家づくりお悩み相談室

注文住宅を建てる際のハウスメーカーの選び方|チェックポイント・注意点も

公開:2025.12.17

「住宅は大きな買い物だから、依頼するハウスメーカーは慎重に選びたい」

「どんな基準でハウスメーカーを選んだらいいの?」

マイホームづくりを始める人の中には、このような疑問を抱える人も多いのではないでしょうか?

この記事では、注文住宅を建てる際のハウスメーカー選びの流れを徹底解説します。あわせて、選ぶ際のチェックポイントや注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

注文住宅のハウスメーカー選びの流れ

グランハウス オフィス

予算と希望条件を決める

住宅金融支援機構の「2024年度フラット35利用者調査」によると、土地付き注文住宅の平均所要資金は約5,000万円、土地を所有している場合の注文住宅では約3,900万円となっています。

このように、注文住宅の建築には多額の費用がかかるため、慎重な資金計画が欠かせません。まずは「予算」と「希望条件」をしっかりと整理することが、理想の住まいづくりへの第一歩となります。

〇予算の立て方のポイント

・自己資金と住宅ローンの借入可能額を合計し、総予算を算出する

・総予算の中から建物本体、土地、諸経費にどう配分するかを考える

・住宅ローンは無理のない返済額で設定する

・頭金、手数料、登記費用などの諸経費も含めて計画する

〇希望条件を整理するポイント

・希望する間取りや部屋数

・必要な住宅性能(断熱性、耐震性など)

・デザインや外観のイメージ

・設備や仕様に関する要望

・家族の生活スタイルに合った動線やレイアウト

・予算とのバランスを見ながら、希望に優先順位をつける

あれもこれもと詰め込みすぎると予算オーバーになりやすいため、「絶対に必要な条件」と「できれば欲しい条件」を見極めておきましょう。

参考:住宅金融支援機構│フラット35利用者調査

カタログ請求

希望や予算が整理できたら、次はハウスメーカーのカタログを取り寄せましょう。

カタログでは、デザインテイスト・施工事例・採用している構造・工法・住宅性能(断熱性・耐震性など)・標準仕様とオプションの設備内容 などを確認することができますよ。

ネットや一括請求サービスを利用すれば複数社のカタログを簡単に取り寄せ可能ですが、数が多すぎると比較が難しくなります。

カタログ請求の際は「予算に合っているか」「希望条件に対応できるか」を基準に10社以内に絞り込みましょう。

カタログを比較した上で、気になるハウスメーカーを5社程度に絞り込みます。この段階で、家づくりのコンセプトや強みを整理し、最初に決めた希望条件と照らし合わせて検討してみてください。

住宅展示場・モデルハウス見学

ハウスメーカーを数社に絞ったら、次は住宅展示場やモデルハウスの見学です。カタログでは分からなかった「使い勝手」「動線」「雰囲気」などを体感できる貴重な機会です。

見学時は、以下のようなポイントをチェックしてみてください。

・生活動線・家事動線のスムーズさ

・各部屋の広さと配置

・収納スペースの使いやすさ

・採光や風通し

・仕上げ材や設備の質感

複数見学できるのが理想ですが、1棟あたり1〜2時間かかるため、そこまで多くの家を見学することはできません。1日に見学するのは3社までにすることをおすすめします。

また、見学の際は、事前に質問リストを用意しておくと良いですね。とくにモデルハウスの設備はオプション仕様が多いため、標準仕様との違いを確認しておくと安心です。

見積もり

住宅展示場やモデルハウスの見学を経て、気になるハウスメーカーが2〜3社に絞れたら、次は「相見積もり」を依頼しましょう。複数社から見積もりを取ることで、価格や内容の違いが比較しやすくなります。

