点はデメリットとなります。
注文住宅キッチンの設置場所
キッチンの設置場所は、日々の家事動線や家族とのコミュニケーションの取りやすさに影響します。注文住宅では、代表的なスタイルとして「壁付けキッチン」と「対面キッチン」があります。
壁付けキッチンと対面キッチンにはそれぞれ異なるメリット・デメリットがあるため、間取りや暮らし方に合わせて選ぶことが大切です。下記の表で特徴を比較しながら、自分のライフスタイルに合う設置場所を検討してみましょう。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
壁付けキッチン | ・省スペースで設置できる ・部屋の広さを有効活用できる ・配膳動線が短く効率的 ・調理に集中しやすい |
・リビングやダイニングから丸見えになりやすい ・収納や家電スペースの確保が難しい場合がある |
対面キッチン | ・家族やゲストと会話しながら調理できる ・開放感のある空間が作れる ・手元を隠せる設計も可能 ・収納や作業スペースを広く確保しやすい |
・広いスペースが必要 ・生活スペースを圧迫することがある ・家具配置によっては配膳動線が長くなる |
壁付けキッチン
壁付けキッチンは、調理スペースを壁に沿って設置するスタイルで、I型やL型といったレイアウトが代表的です。
壁際に配置するため、省スペースで設置でき、部屋の広さを有効活用できるのが魅力。ダイニングテーブルがすぐ後ろにある間取りでは、振り返るだけで配膳でき、家事動線も短く効率的です。また、視線が壁に向くため調理に集中しやすい点もメリットです。
一方で、キッチンがリビングやダイニングから丸見えになるため、来客時には片付け状況が気になることも。さらに、収納や家電スペースの確保が間取りによっては難しい場合があります。採用しやすいレイアウトですが、収納計画や見せ方の工夫が必要です。
対面キッチン
対面キッチンは、リビングやダイニングに向かって調理できるレイアウトで、家族やゲストとのコミュニケーションが取りやすいのが最大の魅力です。
I型、Ⅱ型、L型、U型、アイランド型など複数のスタイルがあり、開放感のある空間づくりが可能。手元を隠せる設計にすれば、来客時も安心して対応できます。また、作業動線や収納スペースを広く確保しやすい点もメリットです。
一方で、設置には広いスペースが必要で、間取りによっては生活スペースを圧迫することも。家具配置によっては配膳の動線が長くなりがちなため、事前のレイアウト計画が重要です。
注文住宅キッチンの形は主に5種類
キッチンの形は、調理のしやすさや収納力、空間の見え方に影響します。注文住宅では、間取りや家事動線、デザインの好みに合わせて選べるレイアウトが豊富にあり、その中でも代表的なのが次の5種類の形です。
- I型キッチン
- L型キッチン
- 二列型キッチン
- ペニンシュラ型キッチン
- アイランド型キッチン
それぞれにメリットとデメリットがあるため、ライフスタイルやスペースに合った形を選ぶことが大切です。ここからは、主な注文住宅キッチンの形について詳しく見ていきましょう。
I型キッチン
I型キッチンは、シンク・コンロ・作業スペースが一直線に並ぶ、もっともシンプルでベーシックなレイアウトです。
壁付け・対面のどちらにも対応でき、省スペースで設置できるため、LDKの空間を広く使えるのがメリット。また、構造がシンプルな分、比較的コストを抑えやすいのも魅力です。
一方で、すべての作業スペースが一列に配置されるため、調理中の移動距離が長くなりがちです。複数人で同時に料理をする場合、すれ違いがしにくい点には注意が必要です。
L型キッチン
L型キッチンは、シンクとコンロをL字型に配置したレイアウトで、作業効率と収納力を両立しやすいのが特徴です。
左右のワークスペースにバランスよくシンクとコンロを置くことで、移動距離が短くなり、効率的に調理できます。さらに、キャビネットの設置面積が広くなるため、収納量をたっぷり確保でき、必要な道具や食材にもサッと手が届きます。
一方で、I型キッチンよりも広い設置スペースが必要となるため、間取りによってはLDKの空間を圧迫する可能性があります。
二列型キッチン
二列型キッチンは、シンクとコンロを向かい合わせの2列に分けて配置するレイアウトで、「セパレートキッチン」とも呼ばれます。調理スペースが広く確保でき、作業動線も短く効率的なため、料理やお菓子づくりなどをじっくり楽しみたい方に人気です。
一方で、設置には広いスペースが必要となり、キッチン本体の費用も高額になりやすい点がデメリットです。間取りや予算に余裕がある場合に検討したいスタイルです。
ペニンシュラ型キッチン
ペニンシュラ型キッチンは、左右どちらか一方が壁に接している対面式レイアウトで、その形が半島(ペニンシュラ)のように見えることから名付けられました。正面に壁を設けず開放感を重視できるため、料理をしながらリビングやダイニングの家族と自然に会話ができるのが魅力です。
ただし、吊戸棚を設置しない場合は収納量が減る傾向があるため、背面のカップボードやパントリーなどで補う工夫が必要です。
