こんにちは!
設計インテリア担当の山路です。
先日、奈良県にある
「ふふ奈良」へ行ってきました。
「ふふ奈良」での滞在は、
まさに“静けさ”そのものに身を委ねる時間でした。
部屋に一歩足を踏み入れると、
視覚・聴覚・肌で感じるすべてが穏やかに整えられていて、
自然と深呼吸したくなるような落ち着きがありました。
派手な装飾があるわけではありません。
けれど、
光の入り方、素材の質感、天井の高さ、外とのつながり──
その一つひとつが丁寧に設計されていて、
「ただいるだけで心が満たされる空間」でした。
この体験を通して、
住まいにおける「心地よさ」のあり方を
改めて考えさせられました。
【光が“やわらかく包む”空間】
室内は、昼夜問わず
やわらかな光に包まれていました。
天井や壁に直接光源を見せるのではなく、
間接照明や障子越しの光で、
空間全体がふんわりと明るい。
夜になると、天井のダウンライトと間接照明が
木の天井を優しく照らし、
落ち着いた雰囲気に包まれます。
住宅でも、「明るさ=光量」ではなく、
「光の質」を整えることで、居心地はぐっと深まります。
窓の配置や照明の設計を少し工夫するだけで、
時間の流れや空気感が豊かに変わっていくのです。
【素材が“静かに語り合う”デザイン】
空間に使われているのは、
木・石・和紙といった自然素材。
それぞれが強く主張するのではなく、
互いを引き立て合いながら調和しています。
例えば、深い色味の木天井と、マットな質感の壁。
柔らかい畳と、籐のローテーブル。
異なる素材が静かに対話することで、
心が落ち着く空間が生まれていました。
住宅設計でも、素材を選ぶときは
「単体のデザイン性」だけでなく、
「隣り合う素材との関係性」を丁寧に整えることが大切です。
【内と外を“ゆるやかにつなぐ”余白】
印象的だったのは、室内とテラスのつながりです。
段差のある小上がりリビングから、
そのまま外のデッキへと視線と動線が伸びていく。
窓を開け放つと、
外の木々の緑と風が室内に溶け込み、
まるで自然の中にいるような心地よさが広がります。
空間に“余白”を残すことで、
内と外、建物と自然、暮らしと時間が
ゆるやかに混ざり合う。
そんな設計が、
心の深い部分に響く居心地を生み出していました。
ふふ奈良で感じたのは、
「心地よさは、派手なデザインではなく、
“丁寧に整える”ことで生まれる」ということ。
光の質、素材の対話、余白と自然とのつながり。
どれも特別な技術ではなく、
ひとつひとつの要素を丁寧に整える姿勢が
空間全体の深い落ち着きをつくっていました。
住まいは、日々の時間や気持ちを映し出す器。
「静けさ」や「整い」を感じられる空間で、
心からくつろげる暮らしを一緒に形にしていきませんか?
山路