相見積もりを取るときのポイントは、以下の2点です。

・同じ間取り・仕様・設備条件で見積もりを依頼する

・他社にも見積もりを依頼していることをあらかじめ伝えておく

見積書には2種類あります。最初に提示されるのは「概算見積もり」で、ざっくりとした総額を把握するためのもの。

この段階では、価格感や内容の違いを比較する材料として利用しましょう。その後、依頼先を1社に絞った段階で「詳細見積もり」を依頼します。

見積もり内容の透明性はもちろん、対応してくれる担当者の姿勢も大切な判断基準です。不明点をしっかり質問し、納得できるまで確認しておきましょう。

依頼するハウスメーカー決定

相見積もりの比較や担当者とのやり取りを踏まえ、最終的に依頼するハウスメーカーを1社に決定します。

ハウスメーカーが決まったら、正式に「工事請負契約」を締結します。契約書の内容は細部までしっかり確認し、納得した上でサインしましょう。契約後のプラン変更には追加費用がかかる場合もあるため、契約前の時点で間取りや設備内容をできる限り固めておくと安心です。

工事請負契約後は、打ち合わせを重ねて詳細プランを詰めていきます。同時に、地盤調査や住宅ローンの事前審査も並行して進めておきましょう。最終プランが決まったら、市区町村に建築確認申請を提出し、許可が下りた後に住宅ローンの本審査へと進むのが一般的な流れです。

ハウスメーカーを選ぶ際のチェックポイント

グランハウス オフィス

注文住宅のハウスメーカー選びでは、価格やデザインだけでなく、住宅の性能やサービス体制、担当者との相性など、さまざまな視点での比較が欠かせません。ここでは、ハウスメーカーの選び方として、押さえておきたい8つのポイントをご紹介します。

デザインの得意分野

ハウスメーカーごとに得意とするデザインのテイストは異なります。自分たちの好みに合ったテイストを得意とする会社を選ぶことで、理想の外観に近づけることができます。

代表的なデザインテイストとその特徴は以下の通りです。

テイストの種類

特徴

シンプルモダン

・都会的で洗練されたデザイン

・直線的なフォルムと控えめな装飾が特徴

ナチュラルモダン

・自然素材を活かした温かみのあるデザイン

・アースカラーがベース

和モダン

・和の要素と現代的なスタイルを融合したデザイン

・自然素材や直線的なデザインが中心

南欧風

・アースカラーを基調にした爽やかなデザイン
・レンガやスパニッシュ瓦などを使用

アメリカン

・ベランダや廻り縁などを取り入れた素朴なデザイン

・ライトカラーの外壁とダークカラーの屋根が定番

デザインにこだわりたい場合は、ハウスメーカーの施工実例やカタログをチェックして、自分の好みに合ったテイストを得意とする会社かどうかを見極めましょう。住宅展示場で実際の仕上がりを確認するのもおすすめです。

対応エリア

ハウスメーカーは全国展開している企業も多いですが、必ず建築予定エリアに営業所や施工対応があるか確認しましょう。地域に根ざした支店があれば、気候や条例・補助金制度など地域特有の事情にも対応しやすくなります。

対応エリアは公式サイトの対応表や、資料請求・無料相談サービスからも確認可能ですよ。

対応している構造・工法

注文住宅を建てるうえで、ハウスメーカーが対応している「構造・工法」は、家づくりの基礎となる大切なポイントです。構造によってコスト・耐久性・間取りの自由度が大きく変わるため、自分たちのこだわりや暮らし方に合った工法を選ぶことが求められます。

主な構造・工法と特徴は以下の通りです。

構造・工法

特徴

木造:木造軸組工法

・木材で柱と梁を組む在来工法

・間取りの自由度が高く、日本の住宅で多く採用

木造:2×4(ツーバイフォー)工法

・パネルで建物全体を支える面構造の工法

・耐震性・気密性に優れ、人気が高まっている

鉄骨造:軽量鉄骨

・厚さ6mm未満の鉄骨を使用

・品質が安定していて、耐久性にも優れている

鉄骨造:重量鉄骨

・厚さ6mm以上の鉄骨を使用

・柱が少なくて済み、間取りの自由度が高い

鉄筋コンクリート造(RC造)