アイランド型キッチン
アイランド型キッチンは、キッチンの左右に通路を設け、ぐるりと一周できる開放的なレイアウトです。動線効率が高く、複数人で同時に調理や配膳がしやすいため、料理好きやホームパーティーを楽しむ家庭に人気があります。
さらに、キッチン本体が周囲からよく見えるため、デザイン性を生かしておしゃれな空間を演出しやすいのも魅力です。
一方で、ほかのレイアウトに比べて広い設置スペースが必要になり、リビングからキッチン内部が丸見えになるため、生活感を隠す工夫が欠かせません。
注文住宅キッチン選びのポイント
理想の注文住宅キッチンをつくるには、デザインやレイアウトだけでなく、日々の使いやすさを左右する細かなポイントも押さえておくことが大切です。
作業スペースや本体サイズ、家事動線、収納量、家電やゴミ箱の配置、そしてコンロの種類など、事前に確認しておくべき項目は多岐にわたります。ここからは、失敗しないキッチン選びのための具体的なチェックポイントを順に見ていきましょう。
作業スペースの広さを確認する
キッチン選びでは、調理や下ごしらえを行う作業スペースの広さが使い勝手を左右します。シンクやコンロの配置、キッチン全体の幅や奥行きによって確保できるスペースは異なり、最近はシンクの大型化で作業スペースが狭くなるケースもあります。
実際にモデルハウスやショールームでキッチンに立ち、スムーズに動けるかを確認することが大切です。メーカーやグレードによっては、ワークトップを広げたり、シンク上を作業台として活用できるオプションも用意されています。
実際に本体サイズを確認する
キッチンのワークトップ(調理台)の高さや奥行きは、一般的な標準寸法がありますが、実際に快適に使えるかは人それぞれ異なります。
モデルハウスやショールームで実際に立ち、姿勢や動きやすさを確かめてから決めることが大切です。その際、スリッパやキッチンマット、まな板の厚みなど、日常と同じ条件を再現して試せば、使い勝手のギャップによる後悔を防げますよ。
作業動線を確認する「ワークトライアングル」
キッチンの使い勝手を左右するのが、シンク・コンロ・冷蔵庫の位置関係を示す「ワークトライアングル」です。この3点を結んだ三角形がコンパクトでバランス良くまとまっていると、食材を取り出す→洗う→切る→加熱するといった一連の作業がスムーズになります。
理想的な距離はそれぞれの辺が120〜270cm以内で、三角形が正三角形に近いほど効率が上がります。通路幅や家事スタイルも考慮しながら、図面やモデルハウスで動線をシミュレーションし、快適に調理できる配置を確認しましょう。
調理家電やゴミ箱の置き場を考える
キッチンを快適に使うためには、調理家電の配置とコンセント位置、そしてゴミ箱の置き場所を事前に計画することが重要です。
電子レンジや炊飯器など常設する家電は、収納場所の近くにコンセントを設置し、延長コードを使わずに済むようにしましょう。ワークトップ付近にもコンセントがあると、ハンドミキサーやフードプロセッサーなどの使用がスムーズになります。
また、ゴミ箱はキッチンの見た目や動線を妨げない位置に配置するのが理想です。キャビネット内やシンク下に専用スペースを設ければ、生活感を隠しつつ動線もスッキリ。収納とデザインを統一できる造り付けカップボードを採用すれば、家電やゴミ箱の配置計画が効率的になります。
IHクッキングヒーターorガスコンロの選び方
キッチンづくりでは、コンロをIHにするかガスにするかで迷う方も多いでしょう。それぞれに長所と短所があり、料理スタイルや生活環境に合わせて選ぶことが大切です。
最近では、IHでもガスでも使い勝手や安全性を高めた製品が増えており、選択肢も広がっています。以下の表で特徴を比較して、自分に合ったコンロを見つけましょう。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
IHクッキングヒーター | ・火を使わないため安全性が高い ・オール電化に対応できる ・フラットでお手入れがしやすい |
・直火調理ができない ・停電時に使用できない ・対応する調理器具が限られる |
ガスコンロ | ・高火力で直火調理が可能 ・停電時にも使える ・ほとんどの調理器具に対応 |
・お手入れに手間がかかる ・火を扱うため火災の危険がある ・夏場は室温が上がりやすい |
収納スペースの量とバランス
キッチンの使い勝手を左右する要素が収納スペースです。足りなければワークトップに物があふれて作業しにくくなり、逆に多すぎるとムダなスペースやコストが発生します。普段使う調理器具や食器の量を把握し、ちょうど良い収納量を見極めることが大切です。
よく使う包丁やおたまなどは引き出しポケットなど手が届きやすい場所へ、予備の調味料や使用頻度の低い鍋はキャビネットの奥に収納するなど、使用頻度に応じた配置を心がけましょう。
実際の料理動作をイメージしながら、収納量と場所のバランスを決めることで、キッチンの作業効率が格段に向上します。
注文住宅キッチンの実例5選!