・鉄筋で枠を組み、内部にコンクリートを流す構造

・耐震性・防音性・耐火性が高い

構造や工法によって、建築コストや性能・仕上がりに大きな差が出ます。たとえば「耐震性を重視したい」「将来の間取り変更に柔軟に対応したい」など、優先したい条件に応じて適した構造を選ぶようにしましょう。

住宅性能

ハウスメーカーの住宅性能にも注目しましょう。日本は地震が多いため、多くのメーカーが「耐震性」に配慮した家づくりを行っていますが、それ以外にも「断熱性」や「気密性」は、住み心地に大きく影響します。

断熱性と気密性に優れた住宅は、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるだけでなく、冷暖房の効率が良いため、省エネにもつながります。ハウスメーカーごとの性能の違いを見比べながら、快適に暮らせる住まいを実現しましょう。

価格帯・費用

予算を大きくオーバーしてしまうと、将来の生活に負担がかかる可能性もあるため注意が必要です。

検討時には、以下の項目をしっかり確認しておきましょう。

・住宅ローンの月々の返済額
・頭金や手数料、登記費用などの初期費用
・オプションの有無や追加費用の発生有無

何にお金をかけるか、優先順位を明確にしておくことが大切です。

また、坪単価の安さだけでハウスメーカーを選ぶのは避けましょう。たとえ価格が高く見えても、標準仕様に高性能な設備や素材が含まれているケースもあります。費用の内訳や根拠、オプションの扱いなども詳しく比較したいですね。

アフターケア

注文住宅は「建てて終わり」ではありません。

新築住宅には、住宅品質確保促進法により引き渡しから10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。これは、万が一住宅に欠陥が見つかった場合、ハウスメーカー側が修繕や補修を行う責任を負うというものです。

さらに、多くのハウスメーカーでは独自のアフターサービスを用意しています。たとえば、以下のようなサービスが代表的です。

・最長30年の長期保証

・定期点検の実施

・24時間対応のサポート窓口

こうしたサポート体制が整っていれば、住み始めた後も安心して暮らせます。特に、住宅の不具合は築10年を過ぎてから発生しやすいため、保証内容や対応の手厚さも確認しておきたいですね。

参考:国土交通省│住宅の品質確保の保身等に関する法律のポイント

施工会社の質

注文住宅の品質を左右する大きな要素のひとつが、実際に工事を行う施工会社の体制です。ハウスメーカーを選ぶ際には、施工を担当する会社がどのような基準で選ばれているかを確認しておきましょう。

たとえば「指定工事店制度」は、一定の技術力や経験を持った施工会社だけをハウスメーカーが選定し、継続的に契約している仕組みです。こうした制度があるハウスメーカーであれば、一定以上の施工品質が期待できます。

営業担当者の相性

注文住宅は土地選び・設計・施工・引き渡し・アフターサービスまで半年以上かかるのが一般的。

営業担当者は、オーナーの希望を施工会社や職人へ橋渡しするだけでなくアフターサービスまで担当することになります。長いお付き合いになるからこそ、以下のような点をきちんと見極めると安心ですね。

・レスポンスが早く、連絡を取りやすい

・突然の質問や変更にも柔軟に対応してくれる

・的確な提案をしてくれるか

・こちらの要望をきちんと理解しているか

ハウスメーカーを選ぶ際の注意点

グランハウス 男性

注文住宅を建てる際にハウスメーカーの選び方を間違えると、理想の家づくりから遠のいてしまいます。後悔を防ぐために、事前に押さえておきたい注意点をまとめました。

知名度だけで判断していないか?

「知名度が高ければ安心だろう」と、ハウスメーカーを名前だけで選んでしまうのは危険です。もちろんテレビCMや広告で目にする大手ハウスメーカーにはブランド力があり魅力的ですが、それが必ずしもあなたの 注文住宅 の希望や予算に合うとは限りません。

ハウスメーカー選びの基本は、まず「自分たちの予算」と「希望条件」に合致しているかを確認すること。知名度だけに頼らず、地元密着型の中小規模の会社やローコスト重視のメーカーなど、幅広く比較することが大切です。

住宅展示場を見ただけで決めていないか?

住宅展示場でモデルハウスを見学するのは、ハウスメーカー選びの第一歩です。ただし、モデルハウスは特別仕様であることが多く、実際に建てる家とはギャップが生まれる可能性があります。

そのため、モデルハウスを参考にするのは良いですが、それだけで決めずに、完成見学会や実際の施工事例を見せてもらうと安心です。リアルなサイズ感や設備内容を知ることができ、後悔のない注文住宅のハウスメーカー選びにつながります。

予算をオーバーしていないか?

注文住宅で予算オーバーをすると、ローンの返済が厳しくなったり、生活のゆとりが失われたりするなど、後々の家計に大きな影響を及ぼす可能性があります。

たとえば「坪単価だけ」を基準にハウスメーカーを選んだ場合、付帯工事や諸費用が含まれていないまま契約を進めてしまい、結果として契約時点で想定以上の費用が必要になるケースも。

そのため、注文住宅のハウスメーカー選びにおいては、計画初期段階で「予算」と「希望条件」を明確にし、ハウスメーカーに見積もり依頼をする前に余裕を持った予算設定をしておくことが大切です。

施工会社や職人の質に問題はないか?

注文住宅を実際に建てる際には、家づくりに携わる職人さんや施工現場の雰囲気も重要です。契約前に施工現場の見学が可能であれば、足を運んで以下の点を確認してみましょう。

・現場の整理整頓がされているか

・安全対策が適切に施されているか

・職人さんたちが真摯に作業しているか

・内部構造まで丁寧に見せてもらえるか

・質問にしっかり答えてくれるか

こうした現場の様子は、職人の仕事への姿勢や丁寧さを知るうえでも大切なポイントです。細かな部分まで気を配る現場であれば、それだけ完成後の仕上がりにも期待が持てます。表面的な説明だけでなく、実際の現場を見て“安心して任せられるか”を判断する視点も忘れないようにしましょう。

着工後の変更は可能か?

注文住宅を建てる上で起こりがちなのが、着工後に「窓の位置を変えたい」「コンセントを追加したい」といった仕様変更の希望です。ハウスメーカーを選ぶ際には、着工後の変更に対応可能かどうか、そしてその際の費用や工期の影響についても「選び方」の視点で確認すべきです。

具体的には、変更可能な範囲(窓・壁紙・設備位置など)、追加費用が発生するかどうか、その費用の目安、工期が延びる可能性などがポイントとなります。

これらを事前に把握しておくことで、契約後に「思っていたより費用がかかった」「予定より工期が延びた」といったトラブルを防ぎ、安心して家づくりを進めることができますよ。

注文住宅をお考えなら、グランハウスにご相談ください!

まとめ グランハウス

ここまで、注文住宅におけるハウスメーカーの選び方について、流れやチェックポイント、注意点まで詳しくご紹介してきました。実際に家づくりを進める中で、「自分たちの理想に合うハウスメーカーはどこなのか」「何を基準に選べば後悔しないのか」など、悩まれる方も多いかと思います。

グランハウスは岐阜/愛知/三重で注文住宅を提供している設計士集団です。

「ハウスメーカーでも工務店でもない、設計士とつくる」からこそ、お客様の想いやこだわりに丁寧に向き合い、ちょっとカッコいい、暮らしやすい家をご提案します。

施工実績は1,000件以上。「より良い家づくりをしたい」「岐阜で注文住宅を建てたい」とお考えの方は、ぜひグランハウスに一度お問い合わせください。