キッチンは、デザインやレイアウト次第で日々の料理時間をより快適で楽しいものに変えてくれます。注文住宅ならではの自由度を活かせば、素材やカラー、配置にこだわった理想の空間を実現できます。
ここでは、見た目の美しさと機能性を兼ね備えた5つのキッチンの実例をご紹介します。あなたの家づくりの参考に、ぜひチェックしてみてください。
1.木目調のナチュラルデザインなアイランドキッチン
温かみのある木目調で統一されたアイランドキッチンは、LDK全体にやさしい雰囲気をもたらします。
天井や床とも調和した自然素材の質感が、落ち着きと心地よさを演出。作業スペースが広く、家族やゲストとコミュニケーションを取りながら調理ができる開放的なレイアウトです。収納も豊富で、見た目と機能性を兼ね備えています。
2.ブラックを基調としたホテルライクなアイランドキッチン
重厚感のあるブラックを基調としたアイランドキッチンは、高級ホテルのラウンジを思わせる洗練された空間を演出します。
マットな質感の天板やキャビネットが落ち着いた雰囲気を生み、間接照明と木目の天井が上質さをさらに引き立てます。大きな窓から自然光が差し込み、スタイリッシュでありながら開放感も感じられる贅沢なキッチンです。
3.ホワイトタイルが可愛らしいペニンシュラキッチン
清潔感あふれるホワイトタイルが印象的なペニンシュラキッチンは、ナチュラルで可愛らしい雰囲気を演出します。
木目の天井やカウンター上のドライフラワーが温かみを添え、心地よい空間に。リビング・ダイニングと一体感のある対面レイアウトで、家族との会話を楽しみながら調理できます。シンプルながらも、インテリア性と機能性を兼ね備えた魅力的なキッチンです。
4.パントリーと隣り合わせのペニンシュラキッチン
木目の温もりを感じるペニンシュラキッチンは、背面にたっぷりの収納カウンターを備え、さらに奥にはパントリーが隣接。調理中に食材や調理器具をすぐ取り出せる便利な動線が魅力です。
コンパクトながらも収納力が高く、キッチン周りをすっきり保てます。日常使いから来客時まで、快適さと効率性を兼ね備えたレイアウトです。
5.ブラック×シルバーがお洒落な二列キッチン
クールなブラックと輝きのあるシルバーを組み合わせた二列キッチンは、スタイリッシュで個性的な空間を演出します。
アイランド側には存在感のあるステンレスパネルを採用し、無骨さと高級感を両立。背面にはオープン棚とブラック天板を備え、調理器具や食材を機能的に配置できます。デザイン性と作業効率を兼ね備えた、大人のためのキッチンです。
注文住宅キッチンをおしゃれに仕上げるコツ
キッチンは日々の家事を行う場所でありながら、LDK全体の印象を左右する重要なインテリア要素でもあります。デザインや色使い、配置の工夫次第で、実用性とおしゃれさを両立させることが可能です。
ここでは、注文住宅のキッチンをスタイリッシュに仕上げるための具体的なポイントを紹介します。
部屋全体でコーディネートする
オープンキッチンや対面キッチンは、リビングやダイニングから常に視界に入るため、空間全体の統一感を意識したコーディネートが重要です。
色味や素材を床・天井・家具と合わせることで、LDKに溶け込むインテリアの一部として演出できます。また、腰壁や吊戸棚、照明デザインを工夫すれば、キッチン自体を空間のアクセントとして魅せることも可能です。
周囲からの見え方を確認する
オープンキッチンは、リビングやダイニングから作業中の手元やシンクの中が見えやすく、生活感が出やすいのが難点です。
常に整った状態を保つのが難しい場合は、手元を隠せる腰壁や立ち上がりカウンターの設置がおすすめ。視線を遮ることで見た目をすっきり保てるほか、収納スペースを増やしたり、壁面デザインでおしゃれに演出することも可能です。
開放感を意識する
キッチンは作業の場であると同時に、家族が集うLDKの一部でもあります。開放感を意識することで、料理中も心地よく過ごせ、空間全体の雰囲気も向上します。
たとえば、対面キッチンや窓を設けて視線の抜けをつくる、膨張色を使って広く見せる、色味を統一してすっきり見せるなどの工夫が効果的。見た目と使いやすさの両方を兼ね備えた空間づくりを目指しましょう。
注文住宅をお考えなら、グランハウスにご相談ください!
注文住宅のキッチンづくりは、間取りやレイアウト、素材や色使いなど、多くの選択肢の中から自分たちのライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
今回ご紹介した事例やポイントを参考にすれば、見た目も機能性も兼ね備えた理想のキッチンが実現できるはず。
グランハウスは岐阜/愛知/三重で注文住宅を提供している設計士集団です。